三菱重工工作機械、全ての工作機械にモニタリング機能「DIASCOPE」を標準搭載
PR TIMES / 2020年2月10日 12時25分
顧客支援機能の拡充で市場競争力を強化
◆ 4月から「DIASCOPE」の標準搭載を開始、併せてメンテナンスサポート契約も刷新
◆ モニタリング機能と定期保守サービスの提供により、機械の安定稼働とLCC改善へ
[画像: https://prtimes.jp/i/25611/105/resize/d25611-105-436721-0.jpg ]
三菱重工グループの三菱重工工作機械株式会社(社長:岩崎 啓一郎、本社:滋賀県栗東市)は、4月以降に販売する全ての工作機械にモニタリングシステム「DIASCOPE(ディアスコープ)」を標準搭載します。エッジ(注1)による分散処理とクラウド(注2)を融合させた効率的なIoT(モノのインターネット)技術により、工作機械の知能化・自律化ならびに運転の最適化を追求。顧客のバリューチェーン全体の生産活動を全面的にサポート・改善することで、市場競争力を強化していくことが狙いです。併せて、顧客との間で結ぶ「メンテナンスサポート契約」も刷新。顧客支援機能の充実を、デジタルトランスフォーメーション(注3)を中核に展開していきます。
今回標準搭載されるディアスコープは、すでに同じ名称で提供してきたモニタリングシステムを全面的に刷新したものです。大形工作機械、歯車工作機械、超精密加工機を対象として、全ての工作機械に搭載します。刷新のポイントは、各種データの収集・解析を遠隔地にあるクラウドサーバーとのインターネット通信で処理し、工作機械のセンサーや測定器などからのデータ収集は、通信の時間がかからない近くのエッジサーバーで分散処理する仕組みを整備したことです。これらにより、迅速かつ高効率なモニタリングを可能としました。
ディアスコープの搭載により、リモートモニタリング、稼働モニタリングの各種サービスをユーザーに提供します。リモートモニタリングは、トラブルなどのアラーム情報をディアスコープ経由で三菱重工工作機械のサポートセンターに自動で通知することにより迅速な復旧サービスの提供を可能とする機能で、機械のダウンタイム削減に寄与します。稼働モニタリングは、パソコンやスマートフォンにて24時間リアルタイムで機械の稼働情報を確認できる機能で、アラームや加工完了などの機械停止情報をいち早く提供することができます。また、稼働実績の分析結果も表示されるため、稼働率改善に向けた取り組みに迅速に着手することを可能とします。
今後は、機械の操作盤やスマートフォンなどを通じ、ユーザーとサポートセンターとの双方向間コミュニケーションが可能となる機能や、各種情報を発信するポータルサイト、加工ネットワークサイトの開設など、様々なサービスを順次展開していく予定です。
さらに、刷新後のメンテナンスサポート契約は、定期的なメンテナンス工事を提供することで、さらなる設備の安定稼働を保証するとともに、顧客のライフサイクルコスト(LCC:Life Cycle Cost)を改善します。これまでの1年契約に加え、ロングプランやクイックプランなどを契約プランとして用意し、機械の安定稼働や機械精度の安定化などを幅広くサポートしていきます。
メンテナンスサポート契約は、2016年に開始して以来累計契約台数約200台(約100社)と、多くの顧客から好評を博してきました。契約した顧客サイドでは、突発停止が約50%低減しており、生産活動の改善に寄与しています。
今後は、さらなるサポート契約メニュー拡大をはかるとともに、顧客の機械保全に対するスキルアップを支援する保全支援プランなどもラインアップすることで、機械のハード面におけるメンテナンスだけでなく、人材育成などのソフト面でのサポートも展開していく予定です。
三菱重工工作機械は、一連のデジタルトランスフォーメーション展開を通じて、ものづくり現場の生産に一層密着したきめ細かいソリューション提案に力を注いでいきます。
(注1)エッジ(エッジコンピューティング)とは、端末の近く(エッジ)にサーバーやコンピューターを分散配置して処理する手法で、エッジ処理とも呼ばれ、負荷を分散して通信時間の短縮などをはかるものです。
(注2)クラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネットなどのコンピューターネットワークを経由した遠隔場所(クラウド=雲)のコンピューター資源をサービスとして提供する手法です。
(注3)デジタルトランスフォーメーションとは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念。ビジネス界ではおおむね、企業がテクノロジーを活用して事業の業績や領域を根底から変化させたり浮揚させたりするとの意味合いで使われます。
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