済生会と国産SAF製造に向け 廃食用油の供給に協力する基本合意書を締結
PR TIMES / 2025年1月31日 11時45分
CO2排出削減で、気候変動対策へ貢献
社会福祉法人恩賜財団済生会(本部:東京都、理事長 炭谷茂(以下、済生会))、日揮ホールディングス株式会社(本社:横浜市、代表取締役会長CEO 佐藤 雅之(以下、日揮HD))、株式会社レボインターナショナル(本社:京都市、代表取締役CEO 越川哲也( 以下、レボインターナショナル))、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY(本社:横浜市、代表者 秋鹿正敬(以下、SAFFAIRE SKY ENERGY))の4社は、済生会が運営する病院や福祉施設における使用済み食用油(以下、廃食用油)を、国産の持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel(以下、SAF)) 製造の原料として供給することで、資源の有効活用を通じて気候変動対策への貢献を目指した、循環型社会の実現のために相互に協力する基本合意書を1月31日付で締結しました。
さらに、済生会はSAFで航空機が飛ぶ世界を実現するプロジェクト「Fry to Fly Project」に参画しており、済生会の施設での周知活動を行うなど、本プロジェクトの輪を広げていきます。
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済生会小樽病院
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/65135/248/65135-248-ae287f9852aaec9a783b16bdfc8874d0-362x198.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
同院で提供する揚げ出し豆腐をメインとした「裕次郎御膳」 小樽ゆかりの故石原裕次郎氏が闘病中に食べていた減塩食のレシピを元に再現
基本合意書に基づき、済生会は全国にある83の病院や300以上の福祉施設で使用した廃食用油を年間およそ36,000リットル程度提供する見込みです。この量の廃食用油からはSAFを年間およそ30,000リットル生産でき、これによるCO2削減効果は約83,000kgとなる見込みです。
レボインターナショナルは、済生会の病院や福祉施設における廃食用油を収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYが大阪府堺市で推進する日本初となる国産 SAF の大規模生産プラント(2024年12月完工)向けに納入します。SAFFAIRE SKY ENERGYは、レボインターナショナルから納入された廃食用油を原料としてSAFの製造を行います。SAFの供給開始は2025 年4月頃を予定しています。日揮HDは、廃食用油を原料とするSAF製造事業に関するサプライチェーンの全体構築を行います。
済生会は1911年(明治44年)5月30日に明治天皇の「済生勅語」を受けて創設されて以来、経済的に医療を受けることが困難な困窮者に対して医薬を施すという「施薬救療」の精神の下、生(いのち)を済(すく)う「済生」の活動を一世紀以上にわたり展開している法人です。第3期中期事業計画(2023~2027年度)では、「施薬救療」の揺るぎない精神の下、社会的支援を要する人を含むすべての人が地域社会に参加し、共に生きていくというソーシャルインクルージョンの根付いた社会=誰一人取り残されない社会の実現を目指し、SDGsへの貢献にも力を入れています。また、新興感染症の常在化、気候変動の進行による激甚災害が頻発している状況は、医療・福祉業界も決して無縁ではないことから、中期事業計画の重点項目として、グリーン社会の実現に向けた取り組みを進めており、法人全体を挙げて温室効果ガスの削減や循環経済に積極的に取り組んでいます。本プロジェクトの趣旨は済生会の理念とも合致することから、参加する運びとなりました。
済生会と日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は今回の取り組みを通じて国産SAFが供給できる体制を整えていきます。
<SAFとは>
SAF(Sustainable Aviation Fuel)は、廃食用油などを原料とする航空燃料として、従来の航空燃料と比較しCO2排出量を大幅に削減することが可能なエネルギーです。航空機は自動車などと違い電気や水素などの燃料では代替しにくいことからSAFの利用によるCO2排出削減が世界で求められています。
日本では、国土交通省が2030年時点で国内航空会社による燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、さらに2050年には、カーボンニュートラルにすることを目指しています。その実現に向け、国産SAFの原料である廃食用油の安定的な調達が課題となっています。一方でSAFの原料である廃食用油は、年間およそ10万トンが海外に輸出されているといわれており、輸送によりCO2が排出されるだけでなく、国産SAF製造のための貴重な原料流出につながっています。
<国内初となるSAF大規模製造事業の概要>
日揮HD、レボインターナショナルは、コスモ石油株式会社と共同で国内での廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年11月1日付で新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指しています。製造設備は2024年12月に完工し、2025年4月頃からの供給を予定しています。供給するSAF は、国際的な持続可能性認証である ISCC CORSIA 認証を取得しています。なお、本事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)より採択※を受けた助成事業です。
※NEDOホームページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100312.html
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完工したSAF製造設備(コスモ石油堺製油所構内)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/65135/248/65135-248-1ed2a4e9ef942115b4e9f2da6559eb13-1200x788.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
SAFの原料となる廃食用油受け入れ施設(コスモ石油堺製油所構内)
<Fry to Fly Projectについて>
「Fry to Fly Project」は、家庭や店舗などで発生する使用済み食用油を原料とするSAFを用いて、航空機が飛ぶ世界を実現するプロジェクトです。プロジェクトは日揮HDが発起人となって設立し、設立主旨に賛同する企業・自治体・団体が、家庭や飲食店など身近なところで発生する廃食用油の提供を通じて、日本国内における資源循環の促進に直接参加しています。
特設ホームページ https://www.jgc.com/jp/esg-hsse/initiative/fry-to-fly/
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