南スーダン:難民の子供たちに肺炎の予防接種を開始――MSF、世界の予防接種関係者が問題放置と指摘

PR TIMES / 2013年8月23日 14時40分



国境なき医師団(MSF)は南スーダン、イダ難民キャンプの子どもたちを対象に肺炎の予防接種を始めた。その一方で、世界の予防接種関係者が、難民の子どもたちへの新世代ワクチン接種を顧みていない現状があると指摘する。新世代ワクチンを手ごろな価格で安定的に調達し、有事に迅速に対応できる方法を模索する必要があるが、難民が対象となるといまだに手立てがない。MSFは関係機関や製薬メーカーに、人道援助団体向けにワクチンの低い価格設定を提示して欲しいと訴えている。

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<難民への予防接種に背を向ける官僚体質>

イダ・キャンプの子どもを対象とした肺炎の予防接種計画でMSFは、手ごろな価格での新世代ワクチン購入の壁に再三突きあたり、紛争の影響下にある人びとのニーズを顧みない官僚体質との折衝に苦労してきた。

MSF必須医薬品キャンペーン予防接種計画顧問のケイト・エルダーは、「難民の子どもたちは、ワクチンで予防可能な病気に驚くほどかかりやすいのです。にもかかわらず、世界の主な予防接種関係者は『難民の子供たちは私たちの管轄ではない』とでも言っているかのようです。難民の子供たちが最新のワクチンの恩恵を受けられるよう、あらゆる努力をすべきであり、この問題は放置されてはいけません」と訴える。

新世代ワクチンは主として、「GAVIアライアンス」(ワクチン予防接種世界同盟=GAVI)の支援により、所得の低い国に導入されてきた。しかし、GAVIは、難民をはじめとする危機的状況に置かれた人びとへの予防接種は支援対象としておらず、膨大なニーズが放置されている。さらに、GAVIに適用されているワクチンの低い価格設定は、人道援助団体には適用されない。MSFはGAVI、およびファイザー社やグラクソ・スミス・クライン社など、新世代ワクチンのメーカーにも要望しているが、人道援助団体を対象とした世界共通の低価格は設定されたことがない。

<南スーダンの難民危機>

2011年6月、スーダン人難民が国境を越え、隣国南スーダンに続々と入国を始めた。スーダンの南コルドファン州で、中央政府と反政府勢力「スーダン人民解放運動北部(SPLM-North)」による紛争が勃発したときのことだ。2012年夏のイダ・キャンプでは危機的状況が頂点に達し、MSFの病院は、主要な死因の1つである肺炎その他の気道感染症にかかった幼い子どもを受け入れたが、死亡率は深刻だった。難民キャンプの環境は、肺炎を引き起こす最も一般的な細菌、肺炎連鎖球菌に対する子どもたちの抵抗力を著しく奪う。人口過密と、さまざまな種類の細菌にさらされることで罹患リスクを高まるからだ。

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