フィリップス、CogSmartと業務提携し、画像解析AI技術を活用して脳健康レベルを可視化し、将来の認知症予防アドバイスを提供する脳ドック用プログラム「BrainSuite」提供開始
PR TIMES / 2021年4月13日 17時45分
BrainSuiteでは、スクリーニング(認知機能・脳健康状態および将来の認知症リスクの分析)のみにとどまらず、オンライン問診の測定結果と医学エビデンスに基づき、個々人に適した将来の認知症予防のためのアドバイスを自動で提供します。 株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、 代表取締役社長:堤 浩幸、 以下 フィリップス)は、 「2030年までに25億の人々の生活を向上させる」を達成目標に掲げ、 健康な生活、 予防、 診断、 治療、 ホームケアにいたるヘルスケア・プロセスのすべてにイニシアティブを持ち、 すべての人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現をめざしています。
このたびフィリップスは、東北大学発のスタートアップ企業である株式会社CogSmart(本社:東京都港区、代表取締役:中村 匠汰、瀧 靖之[1]、以下CogSmart)と共同で、すべての人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現を目指して事業提携を開始し、脳ドック用プログラム「BrainSuite™(ブレーン スイート)、以下BrainSuite」を販売することになりました。それぞれが培った「放射線画像技術」と「脳医学研究」を活用し、従来の脳ドック等への追加検査サービスとして利用することで、画像解析AI(人工知能)技術を活用して脳健康レベルを可視化し、将来の認知症予防アドバイスを行うサービス提供を開始いたします。
[1]東北大学加齢医学研究所 教授/東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長
超高齢社会である日本では、認知症有病率は上がりつづけ、今後「高齢者の4人に1人が認知症の時代がくる」と言われております。欧米諸国では過去数十年間で認知症有病率や発症率は低下する中、認知症有病率はOECD加盟先進国の中では日本が最多となりました。医療費・介護費・インフォーマルケアコスト(家族等が無償で実施するケア費用)などの認知症にかかる費用や、認知症高齢者・介護者の支援方法の在り方など、認知症は社会全体で検討するべき重要な課題となっております。また、今回の新型コロナウイルス感染症影響下では、感染予防のため自宅で過ごす時間が多くなり、運動や人との交流が減ることで、認知機能の低下の加速がみられ、早期発見と介入による予防が重要となっております。
BrainSuiteの概要
BrainSuiteは、早期段階からの認知症リスク低減を目的とした脳ドック用プログラムであり、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授らの研究成果に基づき開発されました。従来の頭部MRI検診(脳ドック等)に追加するだけで、脳の健康状態(自分の脳の健康状態が年齢相応かどうか等)や将来の認知症リスクを早期から可視化し、受診者個々人に適した脳の健康維持・改善方法と将来の認知症の予防方法を提示します。対象年齢層は30代から70代以上までと、幅広くなっております。
従来の頭部MRI検診では脳卒中や脳梗塞などの脳血管性疾患の早期発見が主な目的であり、脳の健康状態の可視化や将来の認知機能の低下リスクは可視化できませんでした。他方で、頭部MRI検診を受診した方々の中には、「脳萎縮や認知症傾向が発見できると考えていた」という声も少なくありません。BrainSuiteでは、このような受診者のニーズに応えるサービスを提供致します。これにより、人々のより良い脳の健康と満ち足りた生活の実現を目指すとともに、認知症がもたらす社会全体の課題に対する解決へと繋げたいと願っております。
BrainSuiteの特徴
BrainSuiteでは、人工知能(AI)技術による海馬[2]の体積測定や米国食品医薬品局(FDA)承認済みの認知機能テスト「Cantab(R)(キャンタブ)」等により、現在の脳健康状態および将来の認知症リスクを評価します。その上で、個々人に適した脳の健康維持・改善方法や将来の認知症予防のためのアドバイスを提供します。
