テレマティクス制御ユニットグローバル出荷量、2021年に前年比13%成長
PR TIMES / 2022年4月21日 11時15分
LGが2021年のTCU市場をリードし、これをContinentalとHarmanが追う。米国、中国、ドイツが世界のTCU市場におけるトップ3地域に。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、テレマティクス制御ユニット(TCU)グローバル市場は、2021年に前年比13%成長したというGlobal Telematics Control Unit Trackerによる最新調査を発表致しました。
テレマティクス制御ユニット市場の成長は、COVID-19の流行とサプライチェーン問題による部品不足とが存在する最中でのものであり、コネクテッドカーの普及拡大と消費者がデジタル機能を好むようになったことが成長を牽引したと言えます。それに加えて、eCall義務化(欧州で義務化された車両事故などの自動緊急通報システム)などの政府の施策が、市場の成長を後押ししており、また、4Gチップセットの価格上昇により、グローバルでのTCUのASP(平均売価)は2021年に若干上昇しています。私たちは2022年もかなりの期間、部品供給の制約は続くとみています。
テレマティクス制御ユニット市場動向に関して、カウンターポイント社シニアアナリストのSoumen Mandal氏は次の通りコメントしています。
「LGが世界のTCU市場をリードし、これをContinentalとHarmanが追う展開だ。このトップ3社で市場のほぼ3/4を占めている。
LGのTCU出荷は2021年に前年比19%成長した。中国や米国市場での、GMとVolkswagenとの密な関係が、LGが首位を維持する上で貢献している。欧州以外の主要な地域で、LGは首位である。
Continentalは第2位のTCUメーカーで、欧州市場、特にドイツ、フランス、英国で健闘している。しかし、同社のシェアは、2020年と比べ、2021年は2%ほど低下した。Continentalは5G対応TCUを2022年の早期に市場投入し、自動車セクターにおける5Gの市場機会をつかもうとしている。これが、今後Continentalがシェアを回復させるのを助けると思われる。
Harmanは第3位のメーカーで、高級車市場に重点を置いている。すでに高級車ブランドに対して5G対応TCUの提供を行っている。Harmanの自動車業界での見識と、Samsungの強力な流通チャネルとによって、今後さらに受注を増やし、業界における地位を高めることになりそうである。
これ以外のメーカーでは、DensoとVisteonが、2021年のTCUメーカー別ランキングで大きく躍進した。DensoとToyota、VisteonとFordとのパートナーシップが、両社にとって利益をもたらした。」
図1: 2021年度におけるTCUグローバル出荷シェア・ブランド別
[画像1: https://prtimes.jp/i/33140/137/resize/d33140-137-7969c2621f17ed0e06d9-1.jpg ]
出典: カウンターポイント社 Global Telematics Control Unit Tracker, Q4 2021
技術の進歩に伴い、2Gや3Gでは自動車のデータ需要を満たせなくなり、特に3Gがなくなりつつあるなかで、4Gと5Gだけが現実的なオプションとなっています。現段階では、9割以上のコネクテッドカーが4G TCUを採用していますが、その4Gは成熟期に達しようとしています。複数の5G対応チップセット、NADモジュール(Network Access Device: キャリアのネットワークとの通信を行う装置)、それにTCUが、すでに2021年に発売されています。そのため、今年はより多くの自動車が5G対応機器を搭載し、加えて、自動運転の普及と、C-V2X(セルラー通信によるV2X: 自動車と他の自動車・道路設備・歩行者・ネットワークなどとの通信)とが5G採用を後押しすると見込まれます。
コネクテッド関連技術のトレンドについて、カウンターポイント社リサーチアナリストのMohit Sharma氏は次の通り述べています。
「自動運転のレベルが上がるにつれ、ADASセンサー群が出力するデータ量は400MB/sを超えるだろう。このデータすべてを処理するために高い処理能力が必要になる。それだけではなく、より洗練されたAIアルゴリズムも、大容量ストレージも必要になる。5Gはデータ転送速度が30倍に、レイテンシ(遅延)が1/10になるため、この業界は、クラウドコンピューティングに対応するために5Gへの移行が必須となる。」
自動運転、コネクテッドカー、電動化の三つのトレンドが、将来のモビリティの姿をつくる鍵となり、屋台骨となって支えるのがコネクティビティです。自動車各社は、インフォテイメントやOTAソフトウェアアップデート(Over The Air: ソフトの新しいバージョンがネットワーク経由で自動ダウンロードされること)といった既存のコネクティビティサービスを強化するとともに、カスタマイズしたエンタテイメントパッケージや保険などの新サービスを追加提供しています。自動車各社は、収益源の多様化のためにも、消費者のことをより近くで知りクルマの性能やサービス向上に役立てるためにも、コネクテッドサービスを強化しています。
図2: 2020-2025年におけるTCU市場予測
[画像2: https://prtimes.jp/i/33140/137/resize/d33140-137-e7b32d3a0a76a8f72609-2.jpg ]
出典:カウンターポイント社 Global Telematics Control Unit Tracker, Q4 2021
TCU市場の将来の展望に関して、カウンターポイント社アソシエイトディレクターのBrady Wang氏は次の通り述べています。
「2020年から2025年にかけて、世界のTCU出荷はCAGR 15%での成長が期待される。金額ベースでは、TCU市場は2025年には倍以上に成長し、70億米ドル(約9兆円)に達する見込みである。高価格な5GのTCU普及が、この急成長の大きな要因である。出荷台数ベースでは、5Gが最速(206%)で成長する技術となるだろう。」
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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