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コンゴ民主共和国:1年前に拉致された看護師が生還――3人依然不明

PR TIMES / 2014年9月2日 16時48分



コンゴ民主共和国の北キブ州で拉致されていた国境なき医師団(MSF)のスタッフ4人のうち1人が8月29日、無事に生還を果たした。拉致事件の発生からは13ヶ月余りが経過したが、残る3人の消息は依然不明だ。MSFは引き続き人員を投入し、国内と周辺国で残る3人の足跡を追い、各方面に有力情報の提供と、捜索への支援を呼び掛けている。

<無事の一報に安堵>

今回無事が確認されたのは看護師のシャンタル・カゴマ・ブリンゾレ。他の3人、フィリップ、リチャード、ロミーの行方は今もわかっていない。4人が拉致されたのは2013年7月11日。当時、武装勢力「民主同盟軍(ADF)」と「ウガンダ解放国民軍(NALU)」の連合が同国のカマンゴ地域を襲撃していた。北キブ州ゴマ出身のシャンタルが所属していた緊急対応チームはベニ地域の医療施設の調査中に消息を絶っていた。

厳しい状況の中で13ヵ月余りも拘束されていたシャンタルは、やぶ地で展開された政府軍の対ADF-NALU軍事作戦に乗じて脱出。政府軍のもとにたどり着いた。保護されたシャンタルは衰弱し、やせ細っていたが、軍によって無事ベニに搬送された。生還の知らせに、家族、友人、MSFの同僚は歓喜に包まれた。

<残る3人の手がかりなく>

「シャンタルはほかの3人とはぐれ、脱出時点では連絡もとれなかったようです。武装勢力は敗走し、おそらく組織を維持できなくなっているでしょう」。パリを拠点とするMSF危機対策チームのコーディネター、ブノワ・ルデュックはそう解説する。

これまで手がかりが浮かんでは消える中で、3人の生存確認も、拘束の実行犯との直接の連絡も果たせていない。ルデュックは「人びとは協力的ですが、一歩前進かと思うたびに、情報筋から突然、捜索の行き詰まりを知らされるのです。拉致被害者の解放に影響力のありそうな筋からも背を向けられてしまいます」と述べている。

MSFは、すべての拉致被害者の命が救われ、家族らの心痛が和らぐよう、引き続き支援を募るとともに、拘束の実行犯には速やかな解放を求める。MSFフランス会長のメゴ・テルジアンは「シャンテルの生還に皆大いに安堵しています。そして残る3人のことは常に心に留め置き、無事の帰還を信じています」と話している。

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