超人気作家・森博嗣による読書論!誰も言わない「読み方」を教えよう──。
PR TIMES / 2018年4月10日 17時1分
なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある──。
森博嗣『読書の価値』(NHK出版新書、4月10日発売)は、著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにした一冊です。
本選びで大事にすべきただ一つの原則とは? 「つまらない本」はどう読むべきか? 漱石ってそんなに面白いですか? きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、体験的読書論!
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【ポイント1】森博嗣にしか書けない、あまりに「正直すぎる」内容
読書論といえば、古今東西の「名作」をお勧めしたり、速読や多読の「テクニック」を教えたりすることが多いもの。しかし、森博嗣さんがそんなことを書くはずがありません。良識的な読書人にはとても言えないようなことを率直に、それでいてロジカルに述べていきます。たとえば……
・速読は読書とは言えない
・読書感想文ほど無意味なものはない
・「読みやすい本」は流動食のようなものだ
・夏目漱石の作品が面白いと思ったことは一度もない
など、歯に衣着せぬ直言が満載。森博嗣ファンならずとも、きっと痛快な気分になるでしょう。
【ポイント2】本好きが直面する悩みにズバリ回答!
たとえば、読書になかなか集中できないことってありますよね。しかし森博嗣さんは、次のように述べます。
読んでいるうちに別のことを考えてしまい、読書に集中できない、ということがあるけれど、それは願ってもない状況といえる。勉強や仕事で読んでいるのではないし、早く読み切る競争をしているわけでもない。集中しなければならない理由は一つもない。
たびたび中断して別のことを考えるのも良い。なにか思い出したらじっくりとそれを考える。文章が頭に入らないと気づいたら、少し戻って読み直せば良い。それは損をしたのではなく、文章を二回読めたのだから得をしたと思った方が正解だ。頭に入らなかったのは、なにか理由がある。それを考えてみよう。そちらの方が大事だと思う。(本書162ページより)
遅々として進まない読書、その方がタメになるというのです。そのほか、「つまらない本」をどう読むべきか、専門書を読むために必要なセンス、など思わず膝を打ちたくなる話が満載です。
【ポイント3】本邦初? 読書家とはいえない作家による読書論
実は、人より多く本を読んできたわけではないという森博嗣さん。子どものころは、字がうまく書けないこともあり、読書は苦痛以外のなにものでもなかったそう。けれども、本書では次のように書いています。
しかし、いずれにしても明らかなことは、僕がもの凄く沢山のことをすべて本から学んできた、という事実である。文字がすらすらと読めないハンディを背負いながらも、とにかく本を読むしかなかった。知りたいことは、活字を追うことでしか得られなかったのだ。そして、本を読むことが僕にとって、いつの間にか日常になり、また、そういったインプットを体験していたからこそ、逆にアウトプットする仕事を得られたのである。(本書21ページより)
本を読めなかった少年が、それでも本を読むことで世界を拓いていき、工学博士・ベストセラ作家へとなっていった軌跡は感動的。あまり他に例のない、体験的読書論となっています。
【もくじ】
まえがき
僕は文字がうまく書けなかった/読書嫌いだった理由/読書の価値とは何か……など
第1章 僕の読書生活
速読は読書ではない/僕が初めて買った本/日本に小説好きが少ない理由/優れた小説の条件/専門書を読むためのセンス/ある家庭教師の思い出……など
第2章 自由な読書、本の選び方
どのように本を選ぶか/本はすすめられて読むものではない/教養とは何か/「つまらない本」の読み方/僕の本の選び方/ベストセラを避けるべき理由……など
第3章 文字を読む生活
世間に文章下手が多い理由/雑誌の創刊号はなんでも面白い/「文字を書く」という苦痛/文章は何のためにあるか/上手な文章の条件/「広く読む」ことのメリット……など
第4章 インプットとアウトプット
僕は言葉で考えない/知識を蓄える意味/ただ文字を辿って読んではならない/読書感想文は無意味だ/真に意味のあるアウトプット/本はイメージを運ぶメディア……など
第5章 読書の未来
日本の特殊な出版事情/紙の本には横書きが合う/「読みやすさ」の罠/本作りの「中間業者」は消えていく/娯楽産業の限界/出版社は読者集団のままで良いのか……など
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■書籍情報
書名:NHK出版新書 読書の価値
判型:新書版、 224ページ
定価:886円(税込)
発売日:2018年4月10日
著者:森博嗣
ISBN :978-4-14-088547-5
出版社:NHK出版
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000885472018.html
■著者プロフィール
森博嗣(もり・ひろし)
1957年生まれ。小説家、工学博士。某国立大学の工学部助教授のかたわら、1996年に『すべてがFになる』で作家デビュー。小説に『スカイ・クロラ』『ヴォイド・シェイパ』、エッセィに『小説家という職業』『孤独の価値』など。
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