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【調査発表】コロナ禍で加速したVUCA×Z世代 新人育成のニューノーマルを考える 「2021年 新入社員意識調査」の分析結果を発表

PR TIMES / 2021年6月28日 17時45分

オンライン慣れした今年の新入社員は「仕事と私生活のバランスがとれるか」を不安視 昨年急上昇した「先輩・同期とうまくやっていけるか」に関する不安は例年並みに

 企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:山崎 淳 以下、当社)は、2021年度の新入社員2,380名に対し、2つの意識調査(以下、調査1・調査2とする)を実施し、「理想の職場や上司像」や「仕事観」など、調査結果から見える実態について公表しました。



1. 調査の背景
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、オンラインで授業を受け、WEBで採用面接を受けた人が多い2021年度の新入社員。デジタルネイティブ世代でもあることから、入社後すぐのテレワークにも比較的柔軟に適応している印象を受けます。一方で、テレワーク環境が続く企業も多いことから、仕事観やキャリア観の世代間ギャップによるコミュニケーション齟齬に、気づきづらいという懸念もあります。
 そこで2021年度の新入社員を対象に意識調査を実施し、結果からみえる2021年度の新入社員の特徴や職場での受け入れのポイントについて考察をしました。

2. 調査のポイント
●仕事・職場生活をする上での不安は「仕事についていけるか」「私生活とのバランスがとれるか」が過去最高。昨年増加した「先輩・同僚とうまくやっていけるか」は例年並みに(調査1-図表1)
・「仕事についていけるか」、「私生活とのバランスがとれるか」は10年前と比較し、それぞれ7.7ポイント、6.7ポイント増加。選択率はそれぞれ過去最高の65.7%、36.7%。
・「私生活とのバランスがとれるか」は、昨年から7.5ポイント増加し、経年変化ではほかの選択肢に比べ大きな伸び率に。
・昨年、前年と比較し7.0ポイント増加した「先輩・同僚とうまくやっていけるか」は、今年は7.2ポイント減少し、選択率は38.6%と例年並みに。

→2021年度の新入社員は、学生時代にオンライン授業などを経験しており、オンライン環境に慣れている人が多いことが想定される。仕事とプライベートのメリハリがつけにくいことを経験上予測できることなどが影響し、「私生活とのバランス」への不安が高まっていると考えられる。
 一方、2020年度の新入社員が不安に感じていた「先輩・同僚とうまくやっていけるか」の選択率は例年並みに戻っていることから、内定期間や導入研修期間における各社の取り組みが、新入社員の不安を取り除くためにプラスに働いている可能性がある。

調査1-図表1 仕事・職場生活をする上での不安
Q あなたが仕事・職場生活をするうえで不安に思っていることは何ですか?(最大3つ)
[画像1: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-213501-2.png ]

*pt =ポイント(以降同様)。
*「2021-2020」「5年間の比較」「10年間の比較」のポイント数は四捨五入して表示(以降同様)。
*比較欄の青は0.1ポイント以上増加、赤は0.1ポイント以上減少(以降同様)。

●働きたいのは「お互いに助けあう」「お互いに個性を尊重する」職場。「お互いに鍛えあう」職場の選択率は過去最低(調査1-図表2)
・ 調査開始以来、「お互いに助け合う」がトップ。10年前と比較して16.5ポイント増加し、過去最高68.4%。
・「お互いに個性を尊重する」は、10年前と比較し選択肢の中で最も大きな伸び率で、16.9ポイント増加し、過去最高の44.9%に。
・10年前と比較し、「活気がある」「お互いに鍛え合う」 「皆が一つの目標を共有している」は減少し、それぞれ14.1ポイント、12.4 ポイント、7.8ポイント減少で29.9%、13.6%、25.2%。

調査1-図表2 働きたい職場の特徴
Q あなたはどのような特徴を持つ職場で働きたいですか?(最大3つ)
[画像2: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-777113-5.png ]


●厳しい指導や引っ張っていくような上司」よりも「傾聴し丁寧に指導をする上司」を望んでいる(調査1-図表3)
・「相手の意見や考え方に耳を傾けること(51.3%)」、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること(10年前と比較して13.7ポイント増加で過去最高47.7%)」がトップ2で、他の項目より11ポイント以上選択率が高い。
・「仕事に情熱をもって取り組むこと(21.4%)」「言うべきことは言い、厳しく指導すること(25.2%)」、「周囲を引っ張るリーダーシップ(16.3%)」は、10年前と比較しそれぞれ14.6ポイント、10.7ポイント、8.8ポイント減少。

調査1-図表3 上司に期待すること
Q あなたが上司に期待することは何ですか?(最大3つ)
[画像3: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-931526-7.png ]


●仕事をする上で重視したいことトップ3は「貢献」「成長」「やりがい」。一方で、「競争」「ビジョン」「創造」「金銭」「承認」の選択率は10%以下に(調査2-図表1)

調査2-図表1 仕事をする上で重視したいこと
Q あなたが仕事をする上で重視することは何ですか?(最大2つ/N=1589)


[画像4: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-453439-1.png ]


●「強み/得意なスタンス」は「協働」「相手基準」。「不安・苦手だが意識したいスタンス」は「自発」「試行」(調査2-図表2・3)
・仕事をする上で「自分の強み/得意だなと思うスタンス」トップ2は「協働」「相手基準」で、それぞれ選択率は36.0%、33.2%。
・仕事をする上で「不安・苦手意識があるけど大事だな」「意識的に取り組みたい」と思うスタンスのトップ2は「自発」「試行」で、それぞれ39.8%、24.0%。

