「新書大賞2021」第1位は、斎藤幸平・著『人新世の「資本論」』(集英社新書)に決定。
PR TIMES / 2021年2月10日 15時45分
経済思想家・斎藤幸平氏が、歴代最年少で「新書大賞」を受賞!
斎藤幸平・著『人新世の「資本論」』が、「新書大賞2021」(中央公論新社主催)の第1位、大賞に輝きました。
[画像: https://prtimes.jp/i/11454/207/resize/d11454-207-210106-0.png ]
「新書大賞」は、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」に与えられる、名誉ある賞です。第14回にあたる「新書大賞2021」では、有識者、書店員、各出版社新書編集部による投票の結果、1300点以上の新書の中から斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書)が第1位の大賞に選出されました。
著者の斎藤幸平氏は、34歳の気鋭の経済思想家であり、国際的な賞「ドイッチャー記念賞」の最年少受賞者ですが、この新書大賞においても、歴代最年少の受賞となりました。
コモン型社会の構想に共感の嵐。
早くも20万部突破のベストセラー!
新書大賞に輝いたこれまでの作品は、第1回受賞作福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)をはじめ、多くの人の記憶に残る名著の歴史でもあります。昨年9月に刊行された本書も、あらたな社会=コモン型の社会の構想に対してSNSなどで共感の大きな輪が生まれ、また多くの識者も絶賛するなか、早くも20万部のベストセラーとなっています。
【『中央公論』3月号掲載の選評】
■提未果氏(国際ジャーナリスト)
「若いマルクス経済学者からの提言は、何よりも行間から情熱が伝染してきて元気が出る」
■橋爪大三郎氏 (社会学者)
「地球を食い尽くすクレージーな産業文明を、マルクスの資本論で解明するというアプローチがすばらしい」
■大澤真幸氏(社会学者)
「マルクスが書こうとしていたこと―しかし書かなかったこと―を再構築してみせる手並みは鮮やかで説得力がある」
■中島岳志氏(政治学者)
「本書が提起する『コモンズの復権』は、保守も同意するところだろう。マルクスをソ連からレスキューし、新たな地平を開こうとする姿に感銘を受けた」
■竹内洋氏(京都大学名誉教授)
「明確な問題意識と具体的な将来社会像の提示によって引っ張っていく筆力がすごい」
■野家啓一氏(東北大学名誉教授)
「人類的課題に正面から挑んだスリリングな力作である」
【内容紹介】
人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。
【著者紹介】
斎藤幸平(さいとう こうへい)
1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。
ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。
Karl Marx’s Ecosocialism: Capital, Nature, and the Unfinished Critique of Political Economy (邦訳『大洪水の前に』・堀之内出版)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。同書は世界六カ国で翻訳刊行されている。
日本国内では、晩期マルクスをめぐる先験的な研究に対して学術振興会賞受賞。NHK「100分de名著」の『資本論』シリーズの解説役でも話題を呼んだ。マルクス・ガブリエル、マイケル・ハートらとの対談集『未来への大分岐』(集英社新書)などもベストセラーに。
【書籍概要】
『人新世の「資本論」』斎藤幸平(集英社新書)
定価:本体1020円+税
ISBN:978-4-08-721135-1
なお、贈賞式および受賞記念講演会を3月に開催予定です。詳細は、中央公論新社によって近日中に発表されます。
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