Nint調査:ECバレンタイン市場の売上減少-最新動向と今後の展望
PR TIMES / 2025年2月5日 13時40分
Nint ECommerceのデータ分析で見る、オフライン回帰と手作り需要の拡大
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「データの価値、人の可能性が輝く世界」をビジョンに、国内大手ECモールの市場動向データ分析ツール「Nint ECommerce」(https://www.nint.jp/ec/)を提供する株式会社Nint(本社:東京都新宿区、代表取締役:吉野順子 以下、「Nint」)は、2024年のバレンタイン市場に関する調査レポートを発表しました。本調査では、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大ECモールのデータを分析し、バレンタイン市場全体の売上が減少している実態を明らかにしました。オフライン回帰の影響により、贈答用・自己消費向けチョコレートの売上が低下する一方、手作り需要の高まりが見られます。こうしたEC市場の変化を踏まえ、バレンタイン商戦の最新動向と今後の展望に焦点を当てて調査いたしましたのでお知らせいたします。
主な調査結果
2024年の3大ECモールにおけるバレンタイン市場は、2売上が減少していることがわかりました。この減少は、バレンタイン市場全体とチョコレート市場の両方で起きており、特に売上の中心である「贈答用・自己消費」のジャンルで苦戦が見られます。
この苦戦の主な要因は、「オフライン回帰」であると考えられます。2023年1月~2月はコロナ渦の最終局面であり、多くの消費者がECを利用する傾向がありました。しかし、2024年の同時期にはその影響がなくなり、大手百貨店をはじめとするバレンタインイベントが盛況で、「珍しいチョコレート」「有名ブランドのチョコレート」「チョコレート専門店の商品」がオフラインで容易に入手できるようになったことも影響していると考えられます。イベント規模の拡大も相まって、購入場所として、オフラインが優先されるようになった可能性があります。
こうした傾向は今年も続くと予測されますが、一方で出社頻度の増加やオフライン会場の混雑により、購入したくてもなかなかいけない消費者が増えることも考えられます。このような状況下で、ECが再び活用される可能性は十分にあります。また、成長を見せている化粧品ジャンルの販売方法を工夫することで、市場全体が復調する可能性も期待されます。
はじめに
クリスマス、バレンタイン、母の日、お中元、お歳暮などさまざまなギフト商戦がある中で、年始最初のギフト商戦として多くの方が思い浮かべるのがバレンタインではないでしょうか。特にバレンタイン商戦は、チョコレート市場において年間売上に占める構成比が高い、非常に重要なイベントです。
本記事では、このバレンタイン商戦を通じて、チョコレート市場の2024年動向を分析します。さらに今回は、「バレンタイン」関連の商品ワードが含まれる商品群を「バレンタイン市場(全体)」として捉え、その推移も確認します。
チョコレート市場から見たバレンタインの動向と、「バレンタイン」関連の商品ジャンルを分析することで、EC市場におけるバレンタイン商戦の2025年展望を探ります。
1:チョコレート、バレンタインそれぞれの市場動向
■チョコレート市場の推移
直近3年間の3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)のチョコレート市場の推移を確認すると、需要期は1月~3月に集中しており、一見すると2024年も変化がないようにみえます。(図1)
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図1:3大ECモール チョコレート市場売上推移(月次)
一方、年間売上を100%とした場合の月別売上比率を確認すると(図2)、バレンタイン・ホワイトデー時期である1月~3月の売上構成比は年々減少しており、2024年には50%を下回りました。このデータは、バレンタイン需要とその他の需要の比率が変化していることを示しており、EC市場におけるチョコレート市場が「バレンタイン需要に依存する形」から転換しつつある可能性が考えられます。
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図2:3大ECモールチョコレート月別売上構成比(年次)
2024年の3大ECモールにおけるチョコレート市場は、バレンタイン時期の売上構成比の減少など、変化の兆しがみられた年と言えるでしょう。
次からは、バレンタイン時期(1月・2月)に焦点を当てて市場動向を詳しくみていきます。
■バレンタイン時期(1月・2月)のチョコレート市場変化
バレンタイン時期(1月・2月)の3大ECモールのチョコレート市場をみると、2024年のバレンタイン市場は、「平均単価」が上昇する一方、「販売数量」が減少した結果、前年割れで推移しています。(図3)
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図3:3大ECモールチョコレート市場(1月・2月)売上・数量・平均単価推移
次に、3大ECモールのチョコレートジャンルを3つに分類し、その動向を確認しました。
分類した3つのジャンルは、以下の3つのジャンルで分類しました。
1:無垢チョコ :板チョコ・バーチョコ ジャンル
2:製菓用 :製菓用チョコレート・割れチョコジャンル
3:その他(贈答用含む) :上記1、2以外のジャンル全て
チョコレート市場をジャンル別推移を確認すると、2024年は「無垢チョコ」「その他(贈答用含む)」が前年割れの一方で、「製菓用」は好調に推移していることがわかります。
2024年バレンタイン市場は、ギフト・自己消費関連の商品が苦戦する一方で、製菓用など「手作りチョコ」の需要は高まり、売上伸長が起きたと考えられます。
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図4:3大ECモールチョコレート市場ジャンル別推移と前年比
3:バレンタイン市場【全体】の市場動向
<バレンタイン市場の定義>
商品名に「バレンタインデー」「バレンタインギフト」「バレンタイン」のいずれかを含む商品を対象として抽出バレンタイン市場としてまとめる
バレンタイン市場【全体】の動向
バレンタイン時期の市場全体を確認すると、売上・数量・平均単価すべてが前年割れで推移していることが分かりました。特に月別推移を確認すると「1月」の前年割れが大きく、全体の売上減少に大きく影響していることがわかります(図5・6)。
