1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

震災10年のいま考える、アートを次代に残す方法。『美術手帖』4月号は「アーカイヴの創造性」特集

PR TIMES / 2021年3月4日 17時15分

保存修復や記録、再制作、作品を通じた記憶の継承まで多様な実践を紹介。『美術手帖』4月号は、「アーカイヴ」という概念の現代的意義と広がりを考える特集。




[画像1: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-477713-10.jpg ]

本特集は、東日本大震災から10年を迎える今年、作品や活動を未来に残していくための営みがテーマ。いま・ここにある作品の背後にある、これまで作品と向き合い、未来へつなぐ方法を考えてきた人たちのクリエイティビティに着目しながら、その重要性や展望を考える。

表紙と巻頭ビジュアルを担当したのは、「複製」や「コラージュ」の手法について探求することをテーマに、コピー機などを使って制作するTHE COPY TRAVELERS。今回の特集テーマ「アーカイヴ」に合わせてつくられた、過去の『美術手帖』などを素材とした作品を掲載する。

[画像2: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-520747-5.jpg ]

巻頭企画は、現代美術における「アーカイヴ」の基本を解説するQ&Aコーナーと、インターメディアテク館長の西野嘉章、アーカイヴを専門とする研究者の上崎千、修復家の田口かおりが登場する座談会。資料収集からデータベース構築まで多様な「アーカイヴ」のとらえ方、それぞれの実践や今後の課題が議論され、このテーマの概要や幅広さがわかる。

[画像3: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-320724-0.jpg ]

PART1では、「時間」が作品に及ぼす影響や、そのなかでどう作品を制作し、残していくかについてのアーティストの考え方を取材。森村泰昌と宮永愛子が、習作や記録写真、気になっている素材など、自らの作品につながった資料をコメントとともに公開する。また、記録を残さないことで知られるティノ・セーガルの貴重なインタビューを掲載する。

[画像4: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-618254-4.jpg ]

PART2では、現在進行中のアート・アーカイヴ関連の事例とはどんなものか、その新規性とともに紹介。アーティストの毛利悠子と、協働するインストーラーのイトウユウヤが、時間の展開を伴う作品(タイムベースト・メディア)を残していくための試行錯誤やアイデアを対談する。また三上晴子、日比野克彦といった作家のアーカイヴ・プロジェクトなどをレポートし、必ずしも「オリジナルを保存する」だけではない、多様な現代美術アーカイヴの在り方を明らかにする。

[画像5: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-304487-7.jpg ]

PART3では、保存修復のスペシャリストの仕事や、その背景にある考え方に迫る。田口かおりが解説する「修復家の仕事 入門講座」では、「作品をいつの時点に戻すべきなのか?」といった保存における考え方から、調査・修復処置の具体的なプロセスまでを、ゴッホやキーファーなどの具体的な作品例を参照しながらレクチャー。MoMAの保存修復担当者へのインタビュー、保存修復と制作をつなぐ活動を行う若手作家らの座談会も掲載する。

[画像6: https://prtimes.jp/i/10983/188/resize/d10983-188-430985-3.jpg ]

特集のきっかけとなった東日本大震災についても、スペシャルパートで掘り下げる。アートユニットとして被災地の記録を続ける小森はるか+瀬尾夏美と、被災物の展示などを企画してきたリアス・アーク美術館学芸員の山内宏泰が、それぞれの視点からアートを通じた記憶の継承について語るロングインタビューを掲載。また美術館にコンサヴァターとして勤務し、数々の作品救出プロジェクトに携わってきた相澤邦彦が、美術館での災害対策の現状について寄稿した。

近年美術界での関心が高まっている「アーカイヴ」の問題。また、コロナ禍によって作品の輸送や公開が困難になったことは、美術館コレクションの活用や、デジタル・データベース整備の重要性が注目される契機ともなった。人とものの関係、歴史のつくり方など、現代社会を考えるうえで重要な問題にもつながるこのテーマを、基本から専門的な内容までじっくり知ることができる特集となっている。

______

特集
アーカイヴの創造性


Special Works
THE COPY TRAVELERS

「アーカイヴ」って何? Q&A

多義的なアーカイヴとその未来を考える
西野嘉章×上崎千×田口かおり


PART1 アーティストと考える「作品と時間」

アーティストの秘蔵資料
森村泰昌/宮永愛子

ティノ・セーガル
三木あき子=聞き手

リミニ・プロトコル
河南瑠莉=聞き手

私たちの誰もが
──エフェメラとしてのコーパスとアルカイックなアーカイヴの彼方
奥村雄樹=文


PART2 アート・アーカイヴのいま

タイムベースト・メディアの残し方
毛利悠子×イトウユウヤ

三上晴子アーカイヴ・プロジェクト

「日比野克彦を保存する」展

[解説]日本の美術アーカイヴの現状
加治屋健司=文
コラム:記録とインタビューから見えてきたもの
塚本麻莉=文
コラム:バイオ・アートと継承のアーカイヴ
平諭一郎=文
コラム:パブリックドメイン化した「搬入プロジェクト」
渡邉朋也=文


震災とアーカイヴ
小森はるか+瀬尾夏美
櫻井拓=聞き手

山内宏泰(リアス・アーク美術館)
福住廉=聞き手

[論考]自然災害と美術館の保存の機能
相澤邦彦=文


PART3 歴史をつくるアーカイヴ

修復家の仕事 入門講座
田口かおり=解説

保存修復と制作の往還からものと人を考える
三枝愛×高橋銑×松永亮太

MoMAコンサヴァター
ロジャー・グリフィスインタビュー

[論考]資源化せよ
美術館における「もの」と「こと」のアーカイヴ
橋本梓=文

誌上キュレーション
Not For Human
誰かに見せるためのものではないアートの歴史
原田裕規

______

ARTIST INTERVIEW
桑久保徹
石川卓磨=聞き手

特別寄稿
アートと社会実践をめぐる問い
「こえとことばとこころの部屋 ココルーム」という喫茶店で
はがみちこ=文

BOOK IN BOOK
コロナ禍とアート
デジタル技術が切り拓く表現と鑑賞体験
文化芸術収益力強化事業 サバイブのむすびめレポート


美術手帖4月号 3月5日(金)発売
定価1600円+税
発行元=美術出版社

『美術手帖』公式サイト http://www.bijutsu.press/books/magazine/

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください