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デロイトのグローバル調査により、内部監査チームの影響力を高める鍵はイノベーションへの投資にあると判明

PR TIMES / 2018年7月17日 14時1分

高度な内部監査アナリティクス、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、アジャイル型アプローチが、内部監査執行役員の予想する重要なイノベーション



デロイトが内部監査執行役員(Chief Audit Executive - CAE)を対象に行ったグローバルレポート『イノベーションの必要性』によると、内部監査部門の影響力を高める鍵はイノベーションにあります。

本レポートは、世界40カ国に所在する各業界の内部監査責任者1,100人以上から得られた回答を集計・分析したもので、内部監査部門が現在および将来にわたり企業のニーズを満たすのに役立つと考えられるインサイトとアイデアを提示しています。

デロイト グローバル 内部監査サービスリーダーのテリー・ハゼレルは、「ディスラプションが繰り返し生じる今日の環境の中において、多くの企業は、新しいビジネスモデルや新技術を導入したり、サードパーティーと新しい方法で提携したりしています。組織は価値創造に関わるリスクを管理しようとしており、内部監査部門はこれまでのようにコンプライアンスを提供するだけでなく、アシュアランス(保証)とアドバイザリー(助言)サービスの提供、リスク予測に関してさらに革新的なアプローチを取り入れることに注力する必要があります」と語っています。

これを実現するにはイノベーションが必要不可欠です。「今後3~5年の間に内部監査に影響を与える主なイノベーションは何だと思いますか」という質問に対して、回答者のうち、22%がデータアナリティクス、15%がコグニティブテクノロジー(認識技術)/RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、14%が予測分析、13%がリスク予測、8%がアジャイル型アプローチの導入、と回答しました。

デロイト グローバル 内部監査アナリティクスサービスリーダーであるニール・ホワイトは、「この調査結果は、内部監査業務にイノベーションを導入する必要があることを内部監査チームが認識しており、その多くが本格的な導入に向けてすでに一歩踏み出していることを裏付けています。現時点における課題は、導入を促進するために利用可能なツールや方法について理解を深めることです。イノベーションを受け入れることは、組織内で必要とされる内部監査の影響力を担保するうえで重要です」と述べています。

イノベーションに対する投資と、組織内における内部監査の影響力の間に顕著な関連性があることが今回のレポートで明らかになりました。大きな影響力を持つ内部監査部門は、2016年の調査では28%でしたが、今回の調査では40%に増加しています。しかしこれは、逆の見方をすれば、回答したCAE の60%は、いまだに自らの率いる内部監査部門には大きな影響力がないと考えているということです。今回の調査結果は、全体を通じて、イノベーションに基づくアプローチと方法を導入した内部監査チームには、導入していないチームに比べて大きな影響力を持つ傾向があることを示しています。実際、自身が率いる内部監査部門には大きな影響力があると答えたCAEの71%が、イノベーションに対する投資を増やす計画を立てています。

ここで心にとどめておくべき重要な点は、イノベーションとは、技術の導入にとどまらないということです。イノベーションには、内部監査部門が組織全体に提供する価値を高める新たなアプローチだけでなく、経営陣、監査委員会、その他のステークホルダーに対してそうした価値を提示する方法も含まれることがあります。進化する組織にどのように価値を提供するかを内部監査チームが模索する中、CAEは、内部監査アナリティクスの導入、人材パイプラインの強化、ビジネス側との連携強化、品質の向上が内部監査部門の戦略的優先事項であると考えています。多くのCAEは、組織に提供する価値を高めるため、アジャイル型内部監査の導入やコグニティブテクノロジーとRPAの活用も検討しています。

