「電子」が生んだお金を「紙」の救援に! 「京極ファンド」設立
PR TIMES / 2012年3月30日 15時21分
今般の東日本大震災で被災された方、いまだご苦労を強いられている皆様に心よりお見舞い申し上げます。
京極夏彦氏と公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団は、氏のデビュー作『姑獲鳥の夏』にはじまる電子書籍「電子百鬼夜行シリーズ」(3月16日配信開始・14作品以下続・講談社)の配信収入の一部を氏が財団に寄付、被災地の文化財レスキュー事業の活動資金とすることといたしました。
今回の寄付金収入は「京極ファンド」として、なかでも緊急を要する「古文書」を中心とした紙の文化財の修復・保存に使われる予定です。
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東日本大震災にあたり、文化庁では、阪神淡路大震災の経験を生かして「文化財レスキュー事業(被災文化財等救援事業)」の展開をすることとし、寄付金の受け入れ先と財政的支援を財団が引き受けています。活動は「本年からは、レスキューから修復・保存活動へとシフトしていくものと思われます」(宮田理事長)。
いまだ現地内外で過酷な状況が続くなかではありますが、美術工芸品、建造物、史跡など有形なものはもとより、伝統的な祭礼や芸能といった無形の文化財は、その土地、その土地の人々の矜持でもあり、そうした有形・無形の文化を伝える「よすが」が失われた地域が多くあります。郷土の歴史や文化を伝える「もの」を可能な限り残すことは、地域のアイデンティティーを保持し、復興の精神的支柱となるものと信じてこの企画をスタートいたしました。
配信収入を寄付することによって、一過性ではない、継続的な支援を可能とするとともに、「電子」が生み出したお金を「紙」の救援に役立てることで、「紙」の書籍と電子が共存共栄するというメッセージを出版界から次世代へ向けて発信したいと考えています。
◆京極夏彦氏のコメント◆
この度の災厄で、多くの過去・現在・未来が損なわれてしまいました。失われたものを取り戻すことは難しいでしょう。
ただ、未来はこれから創り出すものです。より良い未来を創るためにはまず現在を生きなければなりません。従って、今を生きるための手だてを施すことが最優先事項であることは疑い得ない事実でしょう。
一方で、現在の生が過去の生の積み重ねの上に乗っているということも、忘れてはいけないと考えます。悲しく、辛いことですが、失われた命を呼び返すことは不可能です。しかし失われた多くの命が「生きていた」記憶はなくなるものではありません。
それは、私達一人一人の心の中に、そして過去の営みを写し取った記録の中に、郷土で培われた文化の中に刻まれているはずです。
未来を創るため、現在を生きるため、過去を、文化を承け継いでいくことは、決して無駄なことではないと考えます。そうしたことの、ささやかな一助になればと考える次第です。
◆文化財保護・芸術助成財団 宮田亮平理事長のコメント◆
「京極ファンド」に期待するもの
東日本大震災による津波で被災した文化財の中で救済の手を強く望んでいるのが、古文書類を中心とする紙の文化財です。
一例をあげますと、陸前高田市には、仙台藩の統治下にあった頃の支配機構の模様を詳細に記録した「吉田家文書」が残されています。
大変貴重な資料です。しかし、水損した古文書を修復する道程には困難の多い作業が待ちうけています。
そうした状況下に京極夏彦先生が救いの声を掛けてくださることは大いに心強く嬉しく思います。
◆公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団 概略◆
<理事長 宮田亮平(東京芸術大学学長)>
文化財の保存及び活用に関する事業の助成、芸術文化の発展に係る研究活動に対する助成及び世界の文化財の保護に関する国際的な協力・交流等を促進することにより、文化財の保護と芸術文化の充実向上を図り、もって我が国の文化の発展並びに国際相互理解の促進に寄与することを目的とする。
公式ホームページ http://www.bunkazai.or.jp
◆京極夏彦 プロフィール◆
1963年生まれ。1994年『姑獲鳥の夏』でデビュー。1996年『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞(長編部門)、1997年『笑う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木賞を受賞。2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞。近作に『虚言少年』『豆腐小僧』『オジいサン』などがある。2010年には『死ねばいいのに』(講談社)を日本初のiPad/iPhone版電子書籍アプリとして刊行、2011年10月には『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス相容れぬ夢魔』を単行本・ノベルス・文庫・電子書籍の4形態全てにおいて同時刊行した。
公式ホームページ「大極宮」 http://www.osawa-office.co.jp/
◆一般の方からのご寄付について◆
同財団では、一般の方からの被災文化財レスキューのための寄付をひろく募っております。
概略は以下のとおりです。詳細は、財団HPにてご確認ください。http://www.bunkazai.or.jp
●東日本大震災被災文化財の救援と復旧のための募金について
東日本大震災によって被災した文化財の保全にむけて、募金活動をしております。
いただいた浄財は、被災地域の文化財の救援と修理・保存に活用いたします。
皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
尚、募金は、下記の口座にお振込みください。
■ 三井住友銀行 上野支店
普通 6615496 口座名義 (公財)文化財保護・芸術研究助成財団
又は
■ 郵便振替 振替番号00160-5-12319
加入者名(公財)文化財保護・芸術研究助成財団 (通信欄に「地震」とお書きください)
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