世界初となるアンモニア焚き4万kW級ガスタービンシステムの開発に着手
PR TIMES / 2021年3月1日 17時45分
カーボンフリー発電のラインアップを拡充、2025年以降の実用化目指す
◆ アンモニア100%直接燃焼技術の確立により、燃料アンモニアのサプライチェーン構築に貢献
◆ 産業分野や離島などの中小規模発電所における脱炭素化メニューの提案も可能に
三菱パワーは、世界中で高まるエネルギーの脱炭素化に対する機運の高まりを受け、アンモニア(NH3)をガスタービン発電の燃料として100%直接利用する4万kW級ガスタービンシステムの開発に着手しました。アンモニアを専焼する本方式は、燃料の利用時に二酸化炭素(CO2)が発生しないことから発電におけるカーボンフリーを実現するものです。今後、燃焼試験などを経て2025年以降の実用化を目指します。この出力規模におけるアンモニア100%燃料を用いた直接燃焼ガスタービンの実用化は世界でも例がなく、産業分野や離島などといった中小規模の発電所における脱炭素化の推進に貢献することができます。
当社は、高効率な発電技術の開発による環境負荷軽減に取り組んでおり、火力発電の中で現在最もCO2排出量の少ないガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)の燃料を、天然ガスから燃焼時にCO2を排出しない水素に転換する技術の開発を進めてきました。また、アンモニア利活用の一環として、ガスタービンの排熱でアンモニアを水素と窒素に再変換し、水素ガスタービンへ適用するシステムの開発(注)を行ってきており、今回のアンモニア直接燃焼方式の開発によりカーボンフリー発電システムのラインアップをさらに拡充します。アンモニアの直接燃焼では、燃料中の窒素が燃焼により酸化することで発生する窒素酸化物(NOx)への対応が課題であり、世界で豊富な運転実績を有する当社のH-25形ガスタービン(出力:4万kW級)を対象に、NOx排出量を低減する燃焼器の開発と脱硝装置を組み合わせたガスタービンシステムの実用化を目指します。
水素と窒素の化合物であるアンモニアは、水素を効率良く運ぶことができる媒体(キャリア)の一つであり、かつ燃料として直接燃焼することも可能です。近年、水素社会への移行を通じたカーボンニュートラルの実現や、既存エネルギーの低環境負荷化などといった観点からアンモニアが注目され始めており、電力会社やIPP(独立系発電事業者)などの発電設備へ早期に導入することにより、将来のカーボンフリー燃料としての活用が期待されています。
三菱パワーは今後も、三菱重工グループが推進するエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)を担い、ガスタービン発電をはじめとする高効率で環境に優しいエネルギー創出システムの拡充・普及に力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していきます。
(注)国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「水素社会構築技術開発事業:JPNP14026」の一環として実施しているものです。
[画像: https://prtimes.jp/i/25611/208/resize/d25611-208-539421-0.jpg ]
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