事業構想大学院大学、学術誌「事業構想研究」第4号を発刊
PR TIMES / 2021年4月6日 15時27分
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学(本部:東京都港区、学長:田中 里沙)は、学術誌「事業構想研究」第4号を発刊しました。本誌は本学教員の論文等が掲載され、学校法人機関リポジトリでも公開しています。
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■ 目次・概要(敬称略)
総説
非目的論的思考とは何か―ありたい未来に進むための一つの考え方―
事業構想大学院大学 教授/神戸大学 名誉教授 田浦俊春
[抄録]本稿では,我々が行動する際に予め目的や目標を設定するという当たり前と思われる行為に対して,根本的な問いを投げかけたい。なぜならば,目的の範囲内でしか考えなくなったり行動しなくなったりすることからある種の弊害が生じると考えられるし,さらに,そもそも目的を定めるということはその前提として,社会にも,人間にも,ある種の理想があり,それに向かって,進んできたし,進むべきであるという考え方があるように思われるが,その前提自体を疑う必要があると考えるからである。これらの問いについて,文学,文化人類学,組織論,システム論,機能論などの多くの分野でなされている同質の議論を参照しつつ,検討を進める。
ソーシャル・アップデートによる地域サステナビリティの創造
事業構想大学院大学 特任教授 青山忠靖
[抄録]地域サステナビリティとは,地域に於ける経済振興に向けた産業の循環づくりや,地域住民の意識向上にフォーカスしたコミュニティの形成等に注目が集まりやすいが,本論では地域課題への焦点集中と,課題に対する解決とは異なる社会更新(socialupdate)という概念を核として地域サステナビリティを論じていく。このソーシャルアップデートは,筆者が幾人かの自治体首長,自治体幹部職員,企業広報担当者からの聞き取り調査によって概要を体得したものであって,学識経験者による先行研究は存在しない。従って,ケーススタディによる仮説構築の段階にある点,聞き取り対象者が事例にある事業の当事者である点から,事例に対する客観的評価への懸念は否めないが,本論の目指す意義は,社会更新という概念形成の端緒として,それを問うものとしたい。
事業構想学の発展に向けた一考察
―事業構想計画書の分析とプログラムマネジメント論との接点から―
事業構想大学院大学 准教授 重藤さわ子
[抄録]事業構想大学院大学は,複雑かつ不確実性の高まる社会において,理想を描き,自らの経営資源を生かした事業を構想し実現することで,低迷する社会に新たな活路をひらき,未来を担う人材を育成することを目的に,2012年に開学した。開学から9年を経て,264名の修了生が,修了時にまとめた事業構想計画書を携え,幅広い分野で活躍を始めている。ただし,理想の姿という多義的であいまいな目標を,具体的な価値創出として表現し,理想と現実のギャップを埋めながら事業として計画し,実現していく過程には,様々な困難が伴うことも事実である。本稿では,事業構想大学院大学の9年間の教育研究の総括的検証を行っていくうえでの手がかりとして,院生が取り組んだ事業構想計画書の内容分析(テキストマイニング)を行った。さらに「事業構想学」の発展に向けては,プログラムマネジメント論との接点を探り,事業構想は今後よりプロジェクトというよりはプログラムデザインとしての特徴を有する可能性を指摘した。
「つなぐ」ということ
事業構想大学院大学 教授 岩田修一
[抄録]人間活動においては複数の異なる存在や活動を集めて一つのまとまった事業として展開することが要請されるが,独立した個々の存在や活動をつなぎ,一つの事業として仕上げることは容易いことではない。この小稿ではつなぐ対象となる存在と活動の中心を自然と人間とに大別し,最初に前者について科学技術という事業分野での「つなぐ」作業の整理を試み,その結果を概説する。次に後者については,経済的,社会的,政治的,文化的な場面で展開される人間の多様な活動に焦点をあてて,前者の自然についての整理とは異なる合理性,自己完結性,再現性,実証性,正当性等々に関する多種多様な「申し合わせ」を必要とすることを意識しつつ「つなぐ」作業についての試論を述べる。大きな課題に挑戦するには極めて萌芽的な検討であるが,偶然と必然への不断の深い洞察が要請される環境調和性,リスク社会への配慮とICTの普及が日常となりつつある未来のデジタル社会へのパースペクティブを獲得すべく,そのための事業の核心となる「つなぐ」という作業についての課題の剔抉を試みた。
