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「保育・幼児教育施設の絵本・本の年間予算および蔵書数が少ない」~ポプラ社×東京大学Cedep「子どもと絵本・本に関する研究」第1回記者発表レポートより~

PR TIMES / 2020年5月20日 16時55分

全国初となる全国保育・幼児教育施設の絵本・本環境実態調査結果を発表

株式会社ポプラ社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:千葉均)は、子どもを取り巻く読書環境の改善を目的として、東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センター(以下、東京大学Cedep)と共同で取り組む「子どもと絵本・本に関する研究」プロジェクトより2020年2月に行われた第1回記者発表レポートをホームページで公開しました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/31579/175/resize/d31579-175-180628-1.jpg ]




「子どもと絵本・本に関する研究」第1回記者発表 登壇者/本研究における全体像概念図



・野澤 祥子(東京大学Cedep 准教授)
・遠藤 利彦(東京大学大学院教育学研究科 教授/東京大学Cedepセンター長)
・秋田 喜代美(東京大学大学院教育学研究科長 教授)
・千葉 均(株式会社ポプラ社 代表取締役社長)
・池田 紀子(株式会社ポプラ社 取締役 児童書事業局 局長)
・高橋 翠(東京大学Cedep 特任助教)


[画像2: https://prtimes.jp/i/31579/175/resize/d31579-175-902811-2.png ]




2020年2月第1回目記者発表レポートより調査結果サマリ

■全国初となる全国保育・幼児教育施設の絵本・本環境実態調査結果について

[画像3: https://prtimes.jp/i/31579/175/resize/d31579-175-713169-5.jpg ]

共同研究の3つの柱のひとつ、「調査研究」の第一弾として実施した、全国の保育・幼児教育施設の絵本・本環境実態調査の結果の概要が発表されました。本調査を通じて、小中学校と比較して、保育・幼児教育施設では絵本・本の年間予算および蔵書数が非常に少ないことが明らかになっています。

【 調査の背景】本研究では、待機児童問題の解消に向けて就学前の保育施設が急増する中、施設による絵本・本環境の実態を明らかにすべく、全国の保育・幼児教育施設(認定こども園、幼稚園、認可保育所、認可外保育施設等)を対象とした調査を実施しました。なお、保育・幼児教育施設の絵本・本の調査は初の試みとなっています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/31579/175/resize/d31579-175-596076-3.jpg ]

【今回の成果】絵本・本(注1)の年間購入予算については、多くの施設が5 万円未満と回答していました。具体的に、年間予算が5 万円未満の施設は認可保育所で60.4%、幼稚園で55.0%、認定こども園(注2)で41.1%でした(注3)。

また、絵本・本の蔵書数については、300 冊未満と回答があったのは、認可保育所では30.8%であったのに対して、幼稚園では9.8%、認定こども園では7.7%であり、施設形態によって蔵書数に差が見られました。
義務教育段階の教育施設(小中学校)における1 校当たりの年間の図書費用は、全国平均で、小学校では平均49.8 万円、中学校では58.7 万円となっています(注4)。また、蔵書数は、小学校では10,335 冊、中学校では11,579 冊となっています。したがって、就学前の保育・幼児教育施設の蔵書数・図書予算は、小中学校と比べて非常に少ないと言えます。
[画像5: https://prtimes.jp/i/31579/175/resize/d31579-175-442375-4.png ]

【研究手法】2019 年10 月上旬に、ポプラ社のダイレクトメールを通じて、保育・幼児教育施設33,566園(幼稚園9,733:国立51、公立3,730、私立5,952/保育園22,981:公立8780、私立14,701/認証保育園852:私立852)にアンケート用紙を郵送し、FAX または発達保育実践政策学センターのウェブサイト上で回答を受け付けました。回答締切は2019 年10 月31 日でした。回答のあった施設は、認可保育所611 園、幼稚園301 園、認定こども園80 園、その他施設50 園の計1,042園でした(回収率3.1%)。

【本調査の結論・社会への影響】国外の研究では、就学前施設の絵本・本を含む言葉に関する教育環境は子どもの言語発達において重要であることが明らかにされていることから(注5)、我が国の就学前施設における絵本・本環境の質の保障と拡充に向けた取り組みが急務であると考えられます。

【今後の共同研究計画】今後は就学前の子どもの絵本・本環境の実態や優れた取り組みを保育・幼児教育施設だけでなく地域及び一般家庭も含めて調査していく予定です。また1.実験研究の第一弾として、デジタル絵本やアニメーション動画と絵本・本の相違点について、親子の視線行動や言葉かけの違いから明らかにしていく予定です。

【注記】

注1)本調査において「絵本」に含まれるもの:一般的な絵本,布絵本,児童書,図鑑 子ども 向け雑誌(子どもが共同利用するもの)、「絵本」に含まないもの:紙芝居、デジタル絵本、子どもが個人で利用する子ども向け雑誌とした。
注2)ここでは幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地域裁量型の全ての施設が含まれる。
注3)本調査では施設の設立・運営主体(認可保育所について公営・民営、幼稚園について公立・
私立、認定こども園については公営・民営)の回答欄を設けなかったため、結果は施設形態ごとに公営・民営および公立・私立をあわせた数値になっている。
注4)2019 年度学校図書館調査報告(全国SLA 研究調査部)
注5)Schmerse, D., Anders, Y., Flöter, M., Wieduwilt, N., Roßbach, H. G., & Tietze, W. (2018).Differential effects of home and preschool learning environments on early languagedevelopment. British Educational Research Journal, 44(2), 338-357.


★以下のレポートから調査結果の発表資料等がダウンロードできます
■ポプラ社×東京大学Cedep「子どもと絵本・本に関する研究」第1回目記者発表レポート
>>>https://www.poplar.co.jp/topics/50025.html

★共同研究の意義について語られた秋田喜代美教授の挨拶もあわせて公開しました
■ポプラ社×東京大学Cedep共同研究【第1回目記者発表】から、秋田喜代美教授挨拶を全文紹介
>>>https://www.poplar.co.jp/topics/50260.html


今後に向けて

本共同研究はポプラ社と東京大学Cedepとの間で長期的な取り組みを目指しております。記者発表では今後の実験研究の予定も発表していますが、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今後の研究・実験等の手法及びスケジュールの見直しを行っています。今後も“本”の価値を科学的なアプローチで明らかにする本研究に引き続き双方で取り組み、研究成果について広く発信・共有を行い、子どもを取り巻く読書環境の改善を目指してまいります。

■出版社紹介
社名:株式会社ポプラ社
本社所在地:〒102-8519 東京都千代田区麹町4丁目2番地6 住友不動産麴町ファーストビル8・9階
設立:1947年6月
事業内容:児童書、一般書などの出版  https://www.poplar.co.jp/  

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