Green Carbon株式会社は、JAXA衛星「だいち2号」のデータを活用した事業化実証に2年連続で採択
PR TIMES / 2024年11月8日 14時45分
水田AWDプロジェクトのモニタリング手法のグローバル創出方法論への適用に挑戦
Green Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(読み:グリーンカーボン))は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)が行う、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)事業化実証(以下、本実証)のテーマの1つに2年連続で選定されました。認証機関に認証されている水田由来のメタンガス削減の方法論に対し、「だいち2号」のデータ利活用に関する事業化実証を開始したことをお知らせします。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/117956/115/117956-115-d04afb7c98f7965b9bfd0fd03018769c-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2年連続採択の背景
Green Carbonは、東南アジアを中心に自然由来のカーボンクレジット創出に取り組んでおり、森林保全、水田、マングローブ植林、牛のゲップ削減、バイオ炭プロジェクトなど自然由来のカーボンクレジット創出を幅広く展開しています。中でも水田プロジェクトに関しては、フィリピン、ベトナム、タイを中心に東南アジア地域に幅広く拡大を進めております。
昨年度は主に日本のJ-クレジット制度※1の「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論※2に対する衛星データの活用を目指し、実証を進めてまいりました。今年度は昨年度の実証実績を踏まえ、グローバル市場への活用を目指す実証に取り組んでまいります。日本の水田に比べ、合計面積は広いが農家あたりの保有面積が少ない東南アジアでは、プロジェクトに参加する農家数が日本の数十倍規模になるため、広域定期観測が可能な衛星データの有用性は高いと考えられます。
事業化実証の概要/将来の展望
本実証は、フィリピンブラカン州とベトナムアンザン省にて、現地の大学機関、当該地域の農家、JAXAと協力の上実施します。圃場の水位データと「だいち2号」搭載の合成開口レーダ(SAR)による衛星観測データをもとに、下記2つの実証を行います。
1.水田の湛水状況の把握
Green Carbonはグローバルな水田メタンガス削減方法論を用いて、東南アジア各国の水田でAWD(間断灌漑)※3を導入するプロジェクトを拡大しております。AWDのプロジェクトではモニタリングの要素として、水田の湛水状況(水位)を観測収集し、提出する必要があります。AWDは栽培期間全体を通して実施されるため、モニタリングは年間通して行う必要があり、農家および現地スタッフに対して、非常に大きな追加負担となっています。
本実証では、「だいち2号」の観測データを活用した圃場の水位モニタリングと現地に設置した水位センサーおよび人的収集される水位データと「だいち2号」から推定された水田の湛水状況の突合せにより、衛星モニタリングの有用性を検証します。これにより、農家による圃場の写真撮影の手間を削減すると同時に農家ごとの実施内容のばらつきをなくし、科学的かつ客観的な衛星モニタリングによりプロジェクトの信憑性を高め、クレジット創出過程における透明性向上を目指します。
2.プロジェクト実施前の農法慣習の推定
カーボンクレジット創出においては、ベースラインとして過去の土地利用や水田圃場での一般慣習を特定する必要があり、そのためGreen Carbonは対象農家へのヒアリングなどを実施しています。
「だいち2号」のアーカイブデータを活用し、過去年度の水田圃場における水管理状況などを推定することで、農家へのヒアリング情報の信憑性と透明性の向上を目指します。また、過去の土地利用を特定することで、プロジェクトの適地を把握することも可能であると考えており、さらなるプロジェクトエリアの拡大を狙います。
「だいち2号」事業化実証紹介
本実証は「だいち2号」のアーカイブデータを用いた事業の成立性を実証するもので、2021年度より実施されており、将来展望として、民間を含む利用者が主体となった衛星データの業務に対する定常利用(事業化)を掲げています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/117956/115/117956-115-16af59a90645438aca9571c8a185e235-594x363.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
〇陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)(C)JAXA
※1:省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「J-クレジット」として国が認証する制度です。本制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度で、国により運営されています。本制度により創出されたJ-クレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。
※2:中干し期間延長によるメタンガス削減とJ-クレジット創出の新たな方法論がJ-クレジットにおいて承認されました。水田の中干し(落水)は、土壌と空気が触れ、嫌気性菌の活動が抑制されることで、メタンガスの排出量を削減する効果があります。
※3:AWD(間断灌漑)
間断灌漑(AWD)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
※4:「だいち2号」の搭載の合成開口レーダ(SARデータ)による2014年の打ち上げから10年間にわたる観測データ(アーカイブデータ)を利用し、民間を含む利用者が主体となった衛星データの業務に対する定常利用(事業化)の可能性を実証するプロジェクト
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都港区赤坂5-2-33IsaI AKASAKA607
設立 :2019年12月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンとして掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジット創出・登録・販売までを一気通貫してサポートする事業を展開しており、その他にも、農業関連事業、研究開発事業、ESGコンサルティング事業なども展開しております。
事業展開領域は日本、東南アジアを中心にオーストラリア、南米まで拡大しており、自然由来のカーボンクレジット(水田、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、牛のゲップなど)を創出しています。国内の水田においては、2023年度日本初・最大級(約6,220t)で水田のJ-クレジットの認証を取得しており、2024年度は約40,000ha(約100,000t)に拡大していく予定です。また、クレジット登録・申請・販売までをワンプラットフォームで完結するサービス「Agreen(アグリーン)」を提供しており、クレジットの申請登録時にかかる手続きや書類作成などを簡略化し、クレジット創出者の工数を削減しています。
◆GREEN CARBON JAPAN VIETNAM COMPANY LIMITED
略称 :GREEN CARBON JAPAN VIETNAM CO,. LTD
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :10th Floor, The Nexus Building, 34-3B Ton Duc Thang, Ben Nghe Ward, District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
設立 :2024年8月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業
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