コロナ前後で若手の就労意識に変化 転職志向・私生活重視がより顕著に【若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2024より】
PR TIMES / 2024年12月6日 18時45分
報告書はWEB上で全文公開しております
一般社団法人日本経営協会(本部事務局:東京都渋谷区 会長:高原 豪久)は、2024年7月3日~7月6日の期間、就職3年前後の正規雇用者約700名を対象とした定点調査(3回目、前回調査2019年)を実施し、『若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2024』を刊行いたしました。本調査は公益目的事業として実施し、報告書全文をウェブ上で公開しております。
全文はこちら: https://www.noma.or.jp/report/tabid/239/Default.aspx
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調査結果 ダイジェスト
■入社動機TOP3は「やりたい仕事ができる」「安定感」「給与・福利厚生の良さ」
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「最初に入社(職)した企業(団体)を選んだ理由」で最も多かったのは「自分のやりたい仕事ができると思ったから(30.1%)」、2位は「安定感があると思ったから(23.2%)」、3位は「給与・福利厚生が良いと思ったから(22.3%)」となったが、いずれも前回調査から割合は減少している。
一方で5位「自分の能力や専門性を伸ばすことができると思ったから」、6位「ワーク・ライフ・バランス(仕事と私生活のバランス)が良いと思ったから」は順位を上げている。
■「定年まで」1位⇒4位に 勤続意識は大きく変化
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今の企業(団体)でいつまで働き続けたいと考えるか質問した。
「次の就職先が見つかるまで(27.0%)」、「ライフイベント(結婚、出産など)にあわせて(25.3%)」、「転職できるだけの実力(スキル・キャリア・人脈)がつくまで(22.3%)」と続く。
「定年まで(18.7%)」は10.2 ポイント減少して、前回1位→4 位となっている。
今回1位の「次の就職先が見つかるまで」、2 位の「ライフイベント(結婚、出産など)にあわせて」は過去2 回の調査から順位が上がった。
■入社後に遅れていると感じたものは「職場のデジタル化」 社員のITリテラシーの低さも指摘
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「最初に入社(職)した企業(団体)で遅れていると感じたもの」で最も多かったのが、「職場のデジタル化(36.4%)」、2位は「働く場所の柔軟性(テレワークなど)(19.2%)」、3位は「働く時間の柔軟性(フレックスタイムなど)(17.3%)」となった。
社(職)員の「ITリテラシー」の低さに関する意見もみられた。Z世代と言われる現在の若手社(職)員は、デジタルネイティブであり、物心ついた頃から活用しているため、職場の遅れを強く感じていると考えられる。
■「昇進したくない」は6割手前まで増加 コロナ前後で大きく変化
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「現在勤務している企業(団体)で、どの役職まで昇進(昇任)したいか」で最も多かったのが「昇進(昇任)したくない」58.4%で、前回調査より15.8ポイント増加した。性別では、女性の「昇進(昇任)したくない」は65.6%で、女性の昇進(昇任)意欲は男性(42.2%)に比べて低く、管理職以上を目指したい女性は約1割にとどまった。
「なぜしたくないのか(昇進(昇任)しないことで目指すこと)」については、「自由な時間を多く持つこと(54.6%)」、「周囲を気にせずにマイペースで働くこと(35.8%)」、「責任を負わないこと(29.6%)」、「プライベートでやりたいことを極めること(25.0%)」と続く。ワーク・ライフ・バランスを重視する意識の高まりが見て取れる結果となった。
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■理想の職場は「人間関係や雰囲気がよい」、理想の上司は「親しみやすく話をよく聞いてくれる」 「暗黙の了解」「阿吽の呼吸」は通用しない時代に
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「若手社(職)員が職場に求めるもの、重視すること」は、前回調査と変わらず「人間関係や雰囲気がよい」が1位であったが、前回より大幅にポイントを下げた。一方で3位の「仕事のルールや決め事が明確になっている」(24.3%)は前回(7位)から順位を大きく上げた。
若手社(職)員は職場の人間関係を重視しており、特に上司や先輩が親切で、自分の成長を支援してくれて、しかも意見が言いやすいという職場を望んでいるようである。また、仕事のルールや決め事が明確になっていることを求めることから、フェアであること、合理的なことを求める傾向が感じられる。上司は、暗黙の了解、阿吽の呼吸といったあいまいな仕事の進め方はもはや通用しないことを改めて認識する必要がある。
また「若手社(職)員が理想とする上司」は、「親しみやすく話をよく聞いてくれる(44.5%)」、「人間として尊敬できる(37.2%)」、「困ったときに助けてくれる(34.1%)」と続く。
