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遠隔操縦者1人が3空域における夜間のドローン3機同時運航の実証に成功

PR TIMES / 2025年1月30日 10時20分

太陽光発電施設での銅線盗難対策など警備業界の人材不足にドローンを活用



 NEDO、KDDI株式会社は、2024年12月12日、1人の遠隔操縦者がドローン3機を太陽光発電施設3拠点(3空域)で夜間に同時運航する実証(以下、本実証)に成功しました。
本実証は、NEDOの「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」における「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」(以下、本事業)の一環として実施しました。
 本実証では、社会問題となっている太陽光発電施設内の銅線盗難などに対するドローン警備の有用性評価をテーマに、多数機同時運航によるシステム・オペレーション評価を目的に実施しました。
 具体的には、太陽光発電施設3拠点へのドローンポートの配置およびドローンのサーマルカメラを用いた人物検知を行う環境を整えることで、夜間における遠隔地からのドローン多数機同時運航を実現し、ドローンによる夜間警備の有効性を確認しました。
 今後、機体や運航管理システムのさらなる高度化(自動化・自律化)に伴い、操縦者の役割および運航管理体制も変化することから、本実証の知見を多数機同時運航に関する官民で取り組む制度設計にも役立て、警備業界の人材不足への活用など、ドローンの社会実装に引き続き貢献していきます。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/145/135644-145-7712459823320e78fe5699a5cdc98cab-642x373.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 1人の操縦者によるドローン3機同時運航イメージ

1.背景
 太陽光発電所は敷地面積が広大なため警備人員が多く必要とされますが、日本では2024年問題として警備業界の人材不足が社会課題となっており、人材確保が困難な状況にあります。特に太陽光発電所は山間部などの人目につきにくい場所に建設されるため、発電所内の銅線ケーブルなどが夜間に盗難される被害が全国で多発しており、再生可能エネルギーの供給が危ぶまれる深刻な社会問題となっています。
 そこで、ドローンを活用することで、夜間や人が立ち入ることが難しい場所でも施設警備が可能となり、従来ではカバーしきれないエリアの監視を実現します。また、ドローンポートを用いることで、現地に人を常に置く必要なく遠隔での迅速な監視が可能となります。さらに、1人の遠隔操縦者が複数拠点に配備されたドローンを同時運用することで、警備業界の人材不足問題の解決にもつながることが期待されます。
2.本実証について
 本実証は、NEDOが2022年度から推進する本事業※1の一環として、以下の項目を中心にKDDIが進めています。
(1)1対多運航のシステム要件およびオペレーション要件の検討
(2)1対多運航に対応した運航管理システム開発
(3)飛行実証に向けた許可承認の取得
(4)複数空域における多数機同時運航を想定した飛行実証
(5)1対多運航の事業性検証
 ドローンによる夜間警備においては、警備者はドローンのカメラからのリアルタイム映像を見て違和感や異常がないか常に監視する必要があります。本実証では、同時に不審者を検知した場合やシステム異常が発生した場合を模して実フィールドにおいてポート付きドローンによる現地完全無人での運航を検証し、1人の遠隔操縦者による3拠点でのドローン3機同時運航を実現しました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/145/135644-145-0d3b8dc5037bbce4089f48016e29257c-611x372.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 本年度実証の位置づけ

3.今回の成果
 本実証から、以下の成果を得ました。
【効率的な警備体制の構築】
 ドローンによる巡回監視により、広範囲を短時間でカバーすることができ、従来の人による巡回に比べて効率が大幅に向上する可能性があることを確認しました。
【コスト削減】
 1人の操縦者が複数のドローンを管理することで、警備にかかる人件費を削減することができる可能性があることを確認しました。
【AI(人工知能)アシスト機能による迅速な対応能力の向上】
 ドローンの高性能カメラを用いたリアルタイムのAI解析により、異常を即座に検知し、迅速な対応が可能となることを確認しました。
【異常同時発生時の課題確認】
 不審者の追跡や機体・システムの異常が同時に発生した場合の課題を確認し、今後のシステム機能や運航管理品質の向上に資するデータを取得しました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/145/135644-145-3e9a4129265107adaed3705cdf4f5b6d-649x326.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 遠隔操縦者1人で多数機同時運航を行っている様子


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/145/135644-145-a24dec4bc48b7b339f025324faab6750-643x284.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 夜間不審者検知の様子

 NEDOとKDDIは本実証を通じて、夜間警備におけるドローン活用の有用性と、不審者発見時や機体・システムの異常発生時の対応を含む運用手順の有効性と課題を確認しました。
 今後は実証に加え、実環境での複数機の長期運用や運用データの蓄積とさらなる運用改善を進めていきます。本実証の知見を、多数機同時運航に関する制度設計にも役立て、ドローンの社会実装に貢献していきます。

(参考)本事業での取り組み
 NEDOが推進する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」の中でドローンの1対多運航を実現するオペレーション要件の検討や、運航管理システムの開発や検証を進めています。

・2024年6月28日 KDDIとJAL、遠隔操縦者1名でドローン3機を同時運航することに成功
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-151_3418.html
・2024年11月15日 遠隔操縦者1人が全国4地点のドローン5機体同時運航に成功
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-330_3600.html

【注釈】
※1 本事業
事業名:次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)/複数ドローンの同時運航実現に向けた運用要件の策定および運航管理システムの開発
事業期間:2022年度~2024年度
事業概要:次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)
https://reamo.nedo.go.jp/introduction/introduction_1_1_4_1

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