ニール・ホワイトは、「これらの戦略的優先事項を実現しようとするのであれば、内部監査チームはいくつかの課題に前向きに取り組む必要があります。例えば、調査対象となったCAE の3分の1以上がスキルと人材の不足を重要な課題として挙げていますが、4分の1は、専門的なスキルにアクセスするための、従来モデルに代わる人材調達モデルをまだ利用していません。特にアナリティクスの人材が不足しています。私たちの調査によると、調査対象となった内部監査チームの56%では、いまだに基本的なレベルのアナリティクスの利用にとどまっています。そこには、高度なアナリティクスを、ビジネス側との連携のためのリソースの解放、品質・効率性の向上、自動的なアシュアランス(保証)とリスク予測の提供に生かすことができる大きな機会が存在しているのです」と述べています。

調査回答に見られるその他のポイント:

●人材調達のためのリソースモデルは進化しているが、進化を加速させる必要がある:
従来のモデルに代わるリソースモデルは、人材・スキルの不足を埋めるだけでなく、社内の専門知識が不足しがちな分野において知識移転をもたらす可能性があります。しかし、内部監査チームのほぼ4分の1は代替的なリソースモデルを全く利用しておらず、特に、ゲスト監査人プログラムとローテーションプログラムの利用率が比較的低くなっています。

●組織文化において内部監査の役割が過小評価されている:
リスク事象を誘発する行為に見られるように、組織文化の断絶は、よく見られる現象です。この分野は、内部監査が重要な役割を果たせる分野です。しかし、過去3年間に組織文化に対する評価を実施したと回答したのは、調査対象の内部監査人の30%未満にとどまりました。

●サイバーリスクの評価が影響力を高めうる:
サイバーリスクが増加し続ける中、内部監査は、組織がサイバーリスクを理解し低減するのを支援することにより真の価値を提供することができます。しかし、約半数の内部監査チームは、サイバーリスクの評価を行っていません。シニアエグゼクティブと取締役会にとって重要課題であるサイバーリスクにまで監査範囲を拡大することによって、内部監査部門の影響力が大いに高まる可能性があります。

●RPAが浸透しつつある:
最も革新的な内部監査チームは、内部監査人が実施する多くの反復作業にRPAを利用しています。RPAをすでに導入している内部監査チーム(全体の2%)は内部監査イノベーションの最先端を走っています。全体の21%が、内部監査にRPA を利用することを検討中か、リサーチを行っていると回答しています。

●アジャイル型プラクティスが急速に拡大している:
アジャイル型内部監査を導入することで、内部監査業務の柔軟性、応答性、人材配分、スピード、提供される価値、ステークホルダーとの関係性が改善・強化されます。これらの理由により、内部監査チームの56%がアジャイル型内部監査をすでに利用しているか、利用を検討しています。内部監査に対する比較的新しいアプローチとしては、驚くべき割合です。

●レポーティング形式は、より機敏でダイナミックになりつつある:
調査対象となった内部監査チームのうち、監査目的によって報告書の形式を決定すると述べたのはわずか8%です。一方、ステークホルダーが報告書を読む時間は一般的に限られている中で、リスクと課題が次々に出現しています。つまり、報告書のスリム化、ビジュアル化がますます求められるようになっているのです。3%は最終報告書を作成せずに、随時所見を報告すると回答しており、これが将来の内部監査の特徴になるかもしれません。

●重要業績評価指標(KPI)には、より広範にビジネスの優先事項を反映すべきである:
KPIは、従来の指標を追跡するだけにとどまらず、内部監査人が組織内でその影響力を高めることができるような領域にフォーカスすべきです。例えば、KPIを拡張して、コスト節減や、収益機会の特定(回答者のほぼ4分の1が採用)など、ビジネスへのプラス面の影響を捕捉する指標を含めることができます。

本レポートについて
デロイトのグローバルレポート『イノベーションの必要性』は、世界40カ国のさまざまな業界の内部監査責任者1,100人以上を対象に行われた2018年の調査を基に作成されたものです。レポート全文をご希望の方は、https://www.deloitte.com/jp/caesurvey2018をご覧ください。


本ニュースリリースは2018年5月10日にニューヨークで配信された内容を翻訳したものです。

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