温室効果ガス排出量削減に貢献する、非可食バイオマス由来原料を用いたリグニン変性フェノール樹脂の製品化に成功しました
PR TIMES / 2024年10月9日 14時45分
既存製品と比較して17%のカーボンフットプリント削減を実現しました
NEDOの委託事業「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」および「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」において、住友ベークライト株式会社は、種々のリグニンを用いた樹脂合成の基幹技術と産業利用の開発を進めてきました。その産業利用開発の成果として、住友ベークライトのグループ会社である株式会社サンベークは、化石資源由来原料であるフェノールの一部を非可食バイオマス由来原料のリグニンに置き換えたリグニン変性フェノール樹脂「スミタック(R)PL-700シリーズ」の販売を開始しました。
「スミタック(R)PL-700シリーズ」の製品(以下、本製品)は、既存の木質材料用接着剤と比較してカーボンフットプリントが17%削減されています。木材を原料とする合板や単板積層材などは、カーボンニュートラルの実現に向けて今後も用途拡大が見込まれており、本製品の販売により温室効果ガス(GHG)排出量削減に貢献します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/117/135644-117-2ee6a02418fa83717cdc13dada862a4a-3000x1996.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図 リグニン変性フェノール樹脂とそれを用いた合板試験片
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/117/135644-117-de8685097b9e8b31205534a826e9b432-1333x858.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
1.背景
現在生産されている化学品の原料の大半は化石資源由来です。世界的に石油消費量が増大する中、原料の価格上昇や枯渇リスク、大量の二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化などが問題視されてきました。これらの課題を解決するため、バイオマスからの化学品製造プロセスの基盤技術開発がこれまで盛んに進められてきました。しかし、実用化に達しているものは少ないのが現状です。
このような背景の下、NEDOは2010年度から2019年度まで二つの事業※1で、住友ベークライトと共同で非可食バイオマス由来のリグニン成分を樹脂利用する技術開発に取り組みました。住友ベークライトは、NEDO事業終了後もグループ会社のサンベークと共同で技術開発を継続していました。
2.リグニン変性フェノール樹脂「スミタック(R)PL-700シリーズ」の製品化
サンベークは、合板や単板積層材などの製造に用いられるフェノール樹脂接着剤において、化石資源由来原料であるフェノールの一部をバイオマス由来原料のリグニンに置き換えた「スミタック(R)PL-700シリーズ」を開発し、販売を開始しました。本製品のバイオマス度※2は15%であり、既存製品と比較してカーボンフットプリント※3が17%削減されています。シリーズのうち 「スミタック(R)PL-701」は、一般社団法人日本有機資源協会の定める「バイオマスマーク※4認定商品」です。本製品を用いた構造用合板などの特性は既存製品と比較して良好であり、JAS規格※5に適合する特性も得られています。木材を原料とする合板や単板積層材などは、カーボンニュートラルの実現に向けて今後も用途拡大が見込まれており、本製品の販売によりGHG排出量削減に貢献します。
3.今後の予定
NEDOは現在も複数のプロジェクトで、バイオマスを活用した化学品などの社会実装に向けた研究開発に取り組んでいます。これらのプロジェクトの推進により、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献します。
住友ベークライトは、この革新的な素材の市場拡大を図ることで、持続可能な社会への貢献を目指します。また、カーボンニュートラルの実現に向けて、今後もさまざまな製品の社会実装を進めます。
【注釈】
※1 二つの事業
事業1.
事業名:グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発
事業期間:2009年度~2015年度
事業概要:グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発 https://www.nedo.go.jp/activities/EV_00035.html
事業2.
事業名:非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発
事業期間:2013年度~2019年度
事業概要:非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発 https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100058.html
※2 バイオマス度
製品全体の乾燥重量に対する使用したバイオマス原料の乾燥重量の割合です。本リリースにおいては、住友ベークライトにて算出した値です。
※3 カーボンフットプリント
製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの量をCO2量に換算したものです。本リリースにおいては、バイオマスが大気中のCO2を吸収したと仮定して住友ベークライトにて算出した値です。
※4 バイオマスマーク
一般社団法人日本有機資源協会の認定により、バイオマスを利用した商品に表示できる目印です。
※5 JAS規格
日本農林規格。農林水産・食品分野において農林水産大臣が定める国家規格です。JASはJapanese Agricultural Standardsの略語です。
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