世界初、使用済みプラスチックをリサイクルしたアンモニアを燃料用途で供給
PR TIMES / 2024年7月17日 18時15分
~アンモニア燃料船にTruck to Ship方式で実施~
株式会社レゾナック(社長:高橋秀仁、以下、当社)は、日本郵船株式会社(以下、日本郵船)が世界初*1の商用のアンモニア燃料船として8月下旬に竣工する予定のアンモニア燃料タグボート(以下、A-Tug)に、当社製の環境性能の高い低炭素アンモニアを供給しました。供給したアンモニアは使用済みプラスチックをリサイクルして製造したものを使用しており、使用済みプラスチック由来のアンモニアを燃料用途で供給するのは世界初*2です。
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Truck to Ship 方式による低炭素アンモニア供給
A-Tugへの燃料アンモニア供給は、横浜市港湾局の協力のもと、横浜港本牧ふ頭で本日実施されました。本年4月10日にお知らせした通り、Truck to Ship方式*3での船舶への燃料アンモニアの供給は世界初*4です。供給に先立ち、日本郵船、株式会社JERA、当社をはじめとした関係者は協議を重ね、供給に関わる安全な運用方法の確立、港湾地区への安全な輸送・受け入れ体制の構築に取り組み、世界初となる燃料供給作業を安全かつ円滑に完了しました。
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として注目されています。A-Tugに供給する当社のアンモニア「ECOANN(エコアン)」は、家庭や企業からゴミとして排出される使用済みプラスチックを原料の一部に使用して「プラスチックケミカルリサイクル」により製造しています。当社で製造するアンモニアは、製造過程で化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないことで「CO2排出80%強削減」を実現*5しています。当社は、1931年に川崎事業所で日本最初の国産技術を使ったアンモニアの生産に成功して以来、90年以上にわたり日本のアンモニアの安定供給に貢献してきました。長年蓄積したノウハウを活かして、低炭素アンモニアを安定的に製造し、船舶まで安全に輸送提供していきます。
■ケミカルプラスチックリサイクル(KPR)
当社川崎事業所(神奈川県川崎市)は、2003年から使用済みプラスチックを水素やアンモニアなどの化学品原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル」(当社では「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」と呼称)を実施しています。使用済みプラスチックを原料に、高温でガス化し分子レベルまで分解して水素とCO2を取り出しています。定常運転中に化石燃料をまったく使いません。ここで取り出された水素の一部は近隣プラントにて化学原料向けや水素ステーションにて燃料電池自動車向けに活用されます。そのほかは主にアンモニアの原料になり合成繊維、合成樹脂、化学肥料、薬品などに使われます。一方のCO2は大気中に放出することなくグループ会社でドライアイスや炭酸飲料、医療用炭酸ガス向けの原料に使用されるなど、資源循環を実現し持続可能で豊かな社会実現に向け活躍しています。KPRは、ガス化ケミカルリサイクルを20年の長期にわたって安定運転している世界で唯一のプラントです。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/102176/109/102176-109-4b127b577034f36a53402962a53a0e11-2848x2136.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
川崎プラスチックリサイクル(KPR)プラント
*1 日本郵船調べ。
*2 レゾナック調べ。使用済みプラスチックをリサイクルして製造されたアンモニアを燃料用途に供給する事例は世界初。
*3 Truck to Ship方式:船舶への燃料供給手法の一つで、タンクローリーよりフレキシブルホースを用い、船舶へ燃料を供給する方式。
*4 日本郵船調べ。商業ベースで運航するアンモニア燃料船に対し、track to shipで燃料供給する事例は世界初。
*5 使用済みプラスチックを100%原料にしたアンモニアと化石燃料を100%原料にしたアンモニアと比較したときに80%強の
CO2排出量削減。
参考:2022年12月20日発表:CO2排出量80%強削減を確認、使用済みプラスチックから生まれた低炭素アンモニア
■参考
2023年12月13日発表:世界初!船舶へのアンモニア燃料供給の実現に向けて日本郵船・JERAと共同契約を締結
2024年4月10日発表:世界初、Truck to Ship方式による燃料アンモニア供給を決定
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