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選択的JAK1/JAK2阻害剤 「オルミエント(R)錠 4mg、同2mg 」既存治療で効果不十分な関節リウマチを適応として、日本にて製造販売承認を取得

PR TIMES / 2017年7月3日 17時5分

日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:パトリック・ジョンソン、以下「日本イーライリリー」)は、選択的JAK1/JAK2阻害剤「オルミエント(R)錠 4mg、同2mg」(一般名:バリシチニブ、以下「オルミエント(R)」)について、本日付で厚生労働省より、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を適応症として製造販売承認を取得しましたことをお知らせ致します。

関節リウマチは関節の炎症及び進行性損傷を特徴とした自己免疫疾患ですi, ii。日本での患者数は、70~80万人iiiと推定され、男性よりも女性の方が約3倍多くみられますiv。関節リウマチは、身体機能の低下、労働能力の低下、及び日常生活における困難など、患者さんに多くの負担を強いる疾患です。近年、関節リウマチ治療は大きく進展し、現在の標準療法である従来型抗リウマチ薬や生物学的製剤の登場によって、「寛解」や「低疾患活動性」を目指し、関節破壊の抑制を介して患者さんの長期予後を改善することができる時代となりました。しかしながら、痛みや倦怠感、朝のこわばりといった主観的症状の改善など、生活の質(QOL)を向上するために重要なニーズが満たされていない患者さんが未だ多くいらっしゃいます。

オルミエント(R)は、1日1回経口投与の選択的JAK1/JAK2阻害剤です。単剤、又はメトトレキサートと併用におけるオルミエント(R)の有効性及び安全性は、日本人371名を含むさまざまな治療歴のあるリウマチ患者さん2890名を対象とした完了済みの4つの試験を含む第III相臨床試験において、確認されました。RA-BEAM試験では、メトトレキサート使用下での本剤とアダリムマブ(TNF阻害剤)との比較を事前に規定し、実施しました。本剤は、現在の標準療法であるメトトレキサートによる治療に対して効果不十分であった患者さんにおいて、疾患活動性及び関節破壊の抑制効果について、アダリムマブと同様の効果を示すと共に、患者さんの痛みや倦怠感、朝のこわばりなどの主観的症状を評価するPRO(患者報告アウトカム)*についても、投与1週時から優れた改善を示しました。

また、国内外の臨床試験の併合解析(第II相及び第III相試験)において、オルミエント(R)が投与された総症例3,439例中、本剤との因果関係が否定されなかった有害事象は、1,428例(41.5%)に認められました。主な事象は、上気道感染、帯状疱疹等でした。主な臨床検査値異常は、LDLコレステロール上昇等でした。

今回の承認に際し、日本イーライリリーの研究開発本部バイオ医薬品領域本部長であるベルクラ・ピエールイブは、次のように述べています。「オルミエント(R)の製造販売承認取得は、日本イーライリリーにとって大変意義のある一歩です。社員一同、オルミエント(R)が次世代の治療薬として、既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者さんの関節破壊の抑制のみならず、日常生活における主観的症状の改善を介して、日本の関節リウマチ患者さんと医療者のニーズを満たし、関節リウマチ医療を大きく向上させることを真摯に願っております」。

※ 患者報告アウトカム(PRO : Patient-reported outcome)とは、“臨床医やその他の誰かによる解釈を介さない、患者から直接得られた患者の健康状態( 症状や満足度等)に関するあらゆる報告”を指します。(FDA 2009指針を参照)


製造販売承認内容の概要

販売名 オルミエント(R)錠 4mg、同2mg
一般名 バリシチニブ
製造販売承認取得日 2017年7月3日
効能・効果 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
[効能・効果に関連する使用上の注意]
過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の
抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな
症状が残る場合に投与する。
用法・用量 通常、成人にはバリシチニブ1回4mgを1日1回経口投与する。
なお、患者の状態に応じて2mgに減量すること。

オルミエント(R)について
オルミエント(R)は1日1回経口投与の選択的JAK1及びJAK2阻害剤であり、現在、炎症性疾患、自己免疫疾患を対象とした臨床試験が行われています。JAK酵素として、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類が知られています。JAK依存性サイトカインは多くの炎症性及び自己免疫疾患の病因と関連しており、このことからJAK阻害剤が、関節リウマチを含む広範囲の炎症状態を示す疾患の治療に有益である可能性が示唆されます。

