鈴木光司著『エッジ』 米国の文学賞「シャーリー・ジャクスン賞」日本人初の長編賞受賞!!
PR TIMES / 2013年7月15日 10時20分
株式会社 角川書店
現地時間2013年7月14日(月)アメリカ・マサチューセッツ州バーリントンにて、文学賞「シャーリー・ジャクスン賞」の選考会が行われ、鈴木光司著『エッジ』が長編賞を受賞しました。
シャーリー・ジャクスン賞は、心理的サスペンス、ホラー、ダークファンタジーのジャンルにおいて最も優れた小説に贈られる文学賞で、プロの作家、編集者、批評家、研究者による審査員の選挙により決定されます。賞は、選考年の前年(1月1日~12月31日)に英語で発表された長編小説、中編小説、短編小説、ショートストーリー、単独著者によるコレクション、複数著者によるアンソロジー等のカテゴリに分類されて選考されます。
長編小説部門での日本の小説の受賞は、初めてです。
『エッジ』は、2008年12月に単行本、2012年1月に角川ホラー文庫で刊行され(いずれも角川書店刊)、現在累計部数10万部に達しています。
■「シャーリー・ジャクスン賞」公式サイト http://www.shirleyjacksonawards.org/
【『エッジ』書籍情報[角川ホラー文庫]】
定価(上巻)660円(下巻)700円※いずれも税込
刊行日2012年1月25日 頁数(上巻)320頁(下巻)352頁
人が消えてゆく――長野、新潟、カリフォルニアで、人々が突如”消失”する怪現象が起こった。そんな中、フリーライターの栗山冴子は、ある一家が忽然と姿を消した”一家失踪事件”の謎を追い始める。18年前に父が、やはり消失ともいえる突然の失踪で行方不明となっている冴子は、一連の事件の中に、人類が経験したことのない未曾有の世界的異変を嗅ぎ取るが…。
世界の基盤を揺るがす恐怖を描く、サスペンス・ホラーの傑作!
『エッジ』公式サイト http://www.kadokawa.co.jp/sp/200812-03/
【著者紹介】鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年静岡県浜松市生まれ。慶應大学仏文科卒。90年第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった『楽園』でデビュー。95年発表の『らせん』で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』のシリーズをはじめ、メッセージ性の強いエンタテインメントを発表し、日本文学に新境地を拓いている。近著『鋼鉄の叫び』では、大勢に翻弄される日本人の本質を描き切った。また、2012年久々の「リング」シリーズ新作『エス』を発表し、その『エス』を原作とした、映画「貞子3D2」がこの夏公開予定。
■鈴木光司氏受賞のことば
このような栄誉ある文学賞をいただけたこと、まことに嬉しく思います。
ぼくは今、世界でもっとも幸運な人間であると実感しています。
今日、7月14日はフランスの革命記念日。7月4日はアメリカ独立記念日。7月は幸運の月です。23年前の7月に、ぼくは日本ファンタジーノベル大賞という文学賞を受賞して作家デビューし、同時にふたり目の娘が生まれてきました。翌年に、後の大ヒット作となる『リング』を出版したものの、当時は、まったく売れない作家でした。売れない作家に、お金はないけれど、時間の余裕ならたっぷりあります。それならばと、高校教師であった妻に代わって、ふたりの娘たちの子育て全般を受け持つことにしました。作家と子育て、二足の草鞋です。
おむつ交換から、食事の支度、お風呂入れ、洗濯、保育園の送り迎えと、十年間にわたって子育てを担当する間に、ようやく、『リング』の続編である 『らせん』で、ベストセラーを出すことができました。
三部作の完結編である『ループ』の出版とほぼ同時に、次女は小学校に通い始め、妻は高校教師を辞め、ぼくの子育ても一段落。作家活動に本腰を入れ、『エッジ』執筆の準備に取り掛かりました。
小説家としてデビューできたのも、ベストセラーを出すことができたのも、子どもたちとの関わりがあってこそです。子育てによって、ぼく自身、大いに成長させてもらいました。
今回の受賞作『エッジ』の中でも、子育ての体験は生かされています。
娘たちに勉強を教える過程で、幾度となく、「勉強の目的とは何か」「社会にとっての善とは何か」を、話題に取り上げてきました。
「善とは何か」という問題を宇宙レベルにまで拡大させたのが、『エッジ』のテーマです。
たとえば、われわれは、宇宙を舞台にした巨大なジグソーパズルを作ろうとして、ひとりひとり、ピースを持って動き回っているとします。
この場合、描くべき模様の完成形が明確にわかっているわけでは、ありません。ただし、どのような絵を描くべきかは、おおよそのところ予想はつきます。最初から、グロテスクで単調な、下手な絵を描きたいと思う人間はいません。彩り豊かで美しく、今にも動き出しそうな、見ているだけで楽しくなる絵を描きたいと願っているはずです。
より美しく記述されたいと願う宇宙の意図に添うよう、ひとりひとり協力し合って、うまくピースを嵌めていくのが、人類の進むべき方向でではないでしょうか。
そのためには、まず、「宇宙の意図」=「世界の仕組み」を知る必要があり、これが勉強の目的となります。世界がどのように出来上がっているのか理解することなしに、美しい模様を描くことはできないからです。
『エッジ』の主人公である娘に、父が、世界の仕組みについて教えるのはそのためです。
おかげさまで長女は今、大学の哲学科を卒業してネット関係の企業で働いています。次女は、大学院でアメリカ文学を勉強中です。ふたりともぼくの影響力大です。
本当は、ここボストンにいて、みなさんの前で、小説のこと、家族のことを喋りたかったのですが、半年前からの予定が組み込まれ、いかんともできませんでした。その点、ちょっとアンラッキーです。 機会があれば、ボストンを訪れたいと思っています。みなさんにお会いできる日を楽しみにしています。
本日は、まことにありがとうございました。
鈴木光司
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