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AI で植物細胞構造をバーチャルに染色し、高精度に解析する新手法を確立

PR TIMES / 2025年1月31日 18時45分



[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/124365/211/124365-211-e5b1c9ef6070ff471bf0e9cbbfbdfe05-540x304.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


- 深層学習によるバーチャル染色法により、明視野顕微鏡画像からラベルフリーで植物細胞の形態や状態を高精度に解析する技術を確立しました。
- 従来の蛍光染色を用いる手法に比べて、非侵襲的な細胞解析が可能であり、動画像解析や高スループット解析に適しています。
- 本技術は、タバコ培養細胞やシロイヌナズナの葉表皮細胞、さらにはオオカナダモの葉緑体の動態解析などに応用され、多様な植物細胞研究における有用性を実証しました。

(概要説明)
熊本大学大学院自然科学研究部博士前期課程2年の市田まなみ大学院生、理学部4年の山道明奈大学生(当時)、大学院先端科学研究部の檜垣匠教授は、深層学習モデルを活用して植物細胞構造をバーチャルに染色する技術を確立しました。この技術により、従来必要とされていた蛍光染色を行わずに明視野顕微鏡画像のみから植物細胞構造の特異的な可視化と分析が可能になりました。研究チームは、タバコの培養細胞を対象に、細胞膜や核などの細胞構造を深層学習モデルによってバーチャルに可視化することに成功しました。また、バーチャル染色した画像を用いて、シロイヌナズナの葉表皮細胞の形態、葉緑体の動態、細胞生死判定などの様々な解析を行い、本技術の多様な応用可能性を確認しました。特に、葉緑体の動態を時間経過観察で高精度に追跡できる点や、生細胞と死細胞を正確に分類できる点が注目されます。

本研究の成果は、バーチャル染色法が蛍光染色の課題である光毒性や蛍光退色を克服しつつ、細胞生物学研究において非侵襲的かつ効率的な解析を可能にする新たな手法としての可能性を拓くものです。
本研究成果は令和7 年1 月31 日、科学雑誌「Plant Molecular Biology」に掲載されました。本研究は日本学術振興会科研費、科学技術振興機構 CREST、および熊本大学国際先端科学技術研究機構 Research Cluster Digital Plant Cell Biologyの支援を受けて実施されました。

[今後の展開]
本技術は、植物細胞生物学における顕微鏡解析の新たな手法として、多様な細胞種や研究テーマへの幅広い応用が期待されます。特に、蛍光染色が困難なサンプルや動的な細胞現象の解析においても有効であり、細胞生物学や分子農学の分野において、新たな知見の創出と研究の発展が大いに促進されることが期待されます。

(論文情報)
論文名:Virtual staining from bright-field microscopy for label-free quantitative
analysis of plant cell structures
著者:Manami Ichita, Haruna Yamamichi, and Takumi Higaki* (*責任著者)
掲載誌:Plant Molecular Biology
doi:10.1007/s11103-025-01558-w
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s11103-025-01558-w

▼プレスリリース全文はこちら
https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20250131

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