早稲田大学演劇博物館と凸版印刷、高精細画像を活用したアニメーションコンテンツを制作
PR TIMES / 2019年6月14日 14時40分
共同研究の一環として縦4メートル、横17メートルの河鍋暁斎画「新富座妖怪引幕」高精細アーカイブデータを用いたコンテンツを制作。6月29日にロンドンで初公開
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(所在地:東京都新宿区、館長:岡室美奈子、以下 演劇博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、演劇博物館が所蔵する縦4メートル、横17メートルの河鍋暁斎(かわなべきょうさい)※1画「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく 以下、妖怪引幕)」を高精細にデジタル化し、そのデータを用いて文化財利活用の共同研究としてデジタルコンテンツを制作しました。本コンテンツは、大英博物館(所在地:英国ロンドン)のマンガ展「Manga」※2に妖怪引幕が展示されていることに連動してジャパン・ハウス ロンドン(所在地:英国ロンドン)※3で開催されるシンポジウムにて公開されます。
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=Pk_nshVf15o&feature=youtu.be ]
[画像1: https://prtimes.jp/i/33034/236/resize/d33034-236-418835-0.jpg ]
妖怪引幕は、幕末から明治時代の戯作者である仮名垣魯文(かながきろぶん)※4の依頼で河鍋暁斎が五代目尾上菊五郎や9代目市川団十郎など明治期に活躍した歌舞伎役者を妖怪に見立てて描いたもので、縦4メートル、横17メートルの巨大な作品です。この妖怪引幕を凸版印刷が独自の手法により、94億画素の高精細デジタルデータを取得。このデジタルデータを用いて、アニメーションとビュワー型コンテンツを制作しました。アニメーションでは、描かれた妖怪たちが動き出し、河鍋暁斎が描いた世界を表現します。また、ビュワー型コンテンツでは、拡大・縮小しながら妖怪引幕を細部にわたって鑑賞したり、妖怪に描かれた歌舞伎役者を写真や役者絵と比較したりするなどして、妖怪引幕の魅力をお楽しみいただけます。
演劇博物館と凸版印刷は、今後も高精細アーカイブデータを活用したイベント開催など、文化財の利活用を進めていきます。
■ 「妖怪引幕」コンテンツについて
・「妖怪引幕」を419分割して撮影し、94億画素の高精細デジタルアーカイブ
「妖怪引幕」は縦4メートル、横17メートルの大きさの作品で、全体を広げて撮影することは困難です。今回、本引幕のデジタルアーカイブを行うにあたり、スタジオ内に特別なセットを設置。高精細デジタルカメラを用いて419分割して撮影し、巨大な作品を94億画素におよぶ高精細にデジタル化を行いました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/33034/236/resize/d33034-236-390434-1.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/33034/236/resize/d33034-236-115736-2.jpg ]
・アニメーションによる世界観の再現
9代目市川團十郎と5代目尾上菊五郎を先頭に左右に向き合うように描かれている妖怪たちが、対決する様子をアニメーションで表現しています。最後に新富座内部を描いた浮世絵と組み合わせることで、引幕が使用されていた当時の様子を再現するシーンがあります。
[画像4: https://prtimes.jp/i/33034/236/resize/d33034-236-767930-3.jpg ]
・タブレット向けビュワー型コンテンツ
高精細にアーカイブした「妖怪引幕」のデジタルデータをタブレットで操作しながら、拡大・縮小ができるほか、妖怪に描かれている歌舞伎俳優を特定し、その俳優の写真を比較してみることが出来るなど、デジタルならではの楽しみ方ができるコンテンツです。また展示状況に合わせて、実寸大の表示をすることも可能です。
[画像5: https://prtimes.jp/i/33034/236/resize/d33034-236-606521-4.jpg ]
