南スーダン:MSF、ベンティウ市内の施設略奪を強く非難
PR TIMES / 2014年1月14日 14時26分
国境なき医師団(MSF)は、南スーダン、ユニティー州の州都ベンティウ市内にあるMSFの施設が略奪を受けたことに対し、強い非難を表明する。今回の略奪はベンティウにおけるMSFの活動を危険にさらし、今も続く暴力への人道対応を危うくするものだ。
MSFオランダのアルヤン・ヘヘンカンプ事務局長は話す。「今もベンティウ市内の人びとに援助を提供し続けている数少ない人道援助団体が略奪を受けるということは、許容しがたいものです。MSFは今回の紛争の全当事者に対し、医療施設が保全され、紛争の影響下にある人びとに交通の自由を与えて、出身や民族を問わず、患者が医療施設に行けるようにすることを呼びかけます」。
<数千人が水、食糧、医療のない状態に>
MSFは2010年からベンティウで活動している。今回の紛争以前、MSFは結核、HIVと栄養失調の治療を提供していた。今回の紛争が始まって以降、MSFはベンティウの病院で負傷者を対象とした術後ケアと国連施設内に避難した人びとへの一次医療に注力している。
継続する紛争により、ベンティウでは数千人が医療を受けられずにおり、推定1万人の避難者が3時間半離れたレールへ向かっているとみられている[AS1] 。
1月8日には、治安の悪化を受けて複数のMSFチームがレールへの移転を余儀なくされた。レールの病院はMSFが25年間運営し続けている施設だが、通常の診療に加えて、ベンティウからきた紛争負傷者を受け入れ始めている。
南スーダンにおけるMSF活動責任者ラファエル・ゴルジュは、「数千人がベンティウとその周辺地域で水、食糧、医療がない状態におかれています。援助は切実に必要とされていますが、MSFは患者、スタッフと施設の安全が保障されるまでは、ベンティウでの活動を再開することはできません」と話す。
「数千人が土壇場で何も持たずにベンティウを逃れました。私たちは最善を尽くして、彼らが水、食糧、医療を受けられているか調査するとともに、最も急を要する人びとに援助を届けるため、準備を進めています」。
MSFは1983年、現在の南スーダン共和国を構成するスーダン南部で活動を開始。目下、国内10州のうち9州で15件のプログラムを運営している。具体的な活動地はアゴク、アウェイル、ゴグリアル、グムルク、レール、マバン、マラカル、ナーシル、ヤンビオ、ランキエン、ユアイ、イダ。また、ジュバ、アウェリアル、マラカルで新たに3件の緊急対応プログラムを開始した。MSFの緊急援助は、大規模避難、難民の一斉移入、深刻な栄養状態、はしか・マラリア・急性水様性下痢・カラアザール(内臓リーシュマニア症)といった病気の流行ピークに対応するとともに、基礎・専門医療を提供。全プログラム合計で228人の外国人スタッフと2917人の現地スタッフが活動している。
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