芥川賞や直木賞より売れている!?カリスマ書店員による「新井賞」、最新受賞作『ダルちゃん』は初のコミック?“擬態”“ダルダル人間”とは?作品の“キモ”を語ります
PR TIMES / 2019年3月7日 18時40分
“いま”旬な本情報&著者インタビューをお届けします。by本TUBE
はるな檸檬さんの新刊『ダルちゃん』(小学館)が発売、そして新井賞を受賞!その記念に、1億人の本と本屋の動画投稿サイト「本TUBE」では新井賞生みの親である新井さんをゲストにインタビューを開催しました。
アルバイトで書店に勤務し、現在は正社員として本店の文庫を担当する、カリスマ書店員こと新井見枝香さん。作家を招いて自らが聞き手を務める「新井ナイト」など、開催したイベントは300回を超える。そんな新井見枝香さんによる、“芥川賞や直木賞より売れる”と話題の文学賞「新井賞」、第9回受賞作品が発表された。はるな檸檬さん著の『ダルちゃん』(小学館)である。本作は、女性の生きづらさや、創作に携わる人物の孤独を描き出す長篇作品。ダルダル星人の姿を隠して、一生懸命に「働く24歳女性」に「擬態」するダルちゃんが、居場所を探し、誰かに合わせて生きながらも、自分が本当は何を考えているのかわからなってしまう。人に合わせることの、何がいけないのだろう――。資生堂のウェブ花椿にて2017年10月から2018年10月に連載されていた本作は、連載時より「しんどいけれど、読む手がとまらない」「ダルちゃんは、私だ」と大反響の声が集まった傑作コミックである。普通の人に「擬態」しても、生きづらい。 孤独への強烈な自覚のある人物が創作に目覚める過程を通じて、自身の「ほんとうの言葉」を獲得していく姿が、圧巻。そんな本作を、新井さんに解説してもらう。
本TUBE編集部×新井見枝香インタビュー
[画像1: https://prtimes.jp/i/13301/116/resize/d13301-116-313287-1.png ]
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――芥川賞・直木賞と同日に発表される「新井賞」。今回、第9回「新井賞」受賞作は、はじめてコミックということなんですが、なんでこの作品にしたんですか?
毎回この半年で読んで一番好きだった本を選ぶんですけど、これだったんですよ。でも、頭の中で受賞作はなんとなく小説というイメージがあったんで除外してたんですけど、「いや待てよ」と。別にルール決めるのは私だなって思って。これが一番面白かったって
圧倒的にパッと思いついたのは『ダルちゃん』だったんです。
――新井賞というと芥川賞、直木賞の発表と同日に発表されて、それよりも売れると話題の賞じゃないですか。著者のはるな檸檬さんも喜んでたんじゃないですか?
はるなさんとお会いできたのですが、すごい喜んでくださって。
――どんな方なんですか?はるなさん。
めっちゃかわいいです。
――この作品、本当に設定が不思議で、「擬態」や「ダルダル星人」が何なのか考えさせられます。女の子なら一度はどこか人生の過程で、共感できるところがあるんじゃないかなっていう内容ですね。男性にはちょっと分からない…?
私も、そう思ってたんですよ。でも、新井賞発表していろんな反響があって。読んだ人の声とか見ていくと男性がすごく多かったですね。
[画像2: https://prtimes.jp/i/13301/116/resize/d13301-116-333657-0.png ]
――連載当時から知ってたんですか?
連載は知らなかったのですが、すごく信頼してる小学館の人が、「新井さんにどうしても読んでほしい漫画がある」と言って。まだその時は本のゲラにもなってない状態で、花椿(資生堂のウェブ)の連載の画面を1枚1枚印刷してくれて、こんな分厚いのを持ってきてくれたんです。まずその強い思いが伝わって、よほどなんだなと思って読みました。そこでドハマリしましたね。
――1巻、2巻が出ていて、一応これで完結という感じなのですが、1巻はなんとなく前向きなほっとする感じだったのに、2巻がとても悲しい。泣きそうになってしまったのですが、あの後半の名シーン、どうでしたか?
私も2巻が肝だと思っていて、ちょっと予想だにしない方向に話が進んでいく。なので、なんかもちろん「擬態」っていうことがテーマではあるんだけど、2巻に関しては自分がやりたいことをして、自分で幸せになるっていうのがテーマだと思っています。私はそこにぐっときました。
――生きづらさに打ちのめされたダルちゃんが、創作に目覚めるっていう過程を通して本当の言葉を獲得していく作品になっています。ダルちゃんは私でもあり私達でもある、そんなことに気づかせてくれる作品です。ぜひ皆さん読んでください。ありがとうございました!
■新井見枝香
東京都出身、1980年生まれ。アルバイトで書店に勤務し、現在は正社員として本店の文庫を担当。作家を招いて自らが聞き手を務める「新井ナイト」など、開催したイベントは300回を超える。独自に設立した文学賞「新井賞」は、同時に発表される芥川賞・直木賞より売れることもある。出版業界の専門紙「新文化」にコラム連載を持ち、文庫解説や帯コメントなどの依頼も多く、テレビやラジオの出演も多数である。
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本編では、この他にも質問やトークが盛り沢山、そして普段は見ることのできない作家さんの表情も楽しめます!完全版が見たい方は、ぜひインタビュー動画をチェック!
http://hon-tube.com/p/movie.php?movieid=2790
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