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読売新聞の名物連載「人生案内」から日本の今が見えてくる。『悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿』発売です。

PR TIMES / 2017年8月16日 15時47分

この度『悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿』 (ディスカヴァー携書) を株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場弓子 本社:東京都千代田区)より発売いたしました。



[画像: https://prtimes.jp/i/18193/158/resize/d18193-158-652085-0.jpg ]

読売新聞の名物連載「人生案内」をご存知だろうか。すでに100年を超える歴史があり、一般読者から寄せられた悩みに識者が誌上で応える形式は連載当初からまったく変わっていない。実は、この「人生案内」は多くの社会学者の研究対象とされていて論文も多数存在している。100年以上同じ形式で継続されているため極めて貴重な資料となり得るのだ。本書の著者は現代社会の深層を分析し「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」といった概念を生みだした気鋭の社会学者。2009年からは「人生案内」の回答者のひとりとして現在も活動している。社会学者として、回答者として何を感じ取っているのでしょうか。

価値観の多様化が進んでいる
相談:50代の女性。夫が女装していることに気づきショックを受けた。成人になった子どもも知っている。これから老後を一緒に過ごすのかと思うと不安だ。(要約)
回答:夫が誰かに迷惑をかけているわけではありませんが、あなたがどうしても受け入れられないのなら別々に生活するしかありません。多少なりとも我慢できるようなら、変な趣味を持った夫としてそっとしておくのが良策です。(要約)
社会学者にとっては男性の女装趣味という性向はけして珍しいことではありません。要するに、昔からよくあることなのです。ただ、この相談で驚かされたのは、奥さんからの相談であるという点、そして、子どもまで知っているという点です。そこから、夫自身はバレても構わないと思っていることが推測できるのです。つまり、本人は女装趣味であることを悩んでいるわけではないのです。以前は、このようなことは誰にも言えない悩みとして本人から相談されるものでした。仮に、家族がそのことに気づいたとしても、ひた隠しにして墓場まで持っていく類の出来事だったはずです。いわゆる「あたりまえ」というスタンダードが通用しなくなり、様々な価値観が存在する時代になったことを実感します。

恋愛しない若者と恋愛に走る高齢者
昨今盛り上がっているのは高齢者の恋愛相談です。背景には健康寿命の延び、未婚率や離婚率、配偶者との死別の増加などがあげられます。そして、不本意な結婚生活をおくったという理由から、恋愛をやり直したいという欲求を持つ人がかなりの割合で存在しています。対して若者からは恋愛に積極的になれないという相談が増えています。厳密に言えば恋愛に積極的な若者もいるのですが、恋愛しない若者はまったくと言っていいほど縁がないという恋愛格差が生まれているのです。恋人がほしいと思わない理由の1位が「恋愛が面倒くさい」という調査結果があります。そして、このような若者が男女ともに増えているのが現状です。

価値観の多様化に対応できない日本社会
日本の社会は既存モデルの人生を歩んでいる人に都合よくできています。ところが「人生案内」から垣間見られるように価値観の多様化は着実に進んでおり、その結果、既存モデルからこぼれ落ちる人々が増えてきています。例えば、日本では終身雇用や専業主婦といったモデルに合わせて制度、慣行、意識が形成されてきましたが、昨今、非正規雇用や保育園不足といった問題が指摘されています。これはモデルからこぼれ落ちる人が多数派になってきたことを示しています。いまの日本はレールから外れた人にとって非常に生きづらい社会になっているのです。また、価値観の多様化が進む一方で、日本には昔から「世間体」という圧力が存在します。この圧力がこのところますます過剰になっているのを感じます。例えば、個人や企業の活動がほんの一部のクレームによって中止や謝罪に追い込まれたという話をよく耳にします。様々なリスクを恐れて自主規制してしまう風潮も顕著になりました。つまり、99人がOKでも1人がNOだと物事が成立しない時代なのです。「人生案内」から見えてくるのは、多様な価値観と世間体のはざまで苦しんでいる人がたくさんいるという点です。そこには縮こまっていく日本社会の実像が浮かび上がってきます。

本書で紹介されている相談
・父の死を夫がSNSに投稿 (40代女性)
・夫の女装趣味が発覚(50代女性)
・交際相手が心変わり、苦しい(60代女性)
・70歳男性 年下の彼に未練(70代男性)
・性的少数者 就活どう臨む(20代男性)
・妻が不倫 謝罪されたが苦しい(50代男性)
・失業の30代息子 職探し二年(60代女性)
・声優の夢 限界感じる(10代男性)…他多数

【著者プロフィール】
山田昌弘(やまだ まさひろ)
1957年東京生まれ。中央大学文学部教授。1981年東京大学文学部卒。1986年同大学院社会学研究科博士課程退学。専門は家族社会学。親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書)、『希望格差社会』(ちくま文庫)など、次々に話題書を執筆。2006年「格差社会」で流行語大賞トップ10受賞。その後、共著の『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書)がベストセラーとなり、婚活ブームの火付け役ともなった。近著に『モテる構造』(ちくま新書)、『結婚クライシス』(東京書籍)等がある。2009年から読売新聞の名物連載「人生案内」の回答者をつとめる。

【書籍情報】
タイトル:悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿
定価:1000円(税抜)
発売日:2017年8月10日
判型:新書判・ソフトカバー/208ページ
ISBN:978-4-7993-2163-8
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト: http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321638

【販売サイト】
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4799321633
楽天ブックス:http://books.rakuten.co.jp/rb/15067409/
セブンネットショッピング:http://7net.omni7.jp/detail_isbn/9784799321638
ディスカヴァーサイト:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321638

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