最悪の飢餓「飢きん」、同時多発の危機
PR TIMES / 2017年3月2日 14時33分
2月20日、南スーダンの北部ユニティ州のレール郡そしてメヤンディット郡で「飢きん(飢饉)」が宣言されました。しかし、その被害はソマリア、ナイジェリア、イエメンにも拡大する危険があります。飢餓の中で最も深刻な「飢きん」が複数の地域で同時に起こるかもしれないという事態は、数多くの人が大変な苦しみの中にあり、中には命を落とす人もいるという、前例のない難題を意味します。
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飢きんとは
飢きんの状況にあるかどうかは、国連の専門組織により、「総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification、通称IPC)」という食糧安全保障についての客観的な分析に基づいて判断されます。
飢きんは主に以下3つの指標で判断されます。
20%以上の世帯が極度の食糧不足に直面し、生活のみならず命の危険が明らか
5歳未満児の30%以上が急性栄養不良
人口1万人あたり、毎日2人(5歳未満児の場合は4人)以上が死亡
「飢きん」ほどのひどい飢餓が発生することはめったにありません。ましてや、同時に複数の地域で起こるなどということは、近代においては例がありません。すでに、これら4カ国の人々は極度の栄養不良により生死の狭間にいます。これ以上大切な命が失われないよう、対策がいますぐ求められます。
「人々が長期にわたって健康的、そして幸せに生きるためには、平和と統治体制の確保、および社会基盤の開発や強化を推進できる環境の整備が前提となっています。ゆえに、これらの国は飢きんの危機に襲われてしまっているのです。」国連WFPのアーサリン・カズン事務局長はこのように訴えます。
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支援が必要な人へのアクセスが鍵
南スーダンにおける国連WFPのこれまでの活動について、カズン事務局長は「治安面や物資の輸送面等で様々な課題に直面しつつも、2016年には400万人という記録的な人数に対し、食糧・栄養支援を届けることが出来ました」と説明します。
この3年間、国連WFPは、南スーダンにおいて大規模な食糧・栄養支援を展開することによって、危機を食い止めてきました。しかし、今回の惨事の拡大を防ぐためには、何よりも、支援を必要としている人々へ物資を自由に届けられるようにすることが重要となります。
「例えばユニティ郡では、支援物資を自由に届けられない状況が続いたことで、このような深刻な事態となっています。」とカズン事務局長。
これらの国では、いずれにおいても、まずは紛争がこの惨事の主な要因となっています。そしてさらに共通するのが人道支援を行うための、制限のないそして安全なアクセスが欠如していることです。
仮に資金が十分であっても、必要としている人たちのところまで支援を届けるためには、無制限かつ持続的な立ち入り許可が必要です。そのために国際社会が政治的な圧力をかけることも重要です。
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継続的な支援へのアピール
現在、最も必要としている人たちへ支援を届けるため、国連WFPは出来る限りのことをしています。南スーダンでは、緊急対策チームがコーク郡、メイヤンディット郡、パインジャール郡などで、18万人以上への支援を実施しています。また、レール郡においても、6万6千人を対象とした緊急食糧支援を行います。
2016年の一年間で、国連WFPには59億米ドルと記録的な額が[YT1] 寄せられました。しかし、南スーダンにおける飢きんの拡大を食い止め、さらにソマリア、ナイジェリア、イエメンでの新たな飢きんの発生を阻止するためには、さらなる支援を必要としています。
この4カ国への緊急食糧支援に対し、国連全体では3月末までに44億米ドルを必要としています。これには国連WFPが今年7月まで行う食糧支援の費用12億米ドルが含まれています。
国連WFPの食糧支援のため、今後必要とされる支援額(2月23日時点)
南スーダン:7月末までの活動2億50万米ドル
ソマリア:7月までの活動に3億7,400万米ドル
イエメン:以前より計画していた活動に毎月6,950万米ドル、加えて緊急支援活動を2月から7月まで行うために4億1、700万米ドル
ナイジェリア:7月までの活動に2億1、900万米ドル
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「時すでに遅し」になる前に
飢きんが宣言された時点で大切な命はすでに失われ始めてています。
飢きんの発生や拡大を食い止めるために人道支援を展開する方が、本格的な飢きんが発生してから対応するより必要な資金ははるかに少なく済みます。
いまこそ、国際社会が一丸となってこの危機に立ち向かわなければなりません。
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