事業構想の実践知―海外企業のM&Aによる事業拡大―
事業構想大学院大学 教授/パナソニック株式会社 ブランド戦略担当参与 竹安聡
[抄録]本稿では,事業拡大の一手段としての企業買収・合併(M&A)を成功させるための要素について,海外M&Aの事例を元に考察した。M&Aにおいては戦略立案,ターゲット選定,デューデリジェンス等のプロセスを経るが,長期的成長のためにはM&A後の経営統合の取り組み(PMI)が最も重要である。PMIにおいては,異なる企業文化を融合させる「主語の転換」を意識したアプローチが鍵となる。
事業構想と存在次元メソドロジーの相関性考察
―事業構想を前提とした存在次元とそのメソドロジーの関わり方を考える―
事業構想大学院大学 教授 岸波宗洋
[抄録]「事業構想研究」の第1号から,事業構想と存在次元の関わりについては,様々に検討,解釈をしてきた。存在次元という思考は,それが事業構想へ向かうところに意味や価値を見出せるよう,自己・他者・世界という構成要素に対する理想,理性(高質性・革新性・責任性),総じた信念と思想を獲得する端緒として,筆者が所属する事業構想大学院大学の院生諸氏に提示することがその前提である。一方で,存在次元メソドロジー(存在次元を獲得するに至る方法論的解釈)を理解する上で,事業構想の構造と機能に符合したメソドロジーを提示しなければ,正しく事業構想に昇華されないことも教育研究の場面で表出された課題である。その点において今回の著書の論点とし,事業構想と存在次元メソドロジーの相関性を哲学的に論考する。
※「学校法人先端教育機構 機関リポジトリ」→「事業構想研究 第4号」で閲覧できます。
https://sentankyo.repo.nii.ac.jp/
■ 事業構想大学院大学について
本学は2012年4月に東京・南青山に開学した、事業構想と構想計画を構築する社会人向け大学院です。「知の実践研究・教育で、社会の一翼を担う。」という理念のもと、事業の根本からアイデアを発想し、事業の理想となる構想を考え、実現するためのアイデアを紡ぎ、構想計画を構築していくことを対象とした多様なカリキュラムを提供しています。多彩な業界で活躍する教員・院生と議論を重ね、2年間で事業構想計画書の提出を経て、専門職学位の「事業構想修士(専門職)」(MPD:Master of Project Design)が授与されます。拠点は東京ほか、大阪(2018年開校)、福岡(2018年開校)、名古屋(2019年開校)の4校舎で現在9期目 計361名が修了しています。
また、本学の附属研究機関である「事業構想研究所」では、企業・事業のプロジェクトベースでの研究が活発に実施され、既に1,000名以上が課程を修了しています。直近ではSDGsを専門に研究する「SDGs総研」を発足させ、事業活動を通じた社会課題の解決に向けて様々な分野で活動しています。また、事業構想に関わる実践知や理念・哲学をより広く社会に還元するため、月刊『事業構想』等の出版を始め、研究書籍を発刊しています。(全国書店・オンライン書店にて販売)その他、詳細は大学院HP( https://www.mpd.ac.jp/ )をご覧ください。
*公益財団法人 大学基準協会の大学認証評価(専門分野別・機関別認証評価)で「適合」評価
*厚生労働省の教育訓練給付金(専門実践教育訓練)に指定(国から最大112万円を給付)
■ 学校法人先端教育機構の概略
[画像2: https://prtimes.jp/i/36930/117/resize/d36930-117-884779-1.jpg ]
[名 称]学校法人 先端教育機構
[理事長]東 英弥
[所在地]東京都港区南青山3-13-16
[設置校]
・事業構想大学院大学
本部:東京都港区南青山3-13-16
拠点:東京、大阪、名古屋、福岡
・社会情報大学院大学
東京都新宿区高田馬場1-25-30
[附属機関] 事業構想研究所、先端教育研究所、SDGs総研
[出 版] 月刊事業構想、月刊先端教育、書籍等
【本件に関するお問い合わせ先】
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学 出版部
TEL: 03-3478-8402
Email: journal@sentankyo.ac.jp
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