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ベイジアンブートストラップ法を用いて官能試験結果から消費者ブラインド・ユーズ・テスト結果を予測 ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンの新研究

PR TIMES / 2024年12月5日 14時15分

世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本における研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーション ジャパン(研究所:神奈川県川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル、以下R&Iジャパン)のエバリュエーションインテリジェンス部に所属するアーロン・ピングによる「ベイジアンブートストラップ法を用いた官能試験結果による消費者ブラインド・ユーズ・テスト結果の予測」と題する論文が、2024年11月14日、国際的な科学誌Frontiers in Analytical Science 誌に掲載されました。

化粧品の新しい処方は製品開発プロセスにおいて様々な方法で評価され、より優れた処方が市場に出荷されることになります。その最終過程において、新しい処方を専門家が感覚的手法を用いて評価し(官能評価)、そこで選ばれた処方が無作為に集めた消費者を対象とするブラインド・ユーズ・テスト(BUT)*で評価を受けるということが行われます。

本研究は、ベイジアンブートストラップ法**を用いて、官能評価(データ数400件)の結果からロレアル リサーチ&イノベーションが2018年から2021年に中国とスペインで行ったBUT(データ数4980件)の結果を予測し、その妥当性について検証したものです。BUTの評価項目「皮膚が呼吸する感じがする」を官能評価項目「滑らかさ」「浸透する感じ」「脂っぽさ」から予測したブートストラップの結果(データ数6300)は、それまでの平均値を用いて予測された結果よりも精度が高く、また統計的に有意であることが示されました。

このブートストラップを用いるアプローチは、サンプルサイズが小さいことに伴うリスクを軽減するだけでなく、基礎となるデータの豊富さを活用し、例えば費用のかかるBUTにかける処方を絞ることができるなど、より多くの情報に基づいた効率的な製品開発サイクルへと導くことになると考えられます。

[注]
*ブラインド・ユーステスト(BUT):無作為に集めた消費者に製品を実際に一定期間使用してもらい、その性能、感触、使用感などについて評価を得る際に、ブランドなど製品の属性を秘匿(ブラインド)して行う方法
**ベイジアンブートストラップ法:少ないデータからのリサンプリングを、重複を許して繰り返し行ない、推定された統計値の信頼性評価を行うシミュレーション

[出典]
Ping, A., “Predicting blind-use test (BUT) results from sensory testing using Bayesian bootstrapping”, DOI:10.3389.frans 2024 1414039

ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパン
日本における研究開発は 1983 年にスタートし、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。数ある外資系化粧品企業においても、もっとも歴史ある研究開発部門であり、いち早く日本の文化、歴史、社会を深く理解し、200 名以上の研究員が、ラグジュアリーブランドをはじめ、グループの各ブランドおよび様々なカテゴリーの製品開発を行っています。代表的なブランドはランコム、シュウ ウエムラ、キールズ、イヴ・サンローラン、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨーク、TAKAMIなど。
https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation

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