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旭化成発のスピンアウトベンチャー「DiveRadGel株式会社」を設立

PR TIMES / 2024年10月9日 16時45分

「ソナノスTM」(ヒアルロン酸ナノゲル)を用いた複合的がん免疫療法の確立を目指す

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)は、旭化成発のスピンアウトベンチャーとなるDiveRadGel(ダイブラッドジェル)株式会社(本社:東京都中央区、社長:中井 貴士、以下「DRG社」)を設立したことをお知らせします。
DRG社では、新規薬物送達システム(DDS;Drug Delivery System)基剤「ソナノスTM」を用いたがんワクチン事業を担い、複合的がん免疫治療の医師主導治験による臨床試験入りを目指します。


1.会社概要
会 社 名 :DiveRadGel株式会社(DiveRadGel Co., Ltd.)
設 立 :2024年6月10日
役 員 :代表取締役社長 中井 貴士、取締役副社長 黒澤 丈朗
事業内容:ヒアルロン酸ナノゲルを用いた複合的がん免疫療法※1の研究・開発


2.「ソナノスTM」について
 旭化成のライフイノベーション事業本部ヘルスケアマテリアル(HCM)事業部では、医薬品・食品などに広く使用される添加剤「セオラスTM」(結晶セルロース)等の製品を提供しております。また現在、「セオラスTM」の事業基盤を活かし、新規DDS基剤「ソナノスTM」(ヒアルロン酸ナノゲル)の開発を進めております。
 「ソナノスTM」は、ヒアルロン酸を部分的にコレステロールで修飾した誘導体※2であり、水中で自己会合※3し、ナノサイズのハイドロゲル※4を形成します。簡便な方法で低分子化合物からペプチドやタンパク質まで、さまざまなモダリティ※5の医薬品原薬を封入し、徐放化※6、可溶化、さらにはリンパ節への効率的輸送などの機能を付与することができます。現在、事業体制の確立に向け、製薬企業へのサンプル提供を通じ、新規医薬品への適用可能性を評価いただいています。また、2024年度より順次、「ソナノスTM」各グレードのGMP製造※7を開始しており、安定的な供給体制を整備しています。


3.DRG社設立経緯
DRG社は、経済産業省が支援する“出向起業”の枠組み「大企業等人材による新規事業促進事業※8」を活用し、旭化成グループ非連結会社として創業しました。代表取締役社長は、ヒアルロン酸ナノゲルの発明者であり、旭化成リードエキスパートの中井 貴士が務めます。
DRG社では、「ソナノスTM」を用いた有望テーマの一つであるがんワクチンへの適用を目指します。アカデミアとの共同研究を通じ、「ソナノスTM」を用いたがんワクチンは、遺伝子改変T細胞※9、アジュバント※10との3剤併用療法(Tri-Combo療法)により、難治性腫瘍モデルマウスに対して革新的な治療効果を有することが示唆されました。DRG社は、このような複合的がん免疫技術に関連するリソースを集約の上、研究・開発を推進し、難治性腫瘍に苦しむ患者さまへ新たな治療選択肢を提供することを目標としています。


DRG社 代表取締役社長 中井 貴士 コメント
このたび、「ソナノスTM」を用いたがん免疫療法を開発するDRG社を旭化成からのスピンアウトベンチャーとして設立できたことを大変うれしく思っております。本治療法は、既存のがんワクチンや遺伝子改変T細胞の限界を克服し、強力な抗腫瘍効果と再発抑制をもたらすことが期待されます。がんに苦しむ患者さまに一日でも早く新たな治療法を提供できるよう取り組んでまいります。

旭化成 HCM事業部長 木村 秀行 コメント
今般、旭化成発のスピンアウトベンチャーとなるDRG社を設立いたしました。「ソナノスTM」は、HCM事業部の主力製品「セオラスTM」に継ぐ次世代の高機能医薬品添加剤として、事業開発を推進しています。DRG社による複合的がん免疫療法の確立(=医薬品開発)は、旭化成のHCM事業スコープ、あるいはグループにおいて医薬品事業を担う旭化成ファーマの注力領域、いずれにも含まれません。しかし、「ソナノスTM」適用の有望テーマゆえ、実用化への可能性を模索する中で、事業開発メンバーからスピンアウトベンチャー創設のアイデアが持ち上がりました。そして、旭化成としても従業員の挑戦を支援すべく、新会社設立が実現いたしました。今後、旭化成とDRG社は強固なパートナーシップの下、両社の事業領域におけるシナジー創出を目指します。


DRG社 ホームページ:https://diveradgel.co.jp/
旭化成 ソナノスTM ホームページ:https://www.ceolus.com/ja/lp/sonanos/


※1  複合的がん免疫療法:がんワクチン、遺伝子改変T細胞療法、免疫チェックポイント阻害剤など異なるがん免疫治療法を併用することでがん細胞に対する免疫応答を強化し治療効果を高めるアプローチ
※2  誘導体:化学的に修飾改変された化合物
※3  自己会合:同一分子の集積会合
※4  ハイドロゲル:水分子を内部に含む高分子膨潤体
※5  モダリティ:低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療といった治療種類の種別
※6  徐放化:薬物を徐々に放出させること
※7  GMP製造:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に基づいた製造
※8  大企業等人材による新規事業促進事業:大企業等の人材が所属企業を辞職せずに自ら起業し出向するスタートアップを補助金交付により促進する事業gaiyousetsumei_202007.pdf (co-hr-innovation.jp)
※9  遺伝子改変T細胞:患者のT細胞を遺伝子操作によって改変したT細胞
※10 アジュバント:ワクチンの効果を高めるために使われる物質や手法



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