再生可能エネルギーを使ったグリーンアンモニアの製造試験に成功
PR TIMES / 2024年11月8日 14時15分
グリーン水素を用いてアンモニアを製造するPower-to-X技術の開発を目指す
IHIは,再生可能エネルギー(以下,再エネ)由来のグリーン水素を原料としてCO2フリーのアンモニアを製造する装置を開発しました。このたび,そうまIHIグリーンエネルギーセンター(福島県相馬市,以下「SIGC」)(*1)内の水素研究棟「そうまラボ」で小型スケールでの試験を実施し,目標とした効率でグリーンアンモニアを製造できることを確認しました。
現在,アンモニアは天然ガスを改質して製造した水素と空気中の窒素をもとに製造されており,その製造過程では天然ガス由来のCO2が排出されています。カーボンニュートラル社会の実現のためには燃料の脱炭素(*2)が必要であり,この実現にはCO2が排出されないグリーンアンモニアの製造法の開発が不可欠です。再エネを利用しやすいエネルギーに変換するPower-to-X技術を用いたグリーンアンモニア製造は,CO2を排出しないアンモニア製造方法として期待されています。
IHIでは,負荷変動のある再エネの電気を熱や水素に変換し,効率良くエネルギーを利用するPower-to-X技術の確立を進めています。これまでに再エネから変換した熱を使い,相馬市下水処理場の汚泥を乾燥し減容化・肥料化したり,水電解装置を用いて製造した水素とCO2から合成メタンを製造し地域コミュニティバスへ燃料を供給(*3)したりといった実証事業に取り組んできました。このたび,そうまラボ内に,Power-to-X技術を用いたグリーンアンモニア製造試験装置(*4)を設置し,水素製造からアンモニア合成までの一連のプロセスを検証するための試験により,目標としていた効率でアンモニアが製造できることを確認しました。
今後さらに試験を続け,製造プラントの運転条件の最適化や反応器データの取得などを行い,プロセス全体の検証を進めていきます。グリーンアンモニア製造手法の一つとして,Power-to-Xを使った本技術も早期の大型化・商用化を目指し研究開発を加速してまいります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89117/215/89117-215-623d21df51d1f6168d8cb68e1ae574d1-1022x557.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1. グリーンアンモニア製造試験装置 反応器
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89117/215/89117-215-b28d8359511b1d14c5237a5e7592e1f0-2305x2031.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. Power-to-X技術によるエネルギー変換
(*1) そうまIHIグリーンエネルギーセンターについて
所在地:福島県相馬市光陽 2-1-1,敷地面積:54,000平方メートル
事業内容:2018年4月に開所し,持続性のある地産地消型スマートコミュニティ事業により「水素を活用したCO2フリーの循環型地域社会創り」を実践。
2020年に開所した「そうまラボ」では,水素利用の先進技術開発拠点として,余剰電力で製造した水素を使用し,将来の水素社会を見据えた水素利用・エネルギーキャリア転換技術研究・実証試験等を実施。
SIGC開所:https://www.ihi.co.jp/all_news/2018/other/1190445_1626.html
そうまラボ開所:https://www.ihi.co.jp/all_news/2020/other/1196903_1611.html
(*2) 燃料の脱炭素
アンモニアの燃料利用 | 気候変動への対策 | 環境 | サステナビリティ | 株式会社IHI
https://www.ihi.co.jp/sustainable/environmental/climatechange/ammonia_energy/
(*3) 合成メタンによる地域コミュニティバスへの燃料供給
国内初 メタンバスへ再エネ利用のe-methane(合成メタン)を供給開始 | 2022年度 | ニュース | 株式会社IHI
https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/other/1198153_3483.html
(*4) グリーンアンモニア製造試験装置
原料ガス 水素,窒素,圧力 20MPa,触媒 Fe系触媒,アンモニア製造量 1kg/日
【関連論文】
IHI技報 第61巻 第2号(2021年)
水素活用型分散型エネルギーシステムの開発
https://www.ihi.co.jp/en/technology/sdgs/topic01/pdf/12.pdf
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
日立が東邦ガスと、環境省の公募事業「令和6年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業」に採択され、フィジビリティスタディを開始
PR TIMES / 2024年11月18日 12時45分
-
シンガポール科学技術研究庁とCO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)商用化加速に向けたMoUに調印
PR TIMES / 2024年11月5日 12時45分
-
株式会社IHIプラントとコスモエンジニアリング株式会社が受入・貯蔵事業に関する協業基本合意書を締結
PR TIMES / 2024年11月1日 17時40分
-
北海道電力と共同で取り組む苫東厚真発電所における大規模CO2分離・回収の実施に向けた設備検討業務を受託
PR TIMES / 2024年10月31日 16時45分
-
【JPIセミナー】「カーボンニュートラルのためのCO2を原料とした燃料と化学品製造技術について」11月20日(水)開催
PR TIMES / 2024年10月25日 16時45分
ランキング
-
1為替相場 22日(日本時間 7時)
共同通信 / 2024年11月22日 7時0分
-
2食用コオロギ会社、破産へ 徳島、消費者の忌避感強く
共同通信 / 2024年11月22日 1時18分
-
3「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 6時15分
-
4クリスマスケーキに異変…『卵』の価格高騰止まらず 夏の猛暑の影響で今後は鳥インフルエンザによる卵不足の恐れも
東海テレビ / 2024年11月21日 21時22分
-
5さすがに価格が安すぎた? 『ニトリ』外食事業をわずか3年8カ月で撤退の原因を担当者に直撃「さまざまな取り組みを実施しましたが…」
集英社オンライン / 2024年11月21日 16時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください