ウクライナからの留学生による同国復興を見据えたがれきを利用するリサイクルコンクリートの研究展示をスタート
PR TIMES / 2024年12月23日 17時15分
六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで1月13日(月)まで 開催中の「デザインの風が最初に触れる場所」にて展示。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34331/150/34331-150-42f607bfd17aa21877672c379f31f14c-664x500.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ウクライナの最前線で撮影された写真
学校法人多摩美術大学(所在地:東京都世田谷区、理事長:青柳正規、多摩美術大学 学長:内藤廣)は、東京ミッドタウン・デザインハブにて開催中の第111回企画展「デザインの風が最初に触れる場所」にて、「リサイクルコンクリート ~ウクライナにおける建築廃材のリサイクル研究」の展示を行います。
地球環境に影響の少ない形でのウクライナ復興を考える研究
本学プロダクトデザイン研究室に在籍するウクライナからの研究員アリサ・チェンさんは、東京大学生産技術研究所の酒井雄也准教授の開発した地球環境に影響の少ない「リサイクルコンクリート」技術と、東日本大震災を経験した日本の災害がれき処理のノウハウを組み合わせた研究を行なっており、同国の紛争によって生じた建物がれきを用いて、ウクライナの復興に向けたロードマップと未来ビジョンを描いています。循環型経済の都市計画におけるリサイクルコンクリートの活用推進につながる取り組みです。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34331/150/34331-150-c8f00a2a25613973da0763b1c066da79-2000x1334.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ウクライナから取り寄せた建物がれき
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34331/150/34331-150-ac9e515fef509b76d1af8036753b53ae-1204x802.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
リサイクルコンクリートブロック
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34331/150/34331-150-6a7c92916fbfcad8a3aeeeac01f2c0c9-1701x2402.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
研究のロードマップの展示パネル
CO2など温室効果ガスの排出を大幅に減らせて強度はそのまま
壊れた建物がれきを用いて再びコンクリートを作れるリサイクルコンクリート技術は、がれきの保管場所や移動コストなどの削減につながるばかりではなく、素材調達が現場でできることで材料輸送に伴うエネルギーやCO2の発生も抑えられます。また従来のコンクリートは、製造工程でCO2など温室効果ガスが大量に発生してしまいますが、リサイクルコンクリートは、製造工程での温室効果ガスの発生も大幅に抑えられます。しかも従来製法のコンクリートとほぼ同等の強度を出すことができます。
東京大学のリサイクルコンクリートのプレスリリース
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3939/
がれきを資源へと換える方法 ~東松島方式
東日本大震災の際、津波で大きな被害を受けた東松島市。がれき化してしまった街で行われたのが、後に「東松島方式」と呼ばれる手作業による分別でがれきを資源に選別する方法。この方法は資源を細かく分別し、処分費用を大幅に抑えられるだけでなく、その手選別により、そこに住む人々に働く場を提供し、被害に遭われた人たちが集うコミュニティの場の構築も図れるという幾つものメリットを生む方法です。この東松島方式は、熊本の震災、能登の震災でも活用されている方法であり、この方式をウクライナの復興でも活用しようとして研究を進めています。
暮らしていた人たちの想いを取り込んだ復興
破壊されてがれきと化してしまっても、それぞれの建物には、そこに暮らしていた人たちの想いがあります。それは大切な財産だったものです。リサイクルコンクリート技術は、そこにあったものから、新たな建築材料を作り出すことのできる技術でもあります。人々の想いや、その土地固有の文化までをも取り込みながら、復興することを目指せる技術となり得ます。
ウクライナからの研究員アリサ・チェンさん
本研究を進めるアリサ‧チェンさんはウクライナ北東部のハルキウ市にあるKharkiv State Academy of Design and Arts(ハルキウ州立デザイン芸術アカデミー)を卒業後、首都キーウに移り住んでいました。日々激化する戦火の中で戦後の復興を見据え、戦争によって破壊された地域で建築材料をリサイクルする方法を何とかしたいと、本学の支援プログラム(※)に応募して2022年に研究生として来日しました。2024年より本学の研究員として本研究に取り組んでいます。
※多摩美術大学ではロシアによるウクライナへの侵攻に対する支援策として、2022年度に研究・制作場所を安全に確保することができなくなったウクライナ国籍などを有する美術・デザイン系の学生を研究生として受け入れ、研究・制作環境を提供するプログラムを実施いたしました。
■展示概要
この研究展示は以下の展覧会でご覧いただけます。
東京ミッドタウン・デザインハブ第111回企画展「デザインの風が最初に触れる場所」
風が草原に触れるときに新たな景色が生まれるように、 デザインが新たな形や概念として現れる瞬間、 そこにはまだ見ぬ可能性が広がっています。 これからデザインはどこを目指すべきなのか、 我々にもその答えはありません。 その中でも、AIとデザイン、サーキュラーデザイン、 ストラテジックデザイン、デザイン人類学、そして遊びのデザインという Tama Design Universityの5つのディビジョンを通して、 デザインの新しい地平を見出そうと試みています。 活動を通じて微かに見出される、 デザインが私たちのこれから世界をどう形作り、切り拓いていくのか、 その風を感じていただければと思います。
会期:2024年12月2日(月)~2025年1月13日(月) 11:00~19:00 ※12月28日(土)~1月6日(月)は休館 入場料:無料 会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F) 主催:東京ミッドタウン・デザインハブ 運営:多摩美術大学 TUB 監修:永井一史(多摩美術大学 統合デザイン学科教授) ディレクター:高見真平(多摩美術大学 情報デザイン学科講師) 会場構成:高田ふみ 制作協力:三浦あかり、吉川義盛
WEBサイト:https://tub.tamabi.ac.jp/exhibitions/5483/
◆多摩美術大学 TUB について
2021年4月、東京ミッドタウン・デザインハブ(所在地:東京都港区)に、デザインやアートが持つ創造性と美意識を社会とつなぐ場として開所。“まじわる・うみだす・ひらく” をコンセプトに、多摩美術大学の様々なステークホルダーや企業、社会人と行うオープンイノベーションによる新しい価値の創出、学生だけでなく子どもから社会人まで幅広い層に向けたデザインやアートのプログラムの提供、学生作品の展示・発信を行います。
所在地:東京都港区⾚坂 9-7-1 ミッドタウン・タワー5F(デザインハブ内)
ディレクター:和田達也教授、永井一史教授
https://tub.tamabi.ac.jp/
◆学校法人多摩美術大学について
理事長:⻘柳正規
多摩美術大学 学長:内藤廣
所在地:〒158-8558 東京都世田谷区上野⽑ 3-15-34
創 立:1935年
大学概要:創立以来「もの派」を牽引した関根伸夫、菅木志雄ら、またデザイン界でも三宅一生や深澤直人、佐藤可⼠和など世界を舞台に活躍する才能を数多く輩出。八王子・世田谷の2キャンパスに、絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、映像、演劇、芸術学など10学科と大学院を設置。
https://www.tamabi.ac.jp
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