微細藻類ユーグレナ成分を配合したバイオマス含有度50%のユーグレナ・プラスチックを開発
PR TIMES / 2020年8月6日 17時45分
バイオ燃料生産の副産物をバイオプラスチックとして活用できる可能性
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)は、株式会社バイオポリ上越(本社:新潟県上越市、社長:武田豊樹、以下「バイオポリ上越」)と共同で、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)からバイオ燃料の原料となる脂質を抽出する工程で発生する残渣(以下、「ユーグレナ脂質抽出残渣」)を配合したバイオマスプラスチック※1の開発に成功しました。
※1 植物など再生可能な有機資源由来の物質をプラスチック構成成分として所定量以上含むプラスチック
[画像1: https://prtimes.jp/i/36462/121/resize/d36462-121-376950-5.png ]
海洋プラスチックごみ等の社会問題に対応するため、環境省は2019年5月に策定した「プラスチック資源循環戦略」の中で、プラスチックの使用量削減やリサイクル推進とともに、植物などの再生可能な資源を用いたバイオマスプラスチックの利用推進を掲げています。ユーグレナ社では、創業以来、食料問題や環境問題をはじめとする社会問題の解決を目指した事業を展開しており、バイオプラスチックの需要が高まっている中、その取り組みの一つとしてユーグレナを用いたバイオマスプラスチックの研究を進めています。
このたび、パラミロン※2粒子を含有する複合体に関する特許第5882675号の技術を基に、汎用プラスチックの一種であるポリプロピレンとユーグレナ脂質抽出残渣を混錬し均一分散させたバイオマス含有度50%のユーグレナ・ポリプロピレン複合体(図1)を開発しました。
本研究で開発したユーグレナ・ポリプロピレン複合体の物性上の特長は、100%石油由来ポリプロピレンと比較し、曲げ試験※3における最大曲げ応力と曲げ弾性率の向上が見られ、強さと硬さが付与されました(図3)。この結果は、ポリプロピレンに有機物固体であるユーグレナ脂質抽出残渣をフィラー※4として添加することにより、力学物性が向上したことを示しています。更に、開発したユーグレナ・ポリプロピレン複合体を用いて射出成型によりフォーク等のサンプルを作成し、一般的な射出成型機での成型が可能であることを確認しました(図2)。今後、食品容器や成型材料など様々な用途への展開が期待されます。
※2 微細藻類ユーグレナの特有成分でありβ-1,3グルカンからなる多糖類
※3 試験方法はプラスチックの曲げ特性を求める試験規格JIS k7171により実施
※4 プラスチックの改質を目的に添加される充填剤
[画像2: https://prtimes.jp/i/36462/121/resize/d36462-121-322724-6.png ]
当社は、ユーグレナなどの微細藻類を活用した事業を通して、社会をよりサステナブルに変革していくことを目指しています。石油由来プラスチック量削減の方策の一つとして、ユーグレナの特有成分であるパラミロンを用いた機能性プラスチック※5の開発と共に、バイオマスプラスチックの可能性について検討を進めてまいります。
※5 2020年4月2日リリース https://www.euglena.jp/news/20200402/
<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産した微細藻類ユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。https://euglena.jp
<株式会社バイオポリ上越について>
2011年創業、バイオマスプラスチック樹脂の製造・販売メーカー。樹脂の製造からプラスチック最終製品の製造まで、自社工場で一貫して行う。難易度の高いバイオマス複合化技術の積み重ねにより、様々な自然素材からプラスチック樹脂を創る高度な混錬加工技術を保有する。
以上
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