jeki 駅消費研究センターが利用者視点の鉄道沿線像について調査を実施
PR TIMES / 2023年4月6日 17時15分
利用者の「沿線」に対するイメージは、資産価値志向、交通手段志向、メディア情報志向、他者評価志向、生活利便志向、生活情緒志向の6つに類型化できることが明らかに
鉄道業界においては、「沿線活性化」「沿線まちづくり」が進められ、近年、ますます鉄道起点でのまちづくりが注目されています。しかし、当たり前のように使われてきた「沿線」は本当に自明なものなのでしょうか。特に、利用者にとって「沿線」とはどのようなものなのでしょうか。
そこで、ジェイアール東日本企画 駅消費研究センターでは利用者視点での鉄道沿線像に関する基礎的調査を実施。JR中央線、東急東横線を対象に居住者に対し「沿線」の利用実態・意識アンケート調査、「沿線」の認知・生活像インタビュー調査(「沿線」認知マップ描画調査含む)を行って、多角的に沿線像を捉えました。
今回の基礎的な調査から、「沿線」と一口に言っても利用者それぞれの像があることがわかりました。駅消費研究センターでは、今後の研究で、利用者視点にたった沿線活性化のための沿線ブランド評価モデルなどを探究していきたいと思います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-2d4f2654710c265304a5-0.png ]
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主なトピック
アンケート調査にて、中央線もしくは東横線と聞いた際に連想することを自由記述で聴取し、内容的に類似するワードをグループ編成して整理した結果、下記の6つの志向があることがわかりました。
また、インタビュー調査の結果、6つの志向の中でも、「生活情緒志向」は沿線内の経験や沿線に対するイメージが豊かで行動や消費が活発な可能性がうかがわれました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-450d8c79d183d1db2c46-5.png ]
※ 本リリースの内容は、ジェイアール東日本企画 駅消費研究センターの独自見解です。
調査結果
その他の主な調査結果は以下の通りです。
【イメージの共通性】
利用者の「沿線」に対するイメージは、多くの人に共通するものが少なく、個々人が持つイメージが多岐にわたる。
アンケート調査にて、中央線もしくは東横線と聞いた際に連想することを自由記述で聴取し、テキストマイニング(※)で分析した。その結果、利用者の「沿線」に対するイメージは多くの人に共通するものが少なく、個々人が持つイメージが多岐にわたることがわかった。
[画像4: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-b662347480bdbd24f569-3.png ]
※テキストマイニングとは、コンピュータを利用し大量のテキストを解析・数量化すること。
【沿線の範囲】
利用者は「沿線」の範囲を必ずしも始発駅~終着駅だとは捉えていない。
インタビュー対象者19名に自身が認識する「沿線」の範囲を聴取したところ、始発駅から終着駅までを「沿線」と捉えている人は、中央線利用者で11名中3名、東横線利用者で8名中4名となっていた。最も短い範囲は中央線で「新宿~吉祥寺」、東横線で「武蔵小杉~菊名」となっていた。東横線では、みなとみらい線の区間である「新高島~元町・中華街」を東横線だと認識する人も8名中2名いた。実際の路線の範囲と、利用者が実感している「沿線」の範囲とに乖離があることがわかった。
[画像5: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-b5bb12fe53da04e519c8-7.png ]
【沿線内のまとまり】
利用者は「沿線」をひとくくりにしたイメージを持つというよりも、“団子”のようにいくつかのまとまりで捉え、まとまり毎にイメージを持っている。
インタビュー対象者19名に「沿線」の中でのイメージのまとまりを聴取したところ、「沿線」の中でいくつかのまとまりで捉えられ、まとまりに対しそれぞれのイメージを持っていることがわかった。中央線に比べると、東横線は、まとまりが共通しており、イメージも共通していた。
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「利用者視点での鉄道沿線像に関する基礎的調査」の概要
STEP1 「沿線」の利用実態・意識アンケート調査
・調査対象:20~59歳、JR中央線または東急東横線居住者、居住地決定関与者
・調査日時:2022年11月24日~11月30日
・調査手法:調査会社のモニターを使用したインターネットによるアンケート
・有効回答数:JR中央線居住者147名、東急東横線居住者102名
・質問項目:沿線から連想するワード、ブランドエンゲージメントや愛着に関する指標、プロフィールなど
STEP2 「沿線」の認知・生活像インタビュー調査(「沿線」認知マップ描画調査含む)
・調査対象: STEP1の回答者の中から、沿線の累積居住歴1年以上5年未満の人を選出
・調査日時:2023年1月14日~2月9日
・調査手法:対面でのデプスインタビュー
・回答数:JR中央線居住者11名、東急東横線居住者8名
・質問項目:沿線認知マップ、沿線での生活エピソード、自認する沿線の範囲、沿線の中でのイメージのまとまりなど
駅消費研究センターについて
[画像8: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-2d4f2654710c265304a5-0.png ]
駅消費研究センターは、エキナカ・駅ビルや駅前商業施設を中心とした駅というシーンでの購買・消費行動をはじめ、沿線価値まで視野に入れ、徹底した生活者視点から調査・研究を行っています。
主な活動は、自主調査研究、勉強会・セミナーでの講演、情報誌『EKISUMER』の発行です。
駅消費研究センター WEBサイト(情報誌『EKISUMER』のバックナンバーを掲載)
https://www.jeki.co.jp/field/ekishoken/
WEBコンテンツ「恵比寿発、」PICK UP 駅消費研究センター
https://ebisu-hatsu.com/rensai/rs_ekishoken/
本研究は都市論、都市計画学を専門とする、早稲田大学 理工学術院 創造理工学部の吉江俊先生にアドバイスいただきました。
早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 講師 吉江 俊
[画像9: https://prtimes.jp/i/41458/174/resize/d41458-174-bd87961b9f4cbf9c9c27-6.jpg ]
博士(工学)。専門は都市論・都市計画学。日本学術振興会特別研究員、ミュンヘン大学訪問研究員を経て現職。自治体・住民と協働した地方市町村のまちづくり、民間企業の都市再生、近年は、早稲田大学キャンパスマスタープラン策定、東京都現代美術館「吉阪隆正展」企画監修などに携わる。2023年2月に初の単著『住宅をめぐる〈欲望〉の都市論 民間都市開発の台頭と住環境の変容』(春風社)を上梓。共著に『クリティカル・ワード 現代建築 社会を映し出す建築の100年史』(フィルムアート社)、『吉阪隆正 パノラみる』(ECHELLE-1)、分担執筆に『無形学へ かたちになる前の思考』(水曜社)、『コミュニティシップ 下北線路街プロジェクト。挑戦する地域、応援する鉄道会社』(学芸出版社)。『迂回する経済の都市論』が近刊予定。
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