→2021年度の新入社員は「周囲の力を借り活かそうとすること」、「相手の期待を考え、応えようとすること」は得意だと思っている人が多い。しかし、コロナ禍でコミュニケーション量が減少し、上司や先輩・同僚との関係性が築きにくい職場においては、上記のような強みが発揮しにくい可能性がある。
 正解がなく自ら試行錯誤しながら動くことが求められる仕事の増加や、テレワークで自ら発信していくことが重要な職場環境においては、「受け身にならず、自分から動こうとすること」や「失敗や否定を恐れず、思い切ってやってみようとすること」がより重要になってくる。しかし、そのようなことに対し、不安や苦手意識をもっている人も多い状況であることがうかがえる。

調査2-図表2 「自分の強み/得意だな」と思うスタンス
Q 「得意だな」「強みとしてさらに活かしたい」と思うスタンスにチェックを入れてください。(複数選択可/N=1132)
[画像5: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-364139-3.png ]


調査2-図表3 「不安・苦手意識があるけど大事だな」「意識的に取り組みたい」と思うスタンス
Q 「不安・苦手意識があるけど大事だな」「意識的に取り組みたい」と思うスタンスにチェックを入れてください。(複数選択可/N=1132)
[画像6: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-424777-6.png ]

[画像7: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-337147-4.png ]


3. 調査担当研究員
[画像8: https://prtimes.jp/i/29286/105/resize/d29286-105-817345-8.jpg ]

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRD統括部HRDサービス開発部トレーニング開発グループ
研究員 尾崎 優香
 2018年リクルートマネジメントソリューションズに入社。ソリューションプランナーとして、幅広い業界の企業の人・組織領域の課題解決支援に携わる。現在は、主に新人・若手社員向け・営業職向けのトレーニングサービスの企画・開発に従事。

4. 調査担当研究員のコメント
 新入社員の定着・早期立ち上がりはVUCA時代の組織にとってますます重要に
 企業にとって、コロナ禍での新入社員の受け入れは、今年で2年目となります。コロナ禍で正解がなく自ら試行錯誤をしながら動くことが求められる仕事が増加していたり、リモート環境下で自ら発信していくことが重要になっていたりと、OJTの難度は高まり、新入社員の定着や早期に自律して働く「立ち上がり」に関するご相談を伺うことが増えています。
 そこで、新入社員の定着・早期立ち上がりに関して、上司・育成担当者、新入社員、人事それぞれに向けて、いま、大切にしたい考え方をお伝えします。

 そもそも、なぜこのVUCA時代に新入社員の育成が大切になるのでしょうか。社会が変化する中、企業が今後も価値を創出し、持続的に成長し続けていくためには、新しい時代を生きてきた新入社員の個を生かし、新入社員から学ぶという視点が大切になると考えます。また新入社員側も個を生かして働くためには、これまで経験したことがないために知らなかったり苦手だったりすることでも、仕事で必要なこととして学んでいく必要があります。しかしながら調査からは、「自発」「試行」というスタンスを苦手としている新入社員が多いことがわかっています(調査2-図表3)。

 そのような状況において、新入社員の定着・早期立ち上がり支援をするために、「職場」が大きな要素の1つとなります。一般的に、上司・育成担当者は、新入社員と仕事の側面を中心としたコミュニケーションをとることが多いと思いますが、より重要なのが、人の側面に目を向けたコミュニケーションです。

 またリモート環境の職場が多いなか、新入社員は「アットホームな」「助け合う」職場を望む一方で、コロナ禍で在宅勤務が増え、対面でのコミュニケーションや仕事以外のコミュニケーション、自部署に限らない同期同士や他部署などの斜めの関係性にあたる先輩との接点も減り、孤独感を感じたり、悩みを相談できずにいたりする可能性もあります。

 今年の新入社員の特徴を鑑みても、より新入社員との接点を増やし、本人の持ち味を生かしながら、目の前の障害物の乗り越え方を一緒に考えていくことが、新入社員の成長を加速させ、立ち上がりを早めていくためのキーになると考えられます。新入社員個々人の行動の背景にある経験や想い、価値観などを知ったうえで、上司・育成担当者側の考えも伝え、相互理解を深めていくことが、遠回りのようでいて、新入社員が自律し、企業や社会に価値を発揮していくための近道となるでしょう。

 新入社員自身はどうしたらよいでしょうか。目の前の障害物を乗り越えていくために、自分の支えになるものを見つけることが重要となりますが、支えになるものは、一人ひとり異なります。今までの経験を振り返り、行動の背景にある想いや価値観、特徴に意識を向け、自己理解を深めることが第一歩となるでしょう。

 社会が変化する中、企業が今後も価値を創出し持続的に成長しつづけていくために、企業経営においても新入社員への期待も高まっているのではないでしょうか。人事の方々は、このニューノーマル時代において、自組織にとっての新入社員育成の重要性を明確にし、発信することで、職場の協力を得ながら、新入社員と受け入れ先の橋渡しの役割を担っていくことが求められています。新入社員育成には、絶対的なひとつの正解はありません。今回の調査が、社会全体で試行錯誤を繰り返し、人事、職場の方々がより自社に適した新入社員育成を考える一助になりましたら幸いです。

5. 調査概要
新入社員意識調査1 調査概要

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/29286/table/105_1.jpg ]



新入社員意識調査2 調査概要

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/29286/table/105_2.jpg ]



リクルートマネジメントソリューションズについて
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。

●事業領域:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築
●ソリューション手法:アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクス

また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。

※WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp

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