深層学習を用いた細胞骨格の高精度・高効率な密度解析法を確立
PR TIMES / 2024年12月20日 17時40分
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(ポイント)
- 深層学習に基づくセグメンテーション手法を用いて、細胞骨格の密度を高精度かつ高効率に解析する技術を確立しました。
- 本手法は、従来の解析法では難しかった細胞骨格の密度測定の精度を向上させました。
- 本手法を植物の気孔開閉や受精卵の極性化などの生命現象に応用し、細胞骨格密度の変化を定量的に評価することに成功しました。
(概要説明)
熊本大学大学院自然科学教育部修士課程2年の堀内凌太大学院生と同大学大学院先端科学研究部の檜垣匠教授を中心とした研究グループは、深層学習を用いた細胞骨格のセグメンテーション法を開発し、細胞骨格密度を高精度かつ高効率に測定する手法を確立しました。
本研究では、タバコ培養細胞の微小管を対象に、従来の方法と深層学習法の解析精度を比較しました。その結果、従来法では角度や並行度の測定には十分であったものの、密度測定の精度には限界があることが明らかになりました。一方、深層学習に基づく手法では、密度の定量精度が顕著に向上することが示されました。さらに、本手法の有用性を検証するため、植物の気孔開閉運動および受精卵の極性化に応用を試みました。その結果、両現象において細胞骨格密度の変化を正確に捉えることに成功し、本技術の汎用性の高さが実証されました。本研究は、深層学習が大規模な画像データセットの解析を自動化・高効率化することで、深層学習を用いた細胞骨格の高精度・高効率な密度解析法を確立細胞骨格の機能解明や関連分子機構の研究に貢献する可能性を示しています。
本研究成果は令和6 年12 月18 日、科学雑誌「Protoplasma」オンライン版のカテゴリー New Methods in Cell Biology に掲載されました。本研究は日本学術振興会科研費、科学技術振興機構 CREST、および熊本大学国際先端科学技術研究機構 Research Cluster Digital Plant Cell Biology の支援を受けて実施されました。
[今後の展開]
本研究により、深層学習を活用した細胞骨格のセグメンテーション手法が、植物細胞生物学における定量顕微鏡解析を大きく進展させる可能性が示されました。今後、異なる細胞種や条件への適用を目指し、深層学習モデルの汎用性向上を図ることで、より幅広い生物学的課題への対応が期待されます。さらに、本手法は細胞骨格に限らず、他の繊維状構造の解析にも応用可能であり、細胞生物学分野における新たな知見の創出に貢献すると考えられます。
(論文情報)
論文名:Deep learning-based cytoskeleton segmentation for accurate high-throughput
measurement of cytoskeleton density.
著者:Ryota Horiuchi, Asuka Kamimura, Yuga Hanaki, Hikari Matsumoto, Minako
Ueda, and Takumi Higaki* (*責任著者)
掲載誌:Protoplasma
doi:https://doi.org/10.1007/s00709-024-02019-9
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