アデランス研究開発部 第13回アジア繊維会議(13th Asian Textile Conference)において人工毛研究の成果を発表
PR TIMES / 2015年11月20日 12時43分
株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長 根本 信男)の技術・商品開発を担うアデランス研究開発部は、2015年11月3日(火)~6日(金)、ディーキン大学ウォーターフロントキャンパス(ビクトリア州ジーロング:オーストラリア)において開催された第13回アジア繊維会議(ATC-13)で、人工毛髪研究開発に関する学術発表を行いました。
会期中の5日(木)、アデランス研究開発部 課長代理の関 正敏研究員が登壇し、新人工毛髪の研究開発で得られた新技術についての口頭発表を行いました。
また、同会期中には当社の人工毛研究においてのアドバイザーである東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻 鞠谷 雄士教授が議長を勤めるセッションも開催され、鞠谷教授ご自身のキーノート講演も行われました。
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アジア繊維会議は、繊維や布地に関するあらゆる分野の最新の研究成果を発表するフォーラムです。伝統と現代を統合して次の十年の繊維科学や工学の進歩につなげるため、また、正しい知識を共有し、この分野において世界的な科学者や研究者を育成するためのプラットフォームとして隔年で開催されています。第13回を迎える今回は、主催するアジアの専門繊維連盟(FAPTA)加盟国のひとつ、オーストラリアの活気ある地方都市、ジーロングで開催されました。会場となったディーキン大学は、社会が直面している主要な課題に対処するためフロンティア材料研究所(IFM)を設立するなど、研究能力の高さが着目されるキャンパスです。
アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪以外にも医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携にて毛髪関連の研究に積極的に取り組んでおります。
その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者にわたくしどもの研究成果について議論して頂くことは、毛髪界の更なる進展につながるとともに、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与するための、当社のCSR(企業の社会的責任)活動の一環でもあると考えております。
■ATC-13 アデランス講演概要
演題:PA6/PETブレンド人工毛髪の反射率特性における製造条件の効果検証
株式会社アデランス 研究開発部
課長代理 関 正敏
人工毛髪開発において、表面光沢の制御は商品価値を決める上で重要な課題のひとつです。光沢を制御する手段として人工毛髪表面に凹凸を形成する方法があり、従来技術としては溶融紡糸工程での紡出糸の冷却条件制御によるもの、繊維形成後に物理的あるいは化学的に表面侵食を行うものなどがあります。
最近我々は、ポリアミド6(PA6)に一定量のポリエチレンテレフタレート(PET)を混合し、PETの溶融温度よりも低温で押出成形することで、表面に凹凸を発現させた繊維が得られることを確認しており、その凹凸が発生するメカニズムはPET成分の結晶化の観点から分析されています。
この研究において、PA6/PETブレンド人工毛髪は、PETの配合量、押出温度を変えることによってその表面形状が変わることから、量産化を視野に入れて、様々な配合比や温度条件で得た試作物について走査型電子顕微鏡での観察、変角光度計による光の反射率分布の測定によって評価しました。
その結果、人の毛髪とほぼ同じ表面反射特性を持つ人工毛髪の最適製造条件を見出しました。
[画像2: http://prtimes.jp/i/10292/112/resize/d10292-112-279097-1.jpg ]
■鞠谷教授議長セッション 高性能繊維と複合材料
「未延伸PETの冷延伸過程におけるエタノールのインフュージョンを利用した構造形成」
東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻
教授 鞠谷 雄士先生
[画像3: http://prtimes.jp/i/10292/112/resize/d10292-112-908548-2.jpg ]
セミナー概要
学 会 名 称 : 第13回 アジア繊維会議(13th Asian Textiles Conference, ATC-13)
会期 : 2015年11月3日(火)~11月6日(金)
会場 : ディーキン大学ウォーターフロントキャンバス(ジーロング:オーストラリア)
※アデランスの学術発表は、11月5日(木)に行われました。
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