【共同プレスリリース】ソマリア はしか感染拡大、症例2,000件以上 栄養不良の子どもほど、感染、死亡、後遺症のリスク
PR TIMES / 2014年6月11日 13時1分
※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73758.html でご覧いただけます
【2014年6月10日 モガディシュ・ガロウェ・ハルゲイサ(ソマリア)発】
ソマリアの複数の地域で、はしかの感染が確認されました。はしかは極めて感染力が高く、
後遺症や死亡の危険性も高い病気です。直ちに予防接種を受けなければ、ソマリアの
子どもたちははしかに感染する恐れがあります。
2014年3月と4月に、はしかが疑われた症例は1,350件以上で、昨年同時期の4倍にあたり
ます。今年5月だけで、はしかと疑われた症例は1,000件近くにのぼったと報告されました。
ユニセフとWHO(世界保健機関)、パートナー団体の支援を受け、保健当局は小規模な
予防接種キャンペーンを行いました。6月には、感染者が特に多い北部のバリ州、
ヌガール州、中央部のバナディール州、南部のジュバダ・ホーセ州で、5歳未満の子ども
50万人を対象に、より規模の大きい緊急予防接種キャンペーンを実施する予定です。
ユニセフ・ソマリア事務所代表のシカンダー・カーンは「ソマリアには、栄養不良の
子どもたちが大勢います。こうした子どもたちほど、はしかに感染しやすいのです。
そして、死亡する確率が高く、失明や難聴、脳への後遺症といった生涯に及ぶ後遺症が
残る確率が高いのです」と述べました。
20年に及ぶ紛争で、ソマリアの保健部門は大きく破壊されました。その結果、ソマリア
の保健と栄養指標の中には、世界ワーストとなっているものがあります。ソマリアの
子ども5人にひとりは、5歳の誕生日を迎えることなく、亡くなります。その大きな
原因の一つがはしかです。
WHOソマリア事務所のグラム・ポパル代表は「極めて危険な状況です。紛争によって、
ソマリアの保健システムは極めて脆弱なものになっています。ソマリアの子どもたちの
予防接種率は極めて低く、できるだけ多くの子どもたちに直ちに予防接種を行わなければ
なりません」と述べました。
2013年、ソマリアで定期的な予防接種サービスを通じてはしかの予防接種を受けた
1歳未満の子どもは、3分の1以下とみられます。中央部南部の一部の地域では、治安が
不安定なために、予防接種率はわずか15%にとどまります。
WHOとユニセフは、予防可能な病気で何千人もの子どもたちが死亡するのを防ぐには、
直ちに国家規模でのはしかの予防接種キャンペーンを行う必要があるとしています。
対象となるのは、生後9 カ月から15歳までの子どもたち約500万人で、費用は900万米ドル
かかる見込みです。
WHOは、ソマリアのように栄養危機などに加えはしかに感染した場合、はしかに感染した
子どもの10%が合併症によって死亡する恐れがあるとみています。
■ 参考情報:ソマリアに関する統計(出典:ユニセフ『世界子供白書2014』統計版)
・5歳未満児死亡率: 出生1,000人当たり147人(世界ワースト4位)
・乳児(1歳未満)死亡率: 出生1,000人当たり91人
・5歳未満児の年間死亡数: 6万5,000人
・総人口: 1,019万5,000人
・18歳未満: 553万1,000人
・5歳未満: 192万3,000人
・年間出生数: 45万2,000人
・発育阻害(Stunting中度・重度):42%
・完全に予防接種を受けた割合: はしか 46%(ナイジェリアに続き世界ワースト2位)、
BCG37%、3種混合DPT3回42%、ポリオ3回47%
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
UNICEF: Susannah Price(在ケニア) +254 722 719867 sprice@unicef.org
WHO: Raffaella Vicentini(在ケニア)+254 716 215170 vicentinir@nbo.emro.who.int
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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