老化の原因となる細胞増殖の停止を防ぐメカニズムを発見!
PR TIMES / 2017年8月22日 15時56分
株式会社ファンケルは、角層バイオマーカー(1)のひとつである「IL-1RA」(2)について研究を行っています。その研究の中で「IL-1RA」が、老化の原因となる細胞増殖の停止を防ぐメカニズムに関与していることを発見しましたのでお知らせします。またこの結果は、「IL-1RA」を増やすことが、加齢による老化兆候に有効なアンチエイジング方法になることも期待できることを示しています。当社では、一連の研究成果をアンチエイジング化粧品の開発につなげてまいります。
本研究内容は、2017年6月2日~4日に開催された日本抗加齢医学会(於:東京都新宿区)で発表いたしました。
<研究結果>
【「IL-1RA」と細胞老化の関係を確認】
「IL-1RA」を減少させた表皮角化細胞(3)を人工的に作成し、老化の指標となるタンパクp21(4)の量を比較しました。その結果、「IL-1RA」を減少させた細胞はp21の量が3.5倍に増加しました(図1)。p21は細胞増殖の抑制に関与します。よって、p21の増加は、細胞増殖が抑制されて老化を引き起こすことが考えられます。また同様に、コラーゲン分解酵素であるMMP-2の量も比較したところ、「IL-1RA」を減少させた細胞ではMMP-2量が増加しました。MMP-2はコラーゲンの減少に関与している分解酵素であることから、同じく老化を加速することが考えられました(図2)。このことより、「IL-1RA」が減少すると細胞老化が加速されることが分かりました。
図1. 「IL-1RA」の減少によるp21の増加
[画像1: https://prtimes.jp/i/17666/106/resize/d17666-106-963815-0.jpg ]
図2. 「IL-1RA」の減少によるMMP-2の増加
[画像2: https://prtimes.jp/i/17666/106/resize/d17666-106-659277-1.jpg ]
【「IL-1RA」を増やすことで老化の原因となる細胞増殖の停止を防ぐことを検証】
そこで減少した「IL-1RA」を増やす成分を探しました。その結果、イノシトールと酵母抽出液に、「IL-1RA」を増やす効果があることが分かり(図3)、イノシトールと酵母抽出液によって老化で増えたp21が減少して細胞の老化を防ぐ働きがあることも分かりました(図4)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/17666/106/resize/d17666-106-986334-2.jpg ]
図4.イノシトール、酵母抽出液によるp21の抑制効果[画像4: https://prtimes.jp/i/17666/106/resize/d17666-106-429342-3.jpg ]
以上の結果から、「IL-1RA」を増やすことがp21などを減少させ、細胞増殖の機能低下やコラーゲン分解の防御に働き、効果的なアンチエイジング方法になることを解明しました。
<本研究の背景>
「IL-1RA」は身体の炎症時に増加し、正常化させる抗炎症性サイトカイン(5)で、細胞の増殖を促進するタンパクです。角層中の「IL-1RA」は加齢に伴い減少し(図5)、ターンオーバー(肌の新陳代謝)の指標になることが分かっています。当社はこれまでに、「IL-1RA」が多い肌ほどキメが整って肌の弾力性も高いことを発見してきました。これらの知見を活かし、加齢に伴って生じるターンオーバーの低下の目安として「IL-1RA」を角層バイオマーカーの指標のひとつとしています。
今回は、この「IL-1RA」の減少と老化の関係について検討を行い、「細胞の増殖サイクル」との関連性に着目し、細胞老化の抑制ができるアンチエイジングのメカニズムについて研究を行いました。
図5. 年齢による「IL-1RA」量の比較
茶色い部分が「IL-1RA」
[画像5: https://prtimes.jp/i/17666/106/resize/d17666-106-801162-4.jpg ]
<本研究結果による製品開発>
本研究で得た結果を応用して「IL-1RA」を増やすアンチエイジング製品を開発し、昨年末に美容液として発売しております。今後も角層バイオマーカーの技術研究力を高め、効果のある成分の探索を行い、よりお客様が実感できるアンチエイジング化粧品の開発に努めてまいります。
【用語解説】
(1)角層バイオマーカー:頬に貼ったテープ1枚から取れた角層のタンパクの分析から、一人ひとり異なる肌
状態や老化リスクを解析するファンケルの独自技術。
(2)IL-1RA:Interleukin-1 Receptor Antagonist。身体の炎症時に増加し、正常化させる機能をもつタンパク。
(3)表皮角化細胞:皮膚の表皮を構成する細胞。
(4)p21:様々なストレスによってDNAの損傷が生じると、p53というタンパクが増加し、DNA損傷応答機 構が活性化される。p53はさらにp21というタンパクを活性化し、細胞周期の停止を誘導する。これらのタンパクの量の増加は、細胞老化の目安とされる。
(5)サイトカイン:細胞から分泌されるタンパクであり、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称。
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