■ 河鍋暁斎筆「新富座妖怪引幕」について
「新富座妖怪引幕」は、幕末から明治期の戯作者 仮名垣魯文が明治時代前期に東京を代表する劇場であった「新富座」に贈った引幕。明治13年(1880)6月30日に、魯文の友人である河鍋暁斎が、酒を楽しみながら4時間で書き上げたといわれています。当時の歌舞伎界を代表する9代目市川団十郎や5代目尾上菊五郎をはじめとする人気歌舞伎役者たちをモデルとした妖怪が、葛籠(つづら)からぞろぞろと飛び出して新富座の客席へと繰り出す趣向が描かれています。個性溢れる絵師暁斎の作品として、引幕が保存された稀有な例です。
※1 河鍋暁斎について
現在の茨城県古河市生まれ、江戸にて歌川国芳と狩野派に学ぶ。幕末から明治にかけて浮世絵師、日本画家として活躍、書画会での即興的制作から内国勧業博覧会出品「枯木寒鴉図」、大作「新富座妖怪引幕」まで幅広い作風で人気を博した。
※2大英博物館マンガ展
日本の漫画の歴史を原画とともに紹介する展覧会「マンガ展」が、イギリス・ロンドンの大英博物館にて2019年5月23日(木)から8月26日(月)まで開催中です。日本国外での漫画展としては世界最大規模といわれるこの展覧会に、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館が「河鍋暁斎画 新富座妖怪引幕」を出品しています。 この縦4m、横17mという巨大な引幕は、会場の壁一面に展示されており、来場者に強い印象を与えています。
※3 ジャパン・ハウス ロンドン
外務省が設置した日本を総合的に発信する海外拠点。ロンドンの目抜き通りケンジントンストリートに誕生。ギャラリーやシアター、セレクトショップ、レストラン、ライブラリーを備えた複合的な文化・商業施設として、日本文化を身体で感じ、消費欲求を喚起させる活動を展開。空間設計はインテリアデザイナーの片山正通氏。
※4仮名垣魯文について
江戸京橋に生まれ、幕末から明治にかけて戯作者・新聞記者として活躍、明治の世相、風俗を描いた「西洋道中膝栗毛」「安愚楽鍋」で人気を博し後にジャーナリズムの路へ進み「仮名読新聞」「いろは新聞」を創刊。明治13年、挿絵依頼などで親交のあった河鍋暁斎に制作を依頼し新富座に引幕を贈る。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
笑える浮世絵70点、川崎のギャラリー…外国人をデフォルメ・歌川広重作「変顔」も
読売新聞 / 2024年5月9日 18時8分
-
モフモフ系ワンコぬいや地獄図ステッカーも…! 東京駅エリアで絶対欲しい美術館グッズ
ananweb / 2024年5月5日 9時0分
-
市川左團次さん追善演目で主人公務めた長男・男女蔵に尾上菊五郎「お父つぁんにだいぶ似て…」
日刊スポーツ / 2024年5月3日 5時30分
-
尾上菊五郎「お父つぁんにだいぶ似てきましたね」市川左團次さん追善演目でしのぶ
日刊スポーツ / 2024年5月2日 19時31分
-
箱崎みどりアナウンサーおすすめ!GW展覧会 ~美術館が動物園に? 今日、観に行きたい展覧会3選
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月29日 12時55分
ランキング
-
1朝ドラ登場の食堂モデル、岐阜の五平餅店が閉店へ…「寂しい」全国から名残惜しむファン足運ぶ
読売新聞 / 2024年5月10日 15時8分
-
2「LINEのセキュリティ」は大問題 TikTokと同じ道をたどるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月10日 6時10分
-
3三菱製紙子会社でデータ改ざん=耐熱プレスボード、10年以上前から
時事通信 / 2024年5月10日 17時54分
-
4【閉園騒動から再出発】「ラブライブ!聖地」水族館、新社長が語った苦悩「従業員は大量解雇」「マイナスからのスタートです」
NEWSポストセブン / 2024年5月10日 19時20分
-
5このキャラはもしかして...? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」ヒント画像公開で話題に
J-CASTニュース / 2024年5月9日 21時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください