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高い洗浄力を持つクレイとたっぷりの保湿成分を共存させる技術を開発

PR TIMES / 2021年4月27日 15時45分

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、皮脂などの汚れ吸着性に優れる天然由来の鉱物クレイ(泥)が持つ高い洗浄力を維持しつつ、保湿成分を高配合することで、洗浄力と高い保湿力を両立できる製剤技術の開発に成功しました。
本技術により、ふだんの洗顔では落としきれない皮脂などの汚れを落としながらも、肌の乾燥を防ぐことができるため、トラブルのない健全な肌に導くことが期待できます。本成果は、ポーラ・オルビスグループから発売される製品に活用されます。



【洗浄力は強いが洗いあがりの乾燥感が課題となるクレイ製剤】

昨今、よく使われている水性洗顔料には、洗浄後のうるおい実感の高さが求められています。しかし保湿力にこだわり洗浄力を低く抑えると、余分な角層や皮脂などの汚れが落としきれず蓄積するため、糖化などが進み肌トラブルの一因になることがあります。蓄積した汚れを落とす高い洗浄力を持つスペシャルアイテムとして、余分な皮脂汚れを吸着できる天然由来の鉱物であるクレイ(泥)を使った製剤があります(補足資料1、図2)。しかし、肌の保湿に必要な皮脂まで奪ってしまうため、洗浄後の肌が乾燥しがちです。一方、保湿力を高めるためにクレイ製剤に油分やグリセリンなどの水性の保湿成分をたくさん配合しようとすると、クレイと保湿成分の分離や乳化不良を招いてしまい、安定な品質を保つことができません。そこで本研究では、皮脂汚れの吸着性に優れたクレイと油分や保湿成分を安定的に共存させる技術の構築を目指しました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/36737/202/resize/d36737-202-192081-0.jpg ]

【製剤中に保湿成分を抱え込ませる技術をクレイに応用】


両者を共存させる技術としてαゲルという構造に着目しました。αゲルは層状の強力な構造体で、化粧品製剤に広く使われる技術です。製剤が安定化するだけでなく、その構造の中に油分やグリセリンなどの水性の保湿成分を多く抱え込むことができます。しかしながら、これまでクレイ製剤に応用し成功した例はありませんでした。
ゲル構成成分とクレイとの相性や配合バランスの設計を行い、安定性について検討しました。その結果、最適な原料構成を見出すことができ、クレイ配合製剤でありながらも、油分や水性の保湿成分を安定的にたくさん配合することが可能になりました(図1)。

【従来のクリーム洗顔料以上の保湿力を実現】 
次に今回開発したクレイ製剤について、洗浄後の保湿力を評価しました。その結果、高い保湿力をもつ既存の洗顔料と比べて同等以上の保湿効果を得られたことから、クレイ製剤の持つ高い洗浄力と保湿力が両立できたことが確認できました(補足資料2、図3)。
以上から、本クレイ製剤を使用すると、保湿成分により肌のうるおいを高めながら蓄積した汚れをすっきりと洗い上げることができるため、透明感のある明るい素肌に導くことができると期待されます。
ポーラ化成では今後も、機能性の高さだけでなく肌へのやさしさを両立することで、より一層安心して使用していただける化粧品の開発に取り組んでいきます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/36737/202/resize/d36737-202-773290-1.jpg ]


【補足資料1】 皮脂汚れの吸着性確認試験

人工的な皮脂汚れを用意し、クレイへの吸着性を確認しました。なお、より実際に近い皮脂汚れを再現するために、あらかじめ糖化させた人工皮脂を実験に使用しました。

図2のように、クレイは赤く着色した皮脂汚れをよく吸着することがわかります。


[画像3: https://prtimes.jp/i/36737/202/resize/d36737-202-592752-2.jpg ]

【補足資料2】 高保湿クリーム洗顔料との洗浄後の保湿力比較
αゲル構造の中に、油分や保湿成分とクレイが共存させた製剤について、洗浄後の保湿力を評価しました。

その結果、開発したαゲルクレイ製剤は、クリームタイプの中で特に優れた保湿力を持つ洗顔料(自社開発品)よりも高い保湿力を持つことが確認できました(図3)。

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