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走査型プローブ顕微鏡システム「AFM5500MII」を発売

PR TIMES / 2024年6月10日 13時15分

SEMやAFMなどの解析装置との連携機能を強化し、研究開発から品質管理まで幅広いニーズに対応

 株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、同一試料を複数の解析装置で観察する際の観察精度・操作性を向上させた、走査型プローブ顕微鏡システム「AFM*15500MII」(以下、本製品)を日本国内・海外向けに発売します。



 
[画像: https://prtimes.jp/i/49375/155/resize/d49375-155-cb9a652474e386e3557a-0.png ]


 近年、半導体・金属材料分野においては高機能化を図るため、微細化や構造複雑化、多層化などが進んでいます。これに伴い、製品の欠陥評価や故障解析を行う現場では、電子顕微鏡などの複数の解析装置を用いた複合的かつ高精度なデータ分析ニーズが高まっています。
 このたび、本製品に「AFMマーキング機能(以下、本機能)」を新たに搭載することで、本製品で観察した試料の同一箇所をSEM*2やCSI*3などの各種解析装置でも高精度に観察・計測することを実現しました。従来、アライメント(位置合わせ)マークが施された試料ホルダーを用い、座標を読み込むことで観察位置を特定し、複数の解析装置での同一試料観察を簡便に行うことができるリンケージシステムを提供していましたが、解析装置によっては観察範囲の見え方が異なり、確実に同一箇所を捉えられているか判断が難しいなどの課題がありました。本機能はAFMの測定箇所周辺に、電子顕微鏡をはじめとした他の解析装置の観察時に確認可能なマーキングを試料上に作製することができる機能です。これにより観察位置の特定を容易かつ正確にし、観察の効率化と高精度化を実現するとともに解析できる装置の適用範囲が広がります。
 各種解析装置との連携を強化した分析業務につながる本製品の提供を通して、特に故障解析の現場における不具合解明率やスループットの向上に加え、安全安心な製品の提供をサポートし、お客さまおよび社会課題の解決に貢献していきます。

*1 AFM (AFM Atomic Force Microscope):原子間力顕微鏡。走査型プローブ顕微鏡(SPM : Scanning Probe Microscope)の一種
*2 SEM (Scanning Electron Microscope):走査電子顕微鏡
*3 CSI (Coherence Scanning Interferometry):走査型白色干渉顕微鏡

■本製品開発の背景
 AFMは、先端が数ナノメートル(1ナノメートル:100万分の1ミリメートル)に尖ったプローブ(探針)で試料表面を走査し、ナノレベルで試料表面の形状観察と物性マッピング評価を同時に行うことができる計測・分析装置です。半導体・高分子・生体をはじめとする幅広い産業分野での研究開発や品質管理の現場で活用され、さらに昨今は電子デバイスの省電力化に関わる技術開発においても使用されるなど、AFMの活用は幅広い分野へ広がっています。
 日立ハイテクは、観察時に必要なあらゆる設定を自動化し、操作に不慣れなユーザーでも簡単に高精度なデータの取得が可能で、操作性に優れ、品質管理などの分野に適用可能なAFMを提供してきました。近年、電子部品や精密部品、高機能材料などの構造微細化・複雑化・多層化などが進み、欠陥評価や故障解析などの場面において、複数の解析装置による多角的な評価結果を用いたデータ解釈の必要性が高まっており、本製品を開発しました。

■主な特長
1.リンケージシステムを補完するAFMマーキング機能の搭載
 AFMマーキング機能では、AFMで観察した箇所の周囲に、SEMやCSIなどの解析装置での観察時に目印となるスクラッチマークを作製します。これにより、試料や観察装置のサイズに関わらず、さまざまな装置で測定場所を確実にとらえ、観察の簡易化と高精度化を実現します。

2.電位測定モード(FM-KFM)追加による高精度分析を実現
 従来用いられていた振幅変調方式ケルビンプローブフォース顕微鏡(AM-KFM)に加え、新たに周波数変調ケルビンプローブフォース顕微鏡(FM-KFM)による電位測定モードを追加しました。FM-KFMはAM-KFMに比べて探針先端の電位の検出感度が高く電位の定量性が優れます。単一材料間での電位や仕事関数比較などに優位なAM-KFMと、微細な周期構造を持つような定量性が求められる複合材料計測時に適したFM-KFMを、目的に応じてワンクリックで切り替えることが可能です。AFMとSEMの併用による分析のケースが多い半導体や金属材料を中心とした試料の観察において、より高精度な分析業務に貢献します。

3.故障診断機能追加による装置持続性向上を実現
 不具合が発生した際に要因を自動で診断可能なセルフチェック機能を標準搭載し、高いパフォーマンスを維持しながら装置を長く使い続けるための管理方法などをユーザー自身で把握することが可能になります。

 日立ハイテクグループは今後も、「解析・分析」のコア技術を磨きあげ、注力市場における専用計測・検査ソリューションの創出をめざし、「環境・レジリエンス・安全安心」の分野における社会課題解決に貢献していきます。

■AFM5500MIIについて
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/microscopes/spm-afm/units/afm5500mii.html

■日立ハイテクについて
 日立ハイテクは、医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造装置、分析機器、解析装置などの製造・販売に加え、モビリティ、コネクテッド、環境・エネルギーなどの産業分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、幅広い事業領域においてグローバルな事業展開を行っています(2024年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,704億円)。強みである「見る・測る・分析する」というコア技術をベースに、事業を通してさまざまな社会課題解決および持続可能な社会の実現に貢献していきます。
 詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/ )をご覧ください。

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