【報道参考資料】ウクライナ東部・クリミア情勢 子ども向けホットラインに1,378件の相談 クリミアからは7,200人が避難
PR TIMES / 2014年5月8日 15時25分
※本信は、ユニセフ・ウクライナ事務所からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳
したものです
※原文をご入用の際は、広報室(後述)までお問い合わせください
(Ukraine Humanitarian Situation Report #8 30 April 2014)
【2014年4月30日 キエフ発】
■現地の様子
・東部での武力衝突と対立の激化を受け、4月24日、潘基文国連事務総長は憂慮の念
を表明
・ユニセフの緊急調査で、東部の若者と子どもが精神面で影響を受けていることが
明らかに
・緊張が高まっている場所では、今後、教育に更なる影響が出る懸念も
・クリミアの出入り口に設けられた検問所の前には長蛇の列、時に7~10キロに
なることも
・クリミアから避難してきた人たちの一部には、仮または定住用の住居を探す動き
・クリミアから避難してきた人たちは、7,200人と増加中(UNHCR 4月29日付)
・クリミアからの避難民が最も多いのは西部のリビフ州だが、収容限度を迎えつつあり、
今後の受け入れには消極的
・インフレで日用品の物価が上がる一方、政府による社会支出が減少し、生活に影響
・定期的な予防接種の実施率が、近年の中で極めて低くなっている
・今後もアクセス、リソースの面から厳しい状況が続くとみられているが、ユニセフは
ウクライナ政府に予防接種の優先度を上げるように働きかけている。特に1歳未満の
子どもでポリオ予防接種を3回受けている子どもの割合が50%以下となっており、
国際的にポリオの感染数が急増している中、懸念される状況に
・ユニセフ・ウクライナ事務所は、現在の状況は国際人道危機といえないものの、
明らかに子どもに影響を及ぼしている点を憂慮
■ユニセフの取り組み
<人道支援ニーズ>
・ユニセフは、南部と西部に新たに避難してきた人たち、特に子どもの状況把握を担う
・ビニンツァでは、就学前・就学期のタタール系のクリミア避難民の子どもたちの、
避難先での教育を含む状況(学習のみならず、子どもの居場所を含めた教育)が問題
との報告
・一部では、避難している家族が地元社会の一部の人から差別を受けているとの報告
・大多数の避難民にとって、地域によって手続きなどが違うことから、社会福祉を
受けることが問題に
・避難者は現在、避難先の自治体のサナトリウム(療養所)や夏のキャンプ施設に身を
寄せているが、施設の明け渡しが最大の課題に
(現在は避難先の自治体などが費用を負担)
・東部ドネツク州では一部の学校が閉鎖されており、スラビャンスクでは学校が
開いていても、保護者が登校をためらい、出席率が低い状況
<ユニセフの取り組み>
・国内各地に避難している人たちの状況把握を行い、とりまとめる
・子どもたちの心のケアのニーズを把握するため、ドネツク州で200人の子どもたちを
対象に個別・グループインタビューを実施予定
・ユニセフは子ども向けのホットラインを支援し、ウクライナ全土から1,378件の相談を
受ける
・相談内容を分析すると、ストレスと不安が見られ、テレビやメディアで報道される
暴力行為が増えていることへの懸念もうかがえる
・ユニセフは、ビンニツァ州のNGOと子ども78人、女性70人への個別・集団カウンセリング
を実施
・避難世帯向けに、衛生用品や生活必需品を収めたキットや就学前の子どもたちの
おもちゃなどを詰め合わせたキットを送付
■数字で見る概況
・ドネツク州の18歳未満の子どもの数 66万2,245人
・ハルキフ州の18歳未満の子どもの数 41万6,442人
・ルフハンスク州の18歳未満の子どもの数 33万4,455人
・東部3州の18歳未満の子どもの数 141万3,142人
・クリミアの18歳未満の子どもの数 34万4,263人
■ユニセフ・ウクライナ事務所 SNSなどのアカウント
Facebook : http://www.facebook.com/unicef.ukraine Twitter : @unicef_ua
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Ruediger Luchmann, Deputy Representative,
Tel: (+ 380-44) 5210125, 254 2439, (+380-44) 230-2514 ext.119,rluchmann@unicef.org
5 Klovsky Uzviz, 01021 Kyiv, Ukraine, www.unicef.org.ua
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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