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図5:3大ECモール バレンタイン【全体】市場
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図6:3大ECモール バレンタイン【全体】市場 月次推移
■ジャンル別でみるバレンタイン市場【全体】
「バレンタイン」といえば「チョコレート」をイメージする方が多いかもしれませんが、実際の市場を構成するジャンルでチョコレートはどれほどの割合を占めているのでしょうか。市場全体におけるジャンル別売上構成比を確認しました。(図7)
図7を見ると、バレンタイン市場を構成するジャンルの中で「チョコレート」が最も高い構成比を示し、市場全体の半分以上を占めます。注目すべきは2023年から2024年にかけて構成比を2ポイント上昇させた「化粧品ジャンル」の動向です。
化粧品ジャンルが売上構成比を上昇させた背景として、「外出頻度」が影響していると推察します。2023年1月・2月と、2024年1月・2月の違いを思い出すと、2024年はオフライン市場の回復に伴い、百貨店を中心としたチョコレートイベント増加や、出社頻度の増加など外出機会が増えたことが挙げられます。外出機会が増えることで、見た目に気を遣う機会が増えたことは多くの方が感じているのではないでしょうか。実際に、プチギフトとして、コスメ系の需要も拡大しています。バレンタイン限定の化粧品セットやコフレ商品がSNSで注目を集めたことも化粧品ジャンルの躍進に影響していると考えられます。
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図7:バレンタイン市場ジャンル別売上構成比 2023年(左図)・2024年(右図)
各モールの売上上位ジャンルを詳しく確認すると(図8)、共通する傾向と異なる傾向が見られました。
共通の傾向:チョコレートが1位を占め、ビスケットやケーキ・洋菓子などスイーツ系ジャンルが多くランクイン
異なる傾向:モールによっては家電や服飾雑貨など、スイーツ以外のジャンルも上位にランクインしている
さらに、各モールのTOP10ジャンルをスイーツ、化粧品、家電、花・観葉植物、服飾雑貨・その他に分類し、売上前年比の成長率を確認すると「化粧品」が最も高い成長率を示しました。(図9)
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図8:3大ECモール バレンタイン時期の売上上位ジャンル
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図9:3大ECモールTOP10ジャンルでの成長率
調査概要・免責事項
・本調査は、Nint ECommerceを用い、国内の3大ECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングを対象として調査しました。
・レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。
■調査機関(調査主体)
株式会社Nint
■調査対象
Nint推計データ
Nint推計データは、AIやクローリングなどの技術により日本国内の3大ECモールで販売される商品の売上金額・販売数量を高精度に推計したデータに、サイト内でのプロモーションデータ等を加えた、EC市場の総合的な分析を可能にするビッグデータです。
■転載・引用について
本レポート・ブログの著作権は株式会社Nintまたは執筆者が所属する企業が所有します。 下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典:「バレンタイン市場は縮小!?2024年の最新動向と2025年の展望」(2025年1月27日公開)】
引用時のリンク属性について:リリース転載ではなく、記事・グラフ・データの引用の際は、必ず本ブログページのURL(https://www.nint.jp/blog/2024valentine/)を出典元としてご記載お願いします。
※nofollow属性不可
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■禁止事項
・内容の一部または全部の改変
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・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用
過去の調査レポートはこちら:
Nintでは、国内大手EC市場や越境ECに関する情報をブログで発信しています。
ぜひご一読ください。
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Nint ECommerceとは
「Nint ECommerce」は独自の推計技術により、日本の主要ECモールのジャンル、商品、ショップ別の市場規模やシェア、トレンドなどの動向を可視化する、革新的なEC事業者向けリサーチツールです。どのモールで、どの商品が、いつ、いくらで、いくつ売れたのかといったことを直感的に把握できる高精度なNint推計データにより、商品の仕入・開発、多ジャンル・複数モールへの事業拡大などの、ECビジネスにおけるマーケティング上の重要な意思決定を支えます。
株式会社Nint 会社概要
・代表者: 吉野順子
・所在地:東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F
・URL:https://www.nint.jp/corp/
・設立:2018年4月
・事業内容:ECデータ分析サービスの提供
・グループ会社:任拓数据科技(上海)有限公司
株式会社Nintについて
Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡大するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームを実現します。中国・日本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独自に蓄積・提供し、日本で約1300社のサービス導入実績があります。
「Nint」コーポレートサイトURL:https://www.nint.jp/corp/
「Nint ECommerce」サービスサイトURL:https://www.nint.jp/ec/
「dataNexus」サービスサイトURL:https://www.nint.jp/datanexus/
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