HIV/エイズ:新薬と「ウイルス量検査」の導入を阻む高コストの壁

PR TIMES / 2014年7月23日 14時17分



国境なき医師団(MSF)は、オーストラリアのメルボルンで開催中の「第20回国際エイズ会議」にあわせ、HIV/エイズ治療について2本の報告書を発表した。その中でMSFは、高コストの壁が、HIV/エイズの新薬および治療の効果測定に最適な「ウイルス量検査」の普及を阻んでいると指摘、治療をより多くの対象者に届け、治療のウイルス抑制効果を確実にするためには、必要な薬やツールにかかる費用を適正にし、各国が協力し合わなければならないと主張している。

「開発途上国では現在、約1200万人が抗レトロウイルス薬(ARV)治療を受けています。早期に治療を開始し、それを生涯にわたって継続する人が増えていますので、第1選択治療の負担軽減と、第1選択治療が効果を示さなかった場合に適正なコストで提供できる第2選択治療が必要です」。MSF必須医薬品キャンペーンのメディカル・ディレクターを務めるジェニファー・コーン医師はそう語る。

<ウイルス量検査>

最善のケアの実現には、治療を補完する追加的なツールも求められる。血中のHIVウイルス量を測定し、当該の患者の治療効果を把握する定期的なウイルス量のモニタリングもそのひとつだ。

コーン医師によると、ウイルス量測定でアドヒアランス(患者自身の能動的参加による服薬順守)問題についても早期の察知が可能だという。また、これをカウンセリングやその他の支援と組み合わせれば、第1選択治療をより適正な費用でより長期間継続する助けとなる。現行の治療が効かず、第2、第3の治療法に移行すべき患者も、ウイルス量測定によって、より適切かつ速やかに特定できるのだ。

<重いコスト負担>

報告書の1つ『検出不可域を目指して』は、インド、ケニア、マラウイ、南アフリカ、ジンバブエにおけるウイルス量測定の利用を記録。そこからわかることは、定期的なウイルス量測定の実践を熱望しながら、それを大規模に行える国がほとんどないという現状だ。報告書では、各国が負担する検査費用が、導入拡大を阻む特に大きな壁だと結論づけている。

同報告書ではさらに、ウイルス量検査導入のコストと手間を減らすために各国がとり得る施策として、価格交渉、機器購入の代わりとなるレンタル、普及はしているものの精度で劣るCD4リンパ球数測定の割愛、より効率的な検体採取技術の採用などを説明している。これらの施策は一部の国で成果を上げ、価格交渉によってウイルス量検査のコスト低下を実現。ケニアでは検査1回の費用が約10米ドル(約1014円)となった。しかし、資金拠出者には、さらに一歩踏み込み、ウイルス量測定が最も必要とされる地域への導入費用支援が望まれる。

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