サムスングループ元会長・李健煕の言葉を読み解く
PR TIMES / 2021年4月23日 12時0分
世界的電子製品メーカーはいかにして成長を遂げたのかーーデジタル時代をリードするビジネス哲学とは
[画像: https://prtimes.jp/i/14531/235/resize/d14531-235-512027-0.jpg ]
昨年10月に逝去した韓国最大の財閥企業サムスングループの二代目会長、故・李健煕氏は、1987年に創業者である父の逝去を受け、サムスン(当初は三星)グループ会長に就任。グループ主要会社のサムスン電子を、半導体やスマートフォンのジャンルで世界的なシェアを誇るグローバル企業に成長させた人物です。
多くの日本人が知らないことですが、衰退著しい日本の電機メーカーとは対照的に、サムスンは2000年代以降著しく成長を遂げ、いまやパナソニックとソニーの売り上げを足してもサムスンに及ばないのが実情です。韓国の一企業に過ぎなかったサムスンが、なぜ、ここまでグローバルな成長を遂げたのか。韓国で刊行され、この度日本語版が出版された書籍『サムスングループ 李健煕の言葉』から、その革新的な経営戦略やビジネス哲学を読み解くことができます。同書からいくつか李健煕氏の言葉を紹介しましょう。
「デザインが勝負を決める」(1993年)
「国民全員が無線端末を持つ時代が訪れる」(1995年)
「二十一世紀は知的資産が企業価値を決める」(1996年)
李健煕は1990年代に、21世紀がデジタル時代になることを確信し、携帯電話やスマートフォンの開発に力を注ぎました。当時から「デザインのようなソフトウェア的な創造力が、企業の大切な資産であり、21世紀の企業経営の決定的な武器になる」と、物を売るだけではなく、デザインの重要性についても説いていました。そして現在、サムスンのスマートフォン「Galaxy(ギャラクシー)」シリーズは世界シェア第1位を誇り、アップルの「iPhone」のシェアを抜いています。
「半導体事業は我が民族の才能と特性にぴったりの業種だ」(1997年)
この発言から20年余り過ぎた現在、サムスン電子の半導体の売り上げシェアはインテルに次ぐ世界第2位を誇っています。1997年当時、「箸文化圏のため手先が器用であり、靴を脱いで生活するなど、住生活において清潔さをきわめて重視する。このような文化が半導体生産にとても適している」と語り、様々なチャレンジを惜しまなかった結果が、現在の成功につながっているのです。
「働く場所は会社だけではない」(1993年)
「タイムカードなんて押さなくていい。タイムカードなんてなくしてしまえ。家でもど、どこでも、考えさえすればいい」と、1993年の時点で語っていた李健煕。まさに今のテレワーク、ワーケーションを予言しているかのようです。
「過去の成功は忘れなさい」(2013年)
「時代遅れのものは、ためらうことなく捨てろ」(2014年)
21世紀に入り、グループが韓国一の巨大財閥に成長を遂げても、李健煕は「挑戦して、新たな成長の道を切り開く、未来を担う新事業を見出さなければならない」「変化の主導権を握るために、市場と技術の限界を突破しよう」と語り続けます。そして「自由に想像し、思う存分、挑戦しよう」と、次世代へメッセージを託しました。
書籍『サムスングループ 李健煕の言葉』は、李健煕の発言、語録をまとめた書籍『李健煕の言葉(原題)』(韓国、スターブックス社刊)を、日本語版として翻訳編集したものです。
●書誌情報
書名 『サムスングループ 李健煕の言葉』
著者 [編著]ミン・ユンギ [訳]チョン・ウンスク
体裁 四六判・224p
定価 1650円(税込)
発売 2021年4月 23日(金)
発行 双葉社
https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-31615-5.html?c=30597&o=&
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