南スーダン:1週間以内に2度の略奪で援助活動に大きな支障
PR TIMES / 2014年1月20日 12時8分
南スーダン上ナイル州のマラカルにある国境なき医師団(MSF)の宿舎が略奪を受け、MSFの医療援助活動が一時停止に追い込まれた。これにより、数千人が切実に必要な医療を受けられなくなる恐れが出ている。本件は、ユニティー州の州都ベンティウにあるMSFの施設が略奪を受けてからわずか1週間で起きており、MSFはこの事件について強く非難する。
MSFオランダ事務局の事務局長、アルヤン・ヘヘンカンプは「武装した兵士がマラカルにあるMSFの宿舎に2度にわたって侵入し、現場で略奪行為を行ったほか、チームを脅迫しました」と語る。「これらの行為は全く許容しがたく、MSFの活動に支障をきたすものです。人道援助従事者は安全を保障されていなければならず、MSFは一時的にマラカルの病院での活動を停止するほか選択の余地はありません。数千人が、切実に必要としている外科と一般的な診療を受けられなくなり、これは私たちにとっても大きな懸念です」。
攻撃と略奪はマラカルで広範囲にわたって起き、マラカルの病院は80人以上の負傷者を受け入れた。そのほか、この病院には避難所を求める大勢の人が所有物を持って集まっている。治安の悪化を受け、数百人がマラカルから避難したと報じられている。
<多くの負傷者が医療を受けられないでいる恐れも>
現地での激しい戦闘により、マラカルにある国連施設に避難した人の数は過去4日間で倍増し、推定2万人に達した。MSFによる医療援助継続も妨げられ、予定されていた集団予防接種も取りやめざるを得なくなった。1月13日には、激しい戦闘がマラカルでぼっ発し、MSFの緊急対応チームは130人以上の銃創患者をマラカルとナーシルで治療した。
南スーダンにおけるMSFの活動責任者を務めるラファエル・ゴルジュは「私たちが懸念しているのは、まだ多くの負傷者が医療を受けられないでいるのではないかということです」と語る。
MSFはマラカル地域で2002年から活動している。今回の紛争以前には、MSFは顧みられない病気のひとつであるカラアザール(内臓リーシュマニア症)の治療を提供するほか、隣国スーダンから来た難民の援助にあたっていた。現地での対立が顕在化した12月以降、MSFはマラカルのチームを増員して、負傷した患者を対象に病院で外科ならびに術後ケアを提供するとともに、マラカルの国連施設に避難した人びとへの一般的な診療に注力してきた。
MSFは今回の紛争の全当事者に対し、医療施設の保全と、患者が出身や民族を問わず医療を受ける機会を保障するように呼びかける。
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MSFは1983年、現在の南スーダン共和国を構成するスーダン南部で活動を開始。目下、国内10州のうち9州で15件のプログラムを運営している。定常的なプログラムをアゴク、アウェイル、ゴグリアル、レール、マバン、マラカル、ナーシル、ヤンビオ、ランキエン、ユアイ、イダで運営。また、ジュバ、アウェリアル、マラカルとニムレで新たに4件の緊急対応プログラムを開始した。MSFの緊急援助は、大規模避難、難民の一斉移入、深刻な栄養状態、はしか・マラリア・急性水様性下痢・カラアザール(内臓リーシュマニア症)といった病気の流行ピークに対応するとともに、基礎・専門医療を提供。全プログラム合計で278人の外国人スタッフと2890人の現地スタッフが活動している。
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