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プロポリスが肝臓のメタボと言われる NAFLD(ナッフルディー)の進行を抑制する可能性 脂肪肝における肝臓の酸化・炎症に対する保護作用とメカニズムを解明

PR TIMES / 2024年9月26日 13時45分



 株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生、以下「山田養蜂場」)の自社研究機関である、山田養蜂場 健康科学研究所(所在地:同上)は、近畿大学工学部(所在地:広島県東広島市、学部長:荻原昭夫)化学生命工学科 小川智弘 講師との助成研究にて、ブラジル産グリーンプロポリス(以下「プロポリス」)が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)において、肝臓の酸化、炎症、線維化を防ぎ、さらに、抗酸化作用により肝臓を保護する可能性を確認しました。この結果から、プロポリスを予防的に継続飲用することで、肝臓のメタボと言われるNAFLDの進行を抑制し、肝硬変や肝臓がんの発症リスクの高い非アルコール性脂肪性肝炎NASH(ナッシュ)を防ぐ可能性が示されました。本研究成果は、「Biol Pharm Bull. 47, 1265-1274 (2024)」にて、論文発表致しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30748/241/30748-241-131fca37955551c05e74983184ebb3cd-667x387.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【研究背景】
■日本人では2000万人以上が非アルコール性脂肪性肝疾患に該当
 近年、アルコール飲酒量がそれほど多くないにも関わらず脂肪肝になる非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease; NAFLD)が世界的に増加しており、日本人では2000万人以上、おおよそ3-10人に1人がNAFLDに該当すると言われています。
 NAFLDは、アルコール性肝障害などがなく、肥満によって肝臓に脂肪が蓄積した非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver; NAFL)の状態から、肝細胞に炎症や障害が起こり、肝組織が線維化した病態まで進行した非アルコール性脂肪性肝炎(NASH; Nonalcoholic steatohepatitis)を経て、肝臓が硬くなる肝硬変や肝臓がんリスクの高い状態へと進行する病態です。

■脂肪肝に対する薬での治療法は確立されておらず予防がカギ
 NAFLDの発症メカニズムは"ツー・ヒット説"と呼ばれ、二段階で発症することが知られており、"ファースト・ヒット"は過剰な栄養や肥満、糖尿病などが引き起こす肝臓への脂肪滴の沈着、続く"セカンド・ヒット"は、酸化ストレスや小胞体ストレス、過剰な遊離脂肪酸が引き起こす肝細胞のアポトーシスによる炎症と線維化です。
 NAFLDは薬での治療法はまだ確立されていないため、予防が非常に大切となります。

■ブラジル産グリーンプロポリスが脂肪肝に対して改善作用を示すか研究を実施
 プロポリスは、桂皮酸誘導体(アルテピリンC)やフラボノイド(例:ケンフェロール)など、500種を超える有用成分を含み、プロポリスやケンフェロールは、抗腫瘍、抗糖尿病、抗炎症、抗酸化作用などが報告されています。
 そこで、本研究ではNAFLDモデルにおいて、プロポリスやケンフェロールが改善作用を示すか、また、小胞体ストレスによる炎症、線維化および酸化ストレスに注目した肝保護作用メカニズムを調べました。

【研究結果】
1.プロポリスが肝臓への脂肪滴※の蓄積を抑制し、肝機能を改善
プロポリスの投与により、血中の肝機能マーカーの数値がNAFLD群の1/4に抑制され(肝機能が改善)、肝臓組織ではNAFLD群より脂肪滴が少ないことが確認された(脂肪蓄積を抑制)。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30748/241/30748-241-86aee845bcbd138ac1d8cb131ea596f2-1280x478.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


2.プロポリスの保護作用メカニズムは、抗酸化だけでなく、小胞体ストレスによる炎症・線維化を予防
プロポリスの投与により、肝臓中の小胞体ストレスによるアポトーシス誘導関連遺伝子、炎症関連遺伝子、線維化関連遺伝子の遺伝子発現量が抑制された。これにより、プロポリスはMAPK/ERK経路とIRE1経路を介して小胞体ストレスによるアポトーシスの誘導を抑制する可能性が見出された。さらに、肝臓の酸化ストレスマーカーの遺伝子発現量が少なかった。

3.ケンフェロールがプロポリスの脂肪肝抑制作用の活性成分である可能性
ヒト由来培養肝細胞において、小胞体ストレス(パルミチン酸添加)を与えるとアポトーシスによって細胞数が減少したが、ケンフェロールを加えることで細胞の増殖が見られた。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30748/241/30748-241-3fd3e5ae7c49e772d7d0beff9bc54233-1279x479.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 これらの結果から、(1)プロポリスは、脂肪蓄積やそれによる小胞体ストレスを抑制して肝臓の炎症や線維化を防ぐことで、NAFLDの発症・進行を防ぎ、(2)プロポリス成分のケンフェロールがNAFLD予防作用に関与している可能性が見出されました。さらに、メカニズムの一端として、MAPK/ERK 経路とIRE1経路を介して、小胞体ストレスを抑えること、また、抗酸化作用による肝保護作用を示すことも確認されました。

【本研究の総括と今後について】
■ブラジル産グリーンプロポリスの脂肪肝予防への効果を追求
 本研究は、肥満による脂肪肝に対するプロポリスの作用とそのメカニズムを検証した報告です。本研究により、プロポリスに、肝臓の小胞体ストレスによる炎症、線維化を防ぐ作用や、抗酸化作用による肝保護作用がある可能性が示されました。NAFLDの予防は、肝硬変や肝臓がん罹患のリスクを防ぐことにもつながります。
今後は、ヒトにおける有用性の解明や、より詳細なメカニズムの探索により、増加傾向にあるNAFLDなどメタボリックシンドローム関連疾患に対してプロポリス飲用による予防を追及してまいります。
 引き続き山田養蜂場は、プロポリス、ローヤルゼリーなどのミツバチ産品に関する有用性研究や素材開発を通し、予防医学の観点から「アピセラピー」を追究することで、お客さま一人ひとりの健康のため、社会に貢献してまいります。



[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30748/241/30748-241-22544024d1e3ba5bfad242fc01771b3f-488x325.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
山田養蜂場 健康科学研究所

<文献情報> 
論文情報:Biol Pharm Bull. 47, 1265-1274 (2024)
論文名:The Beneficial Effect of Brazilian Propolis for Liver Damage through Endoplasmic Reticulum Stress
研究者:小川智弘、寺田拓実
所属:近畿大学工学部 化学生命工学科(執筆時点)
掲載日:2024年7月11日
URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/47/7/47_b24-00092/_article
本研究は、山田養蜂場 みつばち研究助成基金のサポートを受けて実施されました。

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