【提言】サステナビリティ経営が高める日本のウェルビーイング
PR TIMES / 2024年10月9日 16時45分
企業価値向上とインパクト創出を両立させる経営へ
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株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、社会的な重要課題の1つであるウェルビーイングを高める経営として「サステナビリティ経営」に注目しました。本レポートでは、サステナビリティ経営の実践を通じて、企業価値向上とインパクト創出(社会課題解決)を両立するポイントや、日本でサステナビリティ経営を拡大させるための方策について提言します。
1. 背景
気候変動、経済格差など、解決が急がれる社会課題が山積するなか、豊かさを測る新たな概念として「ウェルビーイング(Well-being)」が注目されています。2030年に達成期限を迎えるSDGsの次の目標の1つに、ウェルビーイングが位置付けられる見通しであり、今後の企業経営における重要課題になると予想されます。
MRIは、「ポストコロナ社会のウェルビーイング」でウェルビーイングのあり方を示すとともに、「MRI版ウェルビーイング指標」を開発しました。そこでは、「持続可能な社会と地球に支えられて人間のウェルビーイングが最大化する」とともに、「経済活動において、社会・地球の持続可能性を能動的に追及することでウェルビーイングが向上する」という双方向性を重要な要素と位置付けています。つまり、サステナビリティ経営の実践が、人々のウェルビーイング向上につながると考えています。
本レポートでは、サステナビリティ経営を通じて企業価値向上とインパクト創出を両立するポイントや、日本でサステナビリティ経営を拡大させるための方策について提言します(図表1)。
図表1 企業価値向上とインパクト創出を両立するサステナビリティ経営
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三菱総合研究所作成
2. 本提言の概要
提言にあたり、(1)社会・地球の持続可能性を高める非財務資本投資が企業価値に与える効果、(2)企業活動が社会・環境に与える影響(インパクト)の測定および経営に活かす方策、の2つを明らかにしました。
(1)非財務資本投資の重要性は多くの企業が認識していますが、短期的にはコストを増加させる点が障壁となります。そこで、MRIは、ESGスコアおよび企業の財務データを用い、非財務資本への投資が企業価値に与える影響について定量的な分析を行いました。その結果、非財務資本への投資は、数年の時間差をもって企業の全要素生産性(TFP)やPBR(株価純資産倍率)を有意に押し上げることが確認されました(図表2)。また、TFP/PBRを押し上げる効果は、時間の経過とともに小さくなることが示されました。非財務資本投資を企業価値向上につなげるには、投資の継続と時代の変化に応じた取り組み内容のアップデートが重要と考えられます。
図表2 ESGスコアと全要素生産性(TFP)、PBRの関係(日本企業、MRI推計)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/50210/160/50210-160-130eecba0eaee250dca4c76ced76262c-1484x530.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
注1:TFPへの影響は、東京証券取引所上場企業のうち、Bloomberg社の「ESG開示スコア」および財務情報を時系列で取得可能な1,384社の2005~22年のデータを、PBRへの影響は同3,820社のデータを使用。注2:当期から8期前までのESGスコアの変化が全要素生産性/PBRに与える影響を示す。出所:Osiris、Bloombergより三菱総合研究所作成
(2)サステナビリティ経営では、企業活動が社会・地球に与えるインパクトを計測し、経営の意思決定に活かすことが重要です。MRIは、インパクト測定・マネジメント(Impact Measurement and Management、IMM)を用いて、インパクトを社会・資本市場からの評価に繋げ、インパクト創出と企業価値向上の好循環を実現する方向性を提示します。また、企業・投資家との意見交換に基づき、経営・資本市場におけるインパクト活用に向けた期待と課題をまとめました。
さらに、日本でサステナビリティ経営を拡大・定着させるには、サステナビリティ経営に取り組む企業を適切に評価する仕組みが求められます。サステナビリティ経営実践の方策に加え、サステナビリティ経営を日本で定着させるうえで不可欠な5つの取り組みを提言します(図表3)。
サステナビリティ経営実践に向けた提言
提言1:企業は、強い意志と長期視点を持ち、サステナビリティ経営の実践を
提言2:投資家は、企業と対話を重ね、サステナビリティ経営を評価する姿勢を
提言3:投資家や研究機関は、インパクトと企業価値の関係分析の高度化を
「統一インパクト指標」を整備し、インパクトを共通言語とした市場の構築に関する提言
提言4:評価機関を中心に、統一指標の整備を
提言5:企業と自治体でインパクトの共創を
詳細はレポート本文をご参照ください。
図表3 サステナビリティ経営拡大に向けた5つの提言
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/50210/160/50210-160-283fdb8dc461b2340ce34a4c42539d02-1484x630.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
三菱総合研究所作成
3. 今後の予定
今後、MRIは、MRI版ウェルビーイング指標を用い、サステナビリティ経営を定着させるうえで必要な「統一インパクト指標」の構築に向けた分析・提言を行います。また、行政や企業、内外の研究機関と連携しながら、日本社会のウェルビーイング最大化に貢献します。
レポート全文
サステナビリティ経営が高めるウェルビーイング [4.3MB]
お問い合わせ先
株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
【内容に関するお問い合わせ】
政策・経済センター
Tel:03-6858-2717
E-mail:pecgroup@mri.co.jp
【報道機関からのお問い合わせ】
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E-mail:media@mri.co.jp
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