「正確で高感度な血液検査を実現する画像処理技術の発明」において令和 6 年度全国発明表彰の「発明賞」を受賞
PR TIMES / 2024年6月5日 15時40分
株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、株式会社日立製作所と共同開発した「正確で高感度な血液検査を実現する画像処理技術の発明」(特許第7011904号/以下、本発明)について、令和6年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)における「発明賞」を受賞しました。
本発明は、液体試料の表面に発生する気泡*1の状態や検査への影響などを高精度に判定する画像処理技術に関するものです。血液検査装置においては、検査結果に影響を与える気泡が試料表面上に発生することが多くあります。本発明により、気泡が検査に影響を与えるものかどうか、および試料の検査可否を検査実施前に自動で判定することで、高精度かつ高スループットな検査を実現しました。本発明の機能を搭載した免疫分析装置「cobas e 801」*2は、提供開始した2017年からこれまで、世界で累計10,000台以上の稼働を達成し、人々のQoL向上に貢献しています。
[画像: https://prtimes.jp/i/49375/152/resize/d49375-152-e1309a6e8c860d4f261a-0.png ]
*1:試料の表面に気泡が存在する場合、検査に必要な量の試料をノズルで吸引する際、気泡内部の空気を吸引してしまい、正しい量の試料を吸引できず、検査結果に影響を与えることがある。
*2:COBAS は Roche Diagnostics 社の登録商標である。
■本発明の概要
血液検査装置内において、採取した血液を保管している採血管から検査用の試験管へ吸引します。この採血管内の血清試料表面上に微小な気泡が存在するケースがあり、気泡の種類により検査結果や装置の稼働に影響を与える場合があります。よって、従来はこの気泡を検査技師が検査前に目視確認・除去する必要があり、大きな負担となっていました。この問題に対し、気泡の有無とともに、気泡が検査に影響を与えるものかどうかを、AIを用いた画像処理により判定する技術を発明しました。深層学習*3により約100万件もの事例データを用いて自動的に判定規則を生成し、気泡の分布状態を正確に抽出し、その分布状態から検査に及ぼすリスクの判断を実現しました。一方、深層学習において判定根拠の解析が難しくなるという課題に対しては、独自の判定根拠可視化技術を活用し、意図通りに判定できているかを画面上で確認しながら、精度の高い検出を可能にしています。
本発明は、検査品質と検査スループットの大幅な向上と、検査技師の負担軽減に大きく貢献しており、本機能を搭載した免疫分析装置「cobas e 801」は、特に高い検査精度と検査効率が要求される血液センター*4での使用に対応し、世界各国で活用されています。
*3 深層学習:大量のデータをもとに、分析対象となるデータや対象物の特徴・特性などを自動で学習する AI 技術で、主に画像認識や音声認 識、自然言語処理に活用される。
*4 血液センター:各国での健康保健行政のもとに、輸血用の血液を供血者・献血者より採取して検査・保存管理し、必要に応じて医師・医療 機関に供給する施設。
日立グループは約50年前から体外診断の自動化への取り組みを始め、今日に至るまで多くの製品を通して迅速かつ正確な診断に貢献してきました。今後も、日立ハイテクは体外診断の領域でのさらなる自動化を通した検査業務効率化をはじめとしたヘルスケア領域全体において、人々のQoL向上に貢献していきます。
■本発明の紹介動画
https://bcove.video/3qxpAOu
■全国発明表彰について
全国発明表彰は、日本における発明、考案または意匠の創作者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった研究者・科学者を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与するこ とを目的として、公益社団法人発明協会により 1919 年に創設されました。
■日立ハイテクについて
日立ハイテクは、医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造装置、分析機器、解析装置などの製造・販売に加え、モビリティ、コネクテッド、環境・エネルギーなどの産業分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、幅広い事業領域においてグローバルな事業展開を行っています(2024年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,704億円)。強みである「見る・測る・分析する」というコア技術をベースに、事業を通してさまざまな社会課題解決および持続可能な社会の実現に貢献していきます。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/ )をご覧ください。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
走査型プローブ顕微鏡システム「AFM5500MII」を発売
PR TIMES / 2024年6月10日 13時15分
-
日立と積水化学が、再生材の活用促進を支援する「再生材マーケットプレイスシステム」を用いた実証を完了
PR TIMES / 2024年6月7日 12時45分
-
走査電子顕微鏡関連装置が日本顕微鏡学会より「顕微鏡遺産」に認定
PR TIMES / 2024年6月5日 17時40分
-
大型かつ重量のある試料をナノレベルまで観察可能な高分解能ショットキー走査電子顕微鏡「SU3900SE」「SU3800SE」シリーズを発売
PR TIMES / 2024年5月28日 18時45分
-
ロシュ社と日立ハイテク、体外診断事業における提携契約を延長
PR TIMES / 2024年5月27日 17時45分
ランキング
-
1鉄道ファン“安堵”青春18きっぷ 今夏も発売、JR東日本「現時点で廃止する予定はありません」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月20日 20時36分
-
2円安によって多くの日本人は再び豊かになる 今の円安に対して過剰に反応してはいけない
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 9時30分
-
3円の国際価値が過去最低、BIS ドルなどと大差、通貨地位揺らぐ
共同通信 / 2024年6月20日 18時16分
-
4ついにLINEペイも撤退、瓦解するLINEの金融事業 LINEが描いてきた「経済圏」は画餅に終わるか
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 8時20分
-
5「冷凍チャーハン」「カップ麺」に革命が…町中華の“あおり炒め”や“ゆでたての旨さ”を再現した日本の新技術【THE TIME,】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月20日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)