インドでは、3人に1人の少女が公共の場で性的暴行やストーカー被害に遭う危険があると考えていることが明らかにー国際NGOセーブ・ザ・チルドレン調査報告
PR TIMES / 2018年6月7日 14時1分
子ども支援専門の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは、インドに暮らす思春期の少女が公共の場での安全についてどのように認識しているかを調査し*、その結果をまとめた報告書『WINGS 2018:インドの少女の世界(WINGS 2018: World of India’s Girls)』を発表しました。調査の結果、思春期の少女3人に1人が、公共の場で、不適切に体を触られたり、後を付け回されたりすると考えており、4人に1人以上の少女が、レイプを含む性的暴行を受ける危険に晒されていると感じていることが明らかになりました。
[画像: https://prtimes.jp/i/5097/155/resize/d5097-155-684137-0.jpg ]
また、思春期の少女のほぼ半数が、公共交通機関利用の安全性に懸念を示しており、5人に3人が、街灯などの照明の整備が十分でない路上やその他の公共の場で、安全でないと感じています。
特に懸念されるのは、被害を地元の警察に訴えたとしても、彼女たち自身が責められるか、苦情を真剣に受け止めてくれないと考える少女が4割にも上ることです。さらに、保護者の5人に1人が、公共の場で娘に何か危害を加えられる危険があるよりも、早くに結婚する方が良いと信じています。
セーブ・ザ・チルドレン・インドの事務局長ビディシャ・ピライ(Bidisha Pillai)は、以下のように指摘します。「調査結果は、数百万人ものインドの少女たちが、日々家の外で危険と恐怖に直面し、自信を持ったり、自由に移動したりすることに深刻な影響を及ぼしていることを明らかにしています。
こうした状況が、早すぎる結婚を後押しすることになり、教育を受け、やりがいのある仕事に就き、社会との関わりを持つことを難しくすることで、少女たちの未来をも危険に晒しているのです」
さらに、報告書では、以下の事が分かっています。
都市部や地方に暮らす少女の3分の2以上が、公共の場での嫌がらせに直面したときには、母親に打ち明けると話しました。
少女の半数近くが、公共の場で嫌がらせを受けたことを両親が知ったら、一人での外出を禁じられ、家の外での移動が制限されるだろうと話しました。
ピライは、続けて、「すべての子どもは、公共の場で、安全に過ごし、守られる権利があります。そして、もし、この権利が侵害された場合には、警察などの法執行機関が被害の申告を真剣に受け止め、適切な調査が行われることに対して、子どもたちが信頼を持てるようにするべきです」と、述べます。
今回の報告書では、調査を通じて得られた意見に基づいて、公共の場での少女たちの安全性を改善するための30以上の提言をしています。提言は、女性警察官の増員を含む、女性の視点を一層反映した取り締りの強化や、公共の場での街灯などの照明設備の改善、自助グループや子どもグループ、母親グループのようなコミュニティでの支援体制の構築と発展、すべての公共交通機関の運転手に対するジェンダートレーニングの義務付け、政府資金の割り当てを増加すること、などを含みます。
*本調査は、思春期の男女4,000人以上と、思春期の女子を持つ保護者800人を対象に、インド国内6州(12県の30の都市と84の村)で行われました。今回の調査は、本テーマに関して、この規模で実施された初の調査です。
報告書全文(英語)はこちら:
https://www.savethechildren.net/sites/default/files/WINGS%202018%20World%20of%20India%27s%20Girls%20report.pdf
<セーブ・ザ・チルドレン概要>
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる、育つ、守られる、参加する、「子どもの権利」が実現されている世界を目指して活動する子ども支援の国際NGOです。1919年に英国で設立され、現在、日本を含む29の国と地域の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開しています。インドでは、20州で、特に最も貧しく最も周縁化された子どもたちに対して、教育や保健支援、子どもの保護、人道支援を届けています。
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