[2]記憶をコントロールする脳領域の1つ(英名:Hippocampus)。脳の中でも生活行動等のさまざまな影響による変化が現れやすく、認知機能の低下に先行して海馬の萎縮が見られるとされています。
高精度の脳MR画像解析AIプログラム「Hippodeep(ヒポディープ)」
Hippodeep(ヒポディープ)は、東北大学加齢医学研究所により開発されたAIによる脳MR画像解析プログラムであり、BrainSuiteに搭載されております。1分弱で海馬の体積や微細な萎縮程度を安定的かつ精度高く測定することにより、脳の健康状態や将来の認知症リスクを早期段階から鋭敏に評価することを可能としております[3]。
[3]解析速度および安定性・精度については、国際論文誌Neuroimageにて公表されているほか、他大学・研究機関からも評価を受けております。
信頼のある認知機能・脳健康状態および将来の認知症リスクの分析
BrainSuiteでは、東北大学加齢医学研究所監修のもと、医学エビデンスおよび以下の脳MR画像データセットに基づいた分析を行うことで、海馬体積など測定結果の指標化を実現しました。
● 3,000 人を超える20 ~ 80 歳までの幅広い健常データ
● 横断データ・縦断データ(同一被験者の約8年間の経年データ)の組み合わせ
● 各種データは、脳形態に影響ある生活習慣情報と紐付け
これに加えて、FDA承認済みの認知機能テストCantab(R)を併用しており、信頼のある分析を可能としております。
脳の健康維持・改善方法や将来の認知症予防のためのアドバイスを自動提供
BrainSuiteでは、スクリーニング(認知機能・脳健康状態および将来の認知症リスクの分析)のみにとどまらず、オンライン問診の測定結果と医学エビデンスに基づき、個々人に適した将来の認知症予防のためのアドバイスを自動で提供します。
BrainSuiteは、臨床医の観点から、医療機関にとって手間のかからず導入しやすいシステムとなることを目指して開発されました。フィリップスとCogSmartは、BrainSuiteを一つでも多くの医療機関に導入いただき、より多くの人々が利用できるよう、共同して努めてまいります。
ご留意事項
BrainSuite は、現在の認知機能・脳健康状態および将来の認知症リスクを評価するとともに、脳の健康維持・改善方法や将来の認知症予防のためのアドバイスを提供するプログラムです。それゆえ、認知症の確定診断又は治療サービスではなく、「医薬品医療機器等法」に基づく医療機器には該当しないプログラムとして提供しております。
フィリップスについて
フィリップス・ジャパン(旧フィリップス エレクトロニクス ジャパン)は、超高齢社会を迎える日本の健康と医療の問題に貢献したいと、2019年4月1日よりフィリップス・レスピロニクス合同会社と統合し、ヘルスケア分野の変革に取り組んでいるヘルステックカンパニーです。今後、病院で使用されるフィリップスの先進医療機器やパーソナルヘルスと呼ばれるオーラルヘルスケア(電動歯ブラシ)、AED、在宅呼吸器などがクラウド上で繋がることで、人々の健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケア・プロセス」において、革新的な医療ソリューションを提供していきます。医療従事者の皆様、患者様だけでなく、すべての人々の健康な生活への貢献を目指します。(https://www.philips.co.jp)
ロイヤル フィリップスについて
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニーです。健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという一連のヘルスケア・プロセスを通じて、先進的なテクノロジーと、医療従事者および消費者のインサイトを基に、人々の健康を改善し良好な結果をもたらすための包括的なソリューションを提供しています。主な事業領域は、画像診断、画像誘導治療、生体情報モニター、ヘルスインフォマティックスのみならず、パーソナルヘルスや在宅医療まで、さまざまな領域に渡ります。フィリップス ヘルステック事業の2019年の売上高は195億ユーロ、オランダを拠点に全世界に81,000人の従業員を擁し、世界100ヵ国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/)
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