旭化成、プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」を日本IBMと開始
PR TIMES / 2021年5月24日 11時45分
資源循環社会の実現に向け、企業と消費者が活用可能なデジタルプラットフォームを構築
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「旭化成」)は、SDGs(持続可能な開発目標)に象徴されるサステナビリティへの取り組みの一環として、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォームの構築を目指し、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、社長:山口 明夫、以下「日本IBM」)の技術支援を受けた「BLUE Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」プロジェクトを発足させ、2022年3月末までにプロトタイプを用いた実証実験を開始することを発表します。本プロトタイプは、実証実験のために設計されたもので、再生プラスチック製品におけるリサイクル素材の使用率の表示や、リサイクルチェーンの関与企業の可視化から、消費者の行動変容の促進を目指し、企業ならびに一般消費者の使用も想定し開発しています。消費者はスマートフォンのカメラを使い、再生プラスチック製品に印字されたQRコード等を読み取ることで、ブロックチェーン技術のトレーサビリティ(追跡可能性)によって来歴を確認することが可能です。旭化成により発足した「BLUE Plastics」プロジェクトは、IBM(R) Cloud上で稼働する、日本IBMのブロックチェーン技術を活用することでデジタルプラットフォームの構築を目指すほか、ブランドオーナーの立場からライオン株式会社、成型および最終製品化の各工程を専門とするメビウスパッケージング株式会社、リサイクルメーカーの立場から株式会社富山環境整備が協力することで、資源循環社会の実現を加速させます。
1. 背景
旭化成は、中期経営計画“Cs+ for Tomorrow 2021”において、「Care for Earth」という観点から「カーボンニュートラルでサステナブルな世界の実現」に取り組んでいます。また、バリューチェーンのさまざまなステージにおいてデジタルを活用することで新たな価値の提供を目指しています。昨今、地球環境の保全が重要視される中、環境に配慮しながらも利便性の高い製品を供給するために、使用済みプラスチックを資源として再利用する資源循環の推進や再生プラスチックの利活用が進む一方、これまで再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、原料のリサイクル比率を証明することは困難でした。旭化成は、資源循環社会を実現するために、再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化することで、安心して再生プラスチックを利用できる環境を整えることが必要と捉えています。また、資源循環と利便性の両立という社会課題に対し、個々の企業の取り組みだけでは解決は難しいとも考え、リサイクルチェーンに関わるさまざまな企業から消費者まで、幅広く使うことができる横断的なデジタルプラットフォームの開発を目指してきました。
2. 「BLUE Plastics」プロジェクトの概要
「BLUE Plastics」プロジェクトは、資源の循環を促進させるデジタルプラットフォームの構築を目指して旭化成により発足しました。日本IBMはIBM Cloud上で稼働するブロックチェーン技術を活用することでデジタルプラットフォームの構築を支援します。ブロックチェーン技術は、全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術で、関係者全員がアクセス可能でありながらデータ改ざんが不可であるため、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保します。日本IBMのブロックチェーン技術を土台に、回収、ペレット化、成型および最終製品化の各工程を専門とする株式会社富山環境整備、メビウスパッケージング株式会社、ライオン株式会社が協力することで、資源循環社会の実現を加速させます。リサイクルチェーンメンバーがすべてそろって開発に協力をしている点に本プロジェクトの特徴があります。
旭化成株式会社 :プロジェクト推進
日本アイ・ビー・エム株式会社 :デジタルプラットフォーム開発支援
ライオン株式会社 :ブランドオーナーの立場から開発協力
メビウスパッケージング株式会社 :成型加工メーカーの立場から開発協力
株式会社富山環境整備 :リサイクルメーカーの立場から開発協力
なお、「BLUE Plastics」プロジェクトは、上記メンバーや特定の樹脂に限定されるものではありません。今後幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定です。
3. プロトタイプの特徴
「BLUE Plastics」ではすでにデジタルプラットフォームのプロトタイプが完成しており、下記3つの特徴を有しています。再生プラスチック使用率の確認、リサイクルチェーンの可視化に加え、消費者行動変容を促す仕組みを備え、消費者まで巻き込んだリサイクル文化の創造を目指します。
(1)ブロックチェーンによる認証でリサイクル証明を担保
日本IBMのブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックのリサイクル率を証明します。消費者はスマートフォンのカメラで再生プラスチック製品に貼付してあるQRコード等を読み取ることで、再生プラスチックのリサイクル率を確認できます。
(2)リサイクルチェーンの可視化により消費者の安心感を醸成
上記同様に製品のQRコード等を読み取ることでリサイクルチェーンとプレイヤーをさかのぼって確認することができます。データはブロックチェーンで管理されており、来歴の透明性を担保することで消費者の安心感を醸成します。
(3)消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくり
リサイクル行動にポイントを付すことで、消費者の行動変容を促します。実証実験や社会実装を通じてさらに効果的な仕組みづくりに努め、新たなリサイクル文化の創造を目指します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/46783/115/resize/d46783-115-396913-0.jpg ]
4. 「BLUE Plastics」実証実験の概要
実証実験は一般家庭等から廃棄・回収される容器・包装プラスチックを再生した原料(ポリエチレンを想定)を使用したトイレタリーボトルを題材とした取り組みから開始します。すでに完成しているプロトタイプにリサイクルチェーンメンバーの意見を反映し、改良を行ったうえで、2022年3月末までに再生プラスチックを試験的に流通させ、ブロックチェーン上で管理する実証実験を実施します。将来は、デジタルプラットフォームで運用する樹脂の種類や用途も拡大し、同業他社問わず誰もが活用できるオープンなデジタルプラットフォームとして公開し、日本だけでなく、アジアへの展開も見据えて取り組んでまいります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/46783/115/resize/d46783-115-777040-1.png ]
旭化成は、今後もプラスチックリサイクルに対し、3R(Reduce、Reuse、Recycle)、そしてRenewableをキーワードとした取り組みを追求していきます。また、上流・下流のリサイクルチェーンプレイヤーを含め、同様の問題認識を持っている会社・業界団体・官公庁との協業も視野に入れて取り組んでまいります。
今後、旭化成と日本IBMは本プロジェクトを通じ、リサイクル率・リサイクルチェーンの可視化と、消費者行動の変容を促すデジタルプラットフォームを確立し、プラスチック資源循環を推進してまいります。
以上
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、IBM Cloudは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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