2009年12月、リリーとインサイト・コーポレーション(以下インサイト)は、炎症性及び自己免疫性疾患の治療のために、バリシチニブ及び特定の後続化合物の開発・製品化について、世界規模の独占的なライセンス及び共同研究に合意したことを発表しました。2016年第1四半期に米国、欧州連合、日本の規制当局に対して、関節リウマチを適応としたバリシチニブの販売承認申請が行われました。2017年2月に欧州でオルミエント(R)の製造販売が承認されました。2017年4月に、米国食品医薬品局(FDA)が、オルミエント(R)の新薬承認申請(NDA)に対して、コンプリートレスポンスレターを発行しました。2017年6月にはスイスとクウェート、2017年7月には日本で、関節リウマチ治療薬として、オルミエント(R)の製造販売が承認されました。

関節リウマチについて
関節リウマチ(RA)は関節の炎症及び進行性損傷を特徴とした自己免疫疾患ですi,ii。世界的には2,300万人以上が関節リウマチに苦しんでいますv 。患者数は男性よりも女性の方が約3倍多くみられますv。関節リウマチに対する現在の治療法には、非ステロイド性抗炎症薬、現在の標準療法であるメトトレキサートのような経口の従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARDs)、及び関節リウマチの病因に関連すると考えられている選択的メディエーターを標的とした注射剤である生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬 (bDMARDs)がありますvi。現在の治療選択肢にも関わらず、患者さんの多くは治療の目標や持続的寛解を達成していませんvii。患者さんの全人的ケアを向上する新たな治療法に対して依然重要なニーズが存在しています。

バリシチニブの第III相臨床試験について
リリー及びインサイトは、多くの国における規制当局への承認申請のために、中等度から高度疾患活動性関節リウマチの患者さんを対象に、バリシチニブについて4つの第III相臨床試験を実施しました。4つの臨床試験のうち2つの臨床試験では、事前に、既承認の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)との比較(RA-BEGIN試験でのメトトレキサートとの比較及びRA-BEAM試験でのアダリムマブとの比較)を行うことを規定していました。中国での臨床開発のために、さらに1つの第III相臨床試験が追加されました。臨床試験プログラムには、メトトレキサート未使用、メトトレキサート効果不十分、従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARD)効果不十分、又はTNF阻害剤を含む生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARDs)に効果不十分という広範囲の患者が組み入れられています。第III相臨床試験のいずれかを完了した患者さんは長期継続投与試験に登録できます。臨床試験プログラムに関する詳細についてはwww.clinicaltrials.gov.をご参照ください。

インサイト・コーポレーションについて
インサイトはデラウェア州ウィルミントを拠点とし、先発医薬品の発見、開発、商品化に重点を置くバイオ製薬会社です。インサイトに関する詳細についてはwww.incyte.comをご参照ください。
ツイッター(@Incyte): https://twitter.com/Incyte

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー社は、世界中の人々の生活をより良いものにするためにケアと創薬を結び付けるヘルスケアにおける世界的なリーダーです。イーライリリー社は、1世紀以上前に、真のニーズを満たす高品質の医薬品を創造することに全力を尽くした1人の男性によって設立され、今日でもすべての業務においてその使命に忠実であり続けています。世界中で、イーライリリー社の従業員は、それを必要とする人々の人生を変えるような医薬品を開発し届けるため、病気についての理解と管理を向上させるため、そして慈善活動とボランティア活動を通じて地域社会に利益を還元するために働いています。

日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。
詳細はウェブサイトをご覧ください。
http://www.lilly.co.jp

〈このプレスリリースは、厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、重工業研究会、本町記者会、道修町薬業記者クラブ、神戸経済記者クラブへ配付しております〉
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_________________________ _
i American College of Rheumatology, Rheumatoid Arthritis,
http://www.rheumatology.org/practice/clinical/patients/diseases_and_conditions/ra.asp (Accessed: September 15, 2016)
ii Hand Clinics, Advances in the Medical Treatment of Rheumatoid Arthritis, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3135413/pdf/nihms305780.pdf (Accessed: September 15, 2016)
iii Report from Study Committee on Rheumatoid Arthritis and Allergy http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nfao-att/2r9852000001nfdx.pdf (Accessed on June 13, 2017)
iv Arthritis Foundation, What is Rheumatoid Arthritis?, http://www.arthritis.org/about-arthritis/types/rheumatoid-arthritis/what-is-rheumatoid-arthritis.php (Accessed: May 16, 2017)
v WHO Global Burden of Disease Report, (table 7, page 32) 2004, http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/GBD_report_2004update_full.pdf
(Accessed: May 16, 2017)
vi Arthritis Foundation, Rheumatoid Arthritis Treatment, http://www.arthritis.org/about-arthritis/types/rheumatoid-arthritis/treatment.php(Accessed: May 16, 2017)
vii McWilliams DF, Kiely PDW, Young A, Walsh DA. Baseline factors predicting change from the initial DMARD treatment during the first 2 years of rheumatoid arthritis: experience in the ERAN inception cohort. BMC Musculoskeletal Disorders. 2013;14:1-7.

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