リーダーシップや厳しさより、親しみやすさや面倒見の良さを求めている。また、「人間として尊敬できる」「感情的にならない」が上位にきており、パワーハラスメントをはじめとするハラスメントへの拒否感が伺える。
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■活用したい制度は「テレワーク」が大きく順位を上げる
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若手社(職)員の働き方改革に対する意識を探るために、活用したい制度を選択してもらった。
1位は前回と同じ「産休・育休制度(32.7%)」で、2位の「テレワーク制度(28.1%)」であった。テレワーク制度は新型コロナウィルスの感染予防対策として、大学のオンライン授業導入や企業(団体)での導入が進んだこともあり、前回7 位から大きく上がった。
なお、「どれも活用したいとは思わない」が前回より15.0ポイント増加して23.6%となっており、「テレワーク制度」を除いて全体的に活用したい比率が前回より低下している。
■仕事重視は2割を切る ワーク・ライフ・バランスの理想は「私生活重視」が優勢
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若手社(職)員のワーク・ライフ・バランス(仕事と私生活のバランス)の理想の結果は、「仕事重視(仕事8:私生活2程度またはそれ以上仕事を重視)」、「どちらかといえば仕事重視(仕事6~7:私生活3~4)」の合計比率が18.4%であるのに対して、「私生活重視(仕事2:私生活8程度またはそれ以上私生活を重視)」、「どちらかといえば私生活重視(仕事3~4:私生活6~7)」の合計比率は44.4%であった。
なお、「どちらも同じくらいのバランス(仕事5:私生活5)」は24.7%となった。
■自信がある能力は1位「傾聴力」
経済産業省の提唱する「社会人基礎力」に「語学力」を加えた13の能力について、どの程度自信があるかを調査した。社会人基礎力の概要は下図のとおりである。
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若手社(職)員が特に自信がある能力(「大いに自信がある」+「まあまあ自信がある」)は「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」であり、いずれもチームで働く力に分類される。上司や先輩の話をよく聞き、組織のルールを守り、周囲の情況に合わせて柔軟に対応するというフォロワーシップの高さが感じられる。
前に踏み出す力は、「実行力」は比較的高いが「主体性」「働きかけ力」はやや劣った。与えられた仕事は実行できるが、自ら行動したり周囲に働きかけることは自信がない人が多いと予測する。
考え抜く力では、「計画力」は比較的高いが「課題発見力」「創造力」は低い。計画的に業務を遂行することはある程度自信があるが、創造力を働かせて新たな課題の解決に取り組む力は不足している。
自信がない項目は、「創造力」「発信力」「語学力」である。この傾向は前回の調査結果と変わっていない。
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■自己啓発は二極化の50:50 オンライン学習が人気急上昇
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自⼰啓発のために行っていることについては、「資格取得、検定合格を目指して勉強している(15.7%)」、「e ラーニングで学習している(14.2%)」、「専門書で学習している(12.8%)」、「研修や勉強会に参加している(9.8%)」、「インターネットで職業能力の向上につながるホームページを検索し読んでいる(8.8%)」と続いている。
「e ラーニングで学習している」は前回5 位から2 位に順位が上がっている。前回調査は2019 年なので、コロナ禍を経てオンラインでの学習が一般に浸透したことの表れである。
一方、「能力を高めることについては考えているが、何も行っていない」「能力を高めることについて考えたことはなく、何も行っていない」を合わせると、50.5%が何も行っていないと回答している。前回よりも「能力を高めることについて考えたことはなく、何も行っていない」の比率が19.4 ポイント増加している。自己啓発は主体的に行うものとはいえ、企業(団体)も学び続ける意識の醸成に努めたり、学びの機会を与えたり、精神的・時間的余裕を持てるよう就労環境を整備することで、若手社(職)員の成長が期待できるだろう。
調査結果全文は、下記ホームページにて公開しております。
https://www.noma.or.jp/report/tabid/239/Default.aspx
※無断転載・引用は禁止しております。ご希望の場合は下記「お問合せ先」連絡先までご連絡お願いいたします。
調査概要
調査手法:インターネット
調査期間:2024年 7 月 3 日 ~ 7 月 6 日
調査対象者:大学・大学院・専門学校等を卒業し初めて就職して2年半~3年半経過した現在正規雇用者として働いている方
有効回答:712人
※回答者プロフィール
・平均年齢:「25.6歳」
・性別比率:「男性3:女性7」
・主要な勤務先業種:「医療・福祉(25.6%)」「サービス業(14.9%)」「製造業(14.0%)」
・主要な職種:「事務職(28.8%)」「技術職(21.9%)」「サービス(16.0%)」
